このHPをオープンして、初めてのホット
な作品紹介です。
日本での公開が危ぶまれていたこの作品
「クリティカル・ケア」が、第11回東京
国際映画祭の「東京国際ファンタスティ
ック映画祭」で上映されました。
今のところ一回だけの上映ですが、ファ
ンタのHPでは「1999年公開予定」とな
っていますし、少なくともビデオリリー
スはされるでしょう。
巨匠シドニー・ルメット42本目の作品
で、スペイダーが美しい白衣姿で初の医
師役を好演しています。



クリティカル・ケア
(原題 Critical Care)


冒頭看護婦がオールディーズの「ドライ・ボーンズ」が流れる中を、機械に依存して
いる患者の病室を巡回していくのだが、転調を繰り返して上がったり下がったりする
音楽が病状を示唆しているようで、なかなか心憎い演出だ。さすがに職人芸!
そして、長時間労働を強いられているドクター・スペイダーのキャラクターが、看護
婦とのやりとりで実に見事に表出され、コミカルなテイストと相まって観客はあっけ
なく監督の手中にはまっていく。

スペイダーのキャラクター設定がツボ。
高校の時は「科学おたく」、大学では「○○○○の変態」(忘れてしまったのです)
と蔑まれて女の子から全く相手にされなかった男が、医者になったことでモテモテ男
に大変身。今は、その立場を大いに楽しんでいるスペイダーの女たらしぶりを、物語
の発端ともなる患者の娘との出会いまで実にテンポよく見せてくれる。
見え見えの誘いにまんまとのってしまう安直なスペイダーが可愛いのよ、とっても。
お約束のベッドシーンでは、今回はズボンを脱ぐだけです。胸毛すら見せてくれませ
ん。が、ズボンの下はやっぱり黒パン。(そんなに好きか?黒パン)
でも、トランクスね、大きめの。

なんだ、やたら軽いノリの病院ものかと思いきや、そこは社会派シドニー・ルメット
次第に様相が変わっていきます。
彼の担当する集中治療は、延命装置に依存する患者の生と死と常に対峙しなければな
らないという、やっかいな仕事だが、遺産相続に関わる延命のトラブルに巻き込まれ
て右往左往していくうちに、彼の医師としての生き方を見つけていくという、実に
深いテーマ性を持った作品になっていくのです。
(エンディングの音楽は、プロローグとうって変わってクラシックだしね。)
医師としての社会的立場危うし!というところで反撃に出るところも、まったく気負
いがなく、ある種の“ずるさ”をもったおとなの演技なんですね。

それから、特筆すべきはシカゴブルズのスタジャンが凄く似合ってて、ググッときて
しまいます。
ひたいにかかるサラサラ髪、セクシーな顎の線など、パーツ的にも良いですよ。
特に終盤はアップが多いので、うっとり〜。

スペイダーの演技力と美しさ、シドニー・ルメットの手腕…派手さはありませんが、
なかなか味わい深い映画でした。

                                 (by ねり)