「StrangeHighway」 第4章


 Our Lady of Sorrowsは彼が覚えた通りだった。
ジョーイは誰にもみつからないことを願いながら、最
後列に座った。父の葬儀には200人以上の人が参加
していた。女性の参会者はみなハンカチを目に当てて
いたが、男性はほとんど泣いていなかった。炭坑での
生活には悲劇がつきものであるが、耐えること、それ
がアッシュビルの信条であった。
ジョーイは教会から墓地に向かった。墓地は丘の上に
にある。父は母の墓の隣に埋葬されることになってい
た。母の墓を見るのも初めてである。自責の念にから
れつつ、父の墓穴に近づいた。墓穴を覗くと、底に血
塗れのプラスチックに包まれた裸の女がいた。顔を覆
われ、濡れたブロンドにリボンをつけている。ジョー
イは飛び下がり、他の会葬者にぶつかった。息がつま
った。肺に墓場の土がつまったような気分だ。ジョー
イは叫びたくなった。棺をのけて穴を見ろ〜!シート
で包まれた女がいるぞ!
・・・彼は何も言えなかった。

司祭が来た。誰もその女がいるとは思わない。女の存在は永遠に棺の下に封じ込まれて
しまうのか・・・。ジョーイはもう一度話そうとした。しかし何も話すことはできなか
った。
ある時点で、それは実在ではなく幻覚だと彼は気づいた。
 ジョーイは墓地から出て車に向かった。葬儀の途中だが、会葬者が何と思っても構わ
ない。酒のことだけを考えていた。しかし、父親の埋葬はまだ済んでいない。それまで
はしらふでいようと決めたはずだった。彼は酒瓶の蓋を開けなかった。
 丘の上では、秋の半分裸になった木の下で、棺はゆっくりと地面に沈んでいった。
司祭が離れ、会葬者もジョーイの車にあからさまな好奇心の目を向けつつ、それぞれに
散り始めた。
 雷が空に響きわたった。
 彼はこれで人生での大事なことは終わったと思うはずだったが、何かまだ足りないこ
とがある。と感じていた。
                                    つづく