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「StrangeHighway」 第8章 その1 風と雨が木の葉を歩道に散らしていた。ジョーイは もう一台の車の100ヤードほど後ろにつけて走って いた。今ならまだ引き返せるが、前に走る車について もっと知ってしまえば、今までの現実に帰れなくなる ということを彼は直感した。そして、1マイル走る毎 に現実から遠ざかり、二度目のチャンスの世界にはま りこんでいった。 3マイルほど走ると、白い2ドアのPlymouth Valiantが停まっていた。彼が追いかけていた車は、 Plymouthの側で減速したが、再び速度を上げて走り 去った。Plymouthの側にいたのは、16〜7才の一 目を惹く可愛い女の子だった。白いレインコートのフ ードを被っている。その姿はジョーイにOur Lady of Sorrowsの聖母像を連想させた。彼女の側を通り過 ぎるとき何か胸騒ぎがした。彼女の顔に目のない、血 塗れの死体の幻影が重なった。どういうわけかジョー イは、このままにしておけば、この少女は今晩中に惨 殺される運命にある。ということが分かった。 |
![]() ISBN番号:1-57042-287-7 |
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車を停めて彼女に駆け寄った。 「Thank God, you stopped」彼女は言った。 「どうしたんだい?」「車の故障なの。」 ボンネットを開けて、故障の様子を調べてみるジョーイ。しかし車は動かない。明日父 親と取りに来るから、家まで送ってくれれば良いと彼女は言った。 「どこに住んでるんだい?」「コールバレーよ」 「あそこにはもう誰も住んでないはずだ。」 「私たちが最後の3家族の一つなの。ほとんどゴーストタウンよ。」 あがないのための「二度目のチャンス」を手に入れたのに、自分がやってることは良 い方向へ行き着くのか悪くなるのか、彼にはわからない。彼女を車に乗せることがチャ ンスをつぶすことになるとしたら・・・。何も考えずに彼の口から言葉が出た。"Show me your hands."いぶかる彼女だったが、彼の言葉に従った。そこで彼が見たものは…。 はじめ彼女の手のひらは綺麗だったが、まもなく中央にゆっくりとかすかな傷が浮かび 上がってきた。しかし、その傷は彼女には見えなかった。今や傷は大きくなり血がした たるほどになっていた。ジョーイが見ているのは、これから起きることらしい。彼女 は、ブロンドの死体の女の子では無い。彼女は黒髪だから。だが、あの彼女と同じよう な死に方をするに違い無い。少女の手のひらの悲惨な聖痕は、自分では何も感じないが ますます大きくなってくる。突然、ジョーイは彼女のこの傷が危険が迫ることを意味す るということを理解した。路肩に停まってもたもたしているのはどうやら良くないこと らしい。 つづく |