【オートレースとは?】
■極限の走りを目指した芸術品■ ・オートレース専用エンジン ・車体各部 2段変速トランスミッション ダイヤモンド型フレーム 独自のサスペンション構造 ブレーキがない ハンドルの高さが左右違う 計器類がない
■競争車の特徴と歴史■
オートレースの競争車は、一般の市販車やロードレーサーとは、設計、仕様の
点で大きな違いがあります。
まず、最も異なる点は前後輪ともブレーキが無いことです。
車と車が触れ合うくらいの接戦を展開するオートレスでは、勝手なブレーキ操作
は他車を落車させる危険があるからです。
ミッションはローとトップの2段変速。
スタート後はトップギアのみで走ります。
先ほどのノーブレーキとあわせて走行中選手はアクセルワークとエンジンブレー
キのみでスピードをコントロールします。
また、エンジン関係は当然オートレース用に高度のチューンナップが施されて
います。 競争車の外観も市販車とは大きく違います。
まずハンドルの左側が極端に高くなっていることです。これは最大約38度も左傾
して疾走する際にハンドルが走路に接触しないためです。
また車体は非常にシンプルです。これは一切のアクセサリーを廃し徹底して軽量
化を図った結果です。
日本初のオートレースは昭和25年10月に船橋で開催されましたが、この時の出
場車はどれもスタンダード車を改造したものでした。
当時の競争車は外車ではハーレー、マチレス、ノートンなど。
国産車はメグロ、キャブトン、サンシャインをはじめ、なんと30銘柄も・・・。
やがて昭和29年に”純レーサー”JAPエキセルシャーが輸入されると、これに
刺激を受けて同年キョクトーが誕生、ついでトライアンフが改良され、昭和39年
のトーヨーの登場でメグロを含めた4車体制に至ったのです。
この間、800mダートから500m舗装路へ、普通タイヤから三角タイヤへ、などの
いくたびかの大きな変化がありました。
そしてツインカム8バルブを搭載した高速安定走行の申し子「フジ」の時代が到
来。現代の究極の走りを目指した、新型エンジン「セア」が生まれたのです。
コースを左回りで、平均時速105km(直線での瞬間最高速度150km、コースでさえ90km)という猛スピードで疾走するために、競争車はいくつかのユニークな特徴を備えています。
平成5年にデビューした新型エンジン「セア」は、オートレースの走路や走法に合わせて、特別に開発されたエンジンです。
従来の1気筒あたり2バルブから4バルブへと変わったことにより、バルブ系に対する負担が大幅に軽減され、故障が少なく安定した性能を発揮することができるようになりました。
また、上下運動を回転運動に変え、回転に弾みをつけた役割を果たすクランクも、従来の2つのピストンが同時に上下する360°クランク方式から、2つのピストンが交互に上下して点火・爆発が不等間隔に起こる一体式180°位相角クランク方式に改め、滑らかな回転と大幅な低振動化を実現。操縦性を向上させるとともに、競争車各部や補器類への影響も減してマシンの信頼性を一段と高めています。
もちろん、これらの新メカニズムは、エンジン開発時の重要なテーマであった「選手の負担軽減」「白ろう病や腰痛などの予防」にも確実に貢献しています。
500mのオーバル走路を舞台にして、わずか90mにも満たない直線と、「突っ込み・立ち上がり」の繰り返しとなるコーナーを、巧みなアクセルワークで駆け
抜けて行くオートレースの選手たち。
「セア」は、その苛酷な使用に耐えるばかりでなく、選手ひとりひとりの操縦技術を、存分に引き出すことのできるポテンシャルを備えているのです。
三角タイヤ
前後輪とも、ダンロップKR-73,300-20-4PRタイヤを使用。
カーブでの接地性をよくするために、タイヤの断面は三角形をしていますが、それでも新品のままでは接地性が十分ではないため、使用する前に接地する側のトレッド部の表面をサンダーで削り、さらにコースを数周する「当たりつけ」を行います。なお、タイヤの寿命は、普通の3〜4レースです。
雨天用の特別なタイヤはありません。トレッド部の高いものを「雨天用」、トレッド部の低いものを「晴天用」として使用しています。なお寒冷期には、薬品の配合率を変えてゴムの発熱性を高めた、KR-73Wタイヤが使われることもあります。
ローギヤでスタートして、トップギヤに入れ替えたら、あとはアクセルワークによる加減速のみ。トップギヤのパワーバンドは時速50km〜150kmと非常に広いため、コントロールには細心のテクニックが要求されます。
フレームは、JAPエキセンシャー型から発展したダイヤモンド型フレームを採用しています。この形式は、三角フレーム、エンジン、エンジンプレート、上下バックフレームを、すべてボルト&ナットで連結。エンジンの振動と落車時の変形を最小限にとどめる機能的なものです。
なお、付属品として、前後フェンダー、フェンダースティ、サドル、ひざ当て、ステップ、チェーンケースなどを備えています。
フロントはコイルスプリングのみのテレスコピック形式のフォーク、そしてリヤはまったくのリジット。これはタイヤが限界を越えて横滑りした時にも、マシ
ンのコントロールを容易にするためです。
競争車の最大の特長。レースが接近戦で行われるため、勝手なブレーキ操作は
追突事故の元となるからです。
なお、キャブレターにはアイドリング機能が無く、シャッターが完全に閉じるため、エンジンブレーキの効きは強力です。
コースを左回りで、終始傾斜して走行する競争車は、傾斜時の安定性を向上されるために左ハンドルが高くなっています。
各種メーター、ランプ類など、競走に必要のないものは一切取り除かれています。セルモーターや始動キックペダルもないので、エンジンの始動は押しがけによって行います。
