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「StrangeHighway」 第18章 その2
彼女は、深呼吸すると話始めた。
「1973年の春、あなたが田舎の高校を卒業する時、私は二年生だったわ。あなたにちかづく勇気は無かったし、あなたが私のことなんか気にもかけて無いって知っていた。あなたは遠くの大学に進学して、そこで彼女を見つけるだろうし、もう二度とあなたに会うことも無いと思っていた。」
ジョーイのうなじの細い髪が肌にチクチクしたが、その時は彼には何故かわからなかった。
「わたしはとても落ち込んで、すごく情けない気分だったわ。それで、本に没頭したの。そういう時はいつもそうするように、この図書館のこの本棚の前で新しい本を探していて、あなたの本を見つけた時・・・」
「僕の本だって?」
「わたし、背表紙にあなたの名前を見つけたのよ。ジョセフ・シャノン」
「どの本だよ。」ジョーイはいぶかしんで棚を探った。
「その時は、たぶん同じ名前の他の作家の本だと思ったわ。でも、手にとって裏表紙を開いたら、そこのあなたの写真があったのよ。」
ジョーイは彼女の瞳を見つめた。何という不思議なことだ。
「今のあなたの顔じゃないわ。多分、あと15年くらいしたらそうなるだろうっていう顔。でも面影はちゃんと分かるの。」
「訳がわからない」そうジョーイは言ったが、自分のやってきたことを考えていた。
「コピーライトのページを見たら、その本は1991年に出版された本だった。」
「今から16年後かい?」
「73年の春ことよ。当時からすれば18年後だわ。ジャケットにはこれがあなたの8作目の本で、そのうち6作はベストセラーになってる、って書いてあった。」
ジョーイのうなじのざわざわした感じが大きくなったが、それは不快なものではなかった。
「私はそれを借りる手続きをしたけど、係りの人から受け取った時には、もうあなたの本じゃなくて69年に書かれた、一度読んでる本に変わっていたのよ。」そう言って彼女は懐中電灯をジョーイの背後の棚に向けた。
「どうしてかわからないけど、またあの本が今夜ここにあるような気がするのよ。この夜の今だけに。」不思議な感慨に包まれながら、ジョーイは明かりの示す先を目で追った。喜びの小さなため息がセレステの口から漏れ、赤い背表紙の本の所で明かりが止まった。ジョーイは自分の名前がそこにあるのを見た。名前の上には銀文字のタイトル「Stange Highways」。
つづく
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