2002.11.22 津田塾大学 「教材・教具論」
コンピュータを使った日本語教育<基礎編>
講義資料 2003.1.14 フィードバック
国際交流基金日本語国際センター専任講師
根津 誠 (netsu@nihongo.club.ne.jp)
http://homepage1.nifty.com/netsuma/
1. CALL教材(CD-ROMなど)
- 例(対象は以下に限定しない):
- 黒帯(日本 入門 一般)
- Kantaro (オーストラリア 高等教育 漢字)
- Michio Teaches Japanese (オーストラリア 初等教育)
- Japan Album (オーストラリア 中等教育)
- 写真パネルバンクCD-ROM(日本)
- クリックe コミック「コボちゃん」
- CALL教材の主な特徴
- 好きなモード、好きな順番、好きなペース
- インタラクティブ
- おもしろさ
- 設備
- 日本国内と海外
- どう使うか:コースウェア、副教材、授業、自習
- CALL教材開発 → インターネット利用
- その他のリンクは下のページを参照
nihongo side street > Workshop materials > 日本語教育とコンピュータ
> 5. 授業で使えるWebサイトと効果的な使い方
2. インターネットを利用した個別学習
- Web上で日本語教育のためにデザインされた教材
- 導入、練習
例 語彙の確認
- 教師によるフォローアップや学習者同士の交流
- 評価、データの集約と蓄積
例 オレゴン州のオンライン試験とデータベースシステム
- コース管理ツール
例 WebCT
- 学習支援サイト
3. インターネットを利用した教室活動
- 1st hand experience (生もの、人)
- 協同作業
4. 教師のためのWebサイト
5. 海外の日本語教育におけるコンピュータ利用状況
フィードバック(アンケートを読んで)
林先生からみなさんの感想を送っていただきました。全体を見て思ったのですが、講義のときの質問が少なかった割に(^^; 伝えたかったことをよくわかってくださり、ありがとうございました。わたしにも大変参考になりました。いくつかの点についてコメントします。
- 教材の一部としてのコンピュータ教材
これがすべてではなく、選択肢、また学習環境を構成する一部として使えばよいというコメントがたくさんあったのは、心強い限りです。所詮語学は対面で学ぶものだ、という考えがあるのも当然だと思います。これまでのコンピュータ利用例で成功しているものを見ると、遠隔通信だけではなく実際に会うとか、メールだけではなく生ものも送りあうとか、そういう二段構えになっているものが多いのです。コンピュータ教材は興味を引きやすい反面、醒めやすいのも事実です。それをどうコミュニケーションにつなげていくか、みんなで考えながら使っていきましょう。
- 設備の格差
コンピュータが使える人、地域とそうでない場合がある、というのはまったくその通りです。私たちの行っている教師研修にも、国へ帰ればWWWなんて見られない、という人も来ます。でもWWWを使った教材を考えることは、実は生ものを使った教室活動を考えるのと同じ部分がほとんどです。ですから「このページを使ってどんな課題が出せるだろう」と考えることは、その教師にとってけっして無駄にはなりません。私が教師研修で課題を作ってもらうときも、自分の技術と自分の現場の状況に合わせて、どんなことができるかを考えてもらうようにしています。単純な例ですが、生徒がみな自宅にコンピュータを持っているところもあれば、学校にインターネットの使える生徒用コンピュータが図書館に1台しかない場合もあります。後者の場合、来週まで1週間時間を与えて、生徒が順番に見るといった使い方をします。
機材がない機関や地域とは、どんなところでしょうか。最大の原因はハードウェアやソフトウェアを買う予算がなく、またその必要性が認められていないことです。この場合、インターネットではなく実際のコミュニケーションといっても、日本に行ったり、日本人の教師や一般の人と接触する機会もあまりありません。そんなとき最低限の予算と時間で現実の(または現実に近い)コミュニケーションを実現するのが、コンピュータだと言えるでしょう。もちろん手紙や絵、テープを送り合うのも効果的なのは言うまでもありません。
もう一つついでに言うと、開発が遅れている国というのは、先進国に比べて、ある日突然整備されて、一気に先進地域を追い抜いてしまうことがあります。例えば電話回線が充実していない地域で、いきなり高速回線が敷設されたりします。また、以前からコンピュータを使っていた地域には、独自の古いソフトがいろいろあって、新しくて便利なソフトへの乗換えがなかなかできません。
- 出回っている教材はださい
これは紹介者がださいので半分仕方ないのはともかくとして、日本語教材全体に言えるかもしれませんね。海外で現地の高校生向けに開発されているものの中には、いくつかクールなものもあります。たとえばイギリスで開発されたtobuというオンライン教材や、オーストラリアのNSW州などで開発されている教材の一部などです。他の方でも、ご自分の外国語学習体験と照らし合わせて、なかなか魅力を感じるものがなかったと書いた方もいました。どうぞみなさんのセンスを活かして、これから教材開発に関わっていってください。
- 教材作成に関わるときの自分の役割
上の「ださい」点と関連して、教材を作るときの教師の役割について少し。ITを使った教材を作る場合、内容と効果的な学習方法について考える人、学習者の身になってデザインできる人、そしてプログラムを選択して実際に書く人などが必要です。自分ですべてするのは大変ですから、いっしょに作る仲間を増やしましょう。また、教材作成に興味のあるいろんな背景の人が出入りできるコミュニティがあればいいですね。
コメントに対する再コメント、そのほかのご意見や、みんなに知らせたい情報があったら、ここのトップページからメールをくださるか、または掲示板にご遠慮なく書き込んでください。楽しみにしています。
2003.1.14 根津 誠
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