StrangeHighway18a

「StrangeHighway」 第18章 その1



画像  真夜中を過ぎ、シェリフに事情を説明した後、ジョーイとセレステはアッシュビルに戻る車中にいた。
 警察はコールバレーに退去命令を出し、ドーラン一家は自分たちの危機を知らないままに、町を避難させられていた。ビマー一家の遺体はデヴォコウスキーの葬儀社に委ねられたのだろう。セレステの両親は、アッシュビルでコーシャック家の人々とベバリーの心配をしていたが、殺人事件に関する知らせも、今夜もうコールバレーに戻ることができないということも、知らずにいた。教会の他にも、突然の地盤沈下が町の他の部分にも起こり、人が住める状況では無くなっていたのだ。
 ジョーイとセレステは、パトカーの後部座席にいた。コールバレーロードからカントリールートに入る頃には、雨はやんでいた。
セレステは警官に、アッシュビルのコーシャック家に寄るように頼んでいた。ジョーイには何故セレステがまっすぐ帰りたがらないのかわからなかったが、きっと何か考えがあるのだろうと思って黙っていた。ジョーイ自身にしても、早く家に帰りたいとは思わなかった。今頃両親は警察に叩き起こされて、息子の恐ろしい行動について聞かされているに違い無い。ジョーイは新しい人生を手に入れた訳だが、両親にとって状況は酷いことになってしまったのは確かだ。両親の悲嘆の有様を見るのは非常に辛い。
 彼が自分の運命を変えたことが、もしかすると4年後には癌で死んでしまうはずの母親の運命も変えることができたのではないか、とジョーイは考えていた。世の中全体から見れば小さなことであるけれど、運命を変えることができたということは、ジョーイの心に前向きな変化をもたらしていた。
 二人を置いてパトカーが行ってしまうと、セレステがジョーイの手を取って言った。
「あなたに言っておかなきゃ。」と言った。「何でも言えよ。」
セレステはは明かりの消えた図書館にジョーイを導いた。
「驚かないでね」「何をさ」
図書館のドアは頑丈だったが、ガラスの窓がついており、セレステはそのガラスを肘で割った。ジョーイは慌てて周りを見渡したが、この小さな町で、この時間に起きてる人間はいなかった、しかも今は1975年である。割れた窓から手を入れて鍵を開けながらセレステは「絶対に信じるって約束しなきゃダメよ。」と迫った。
ポケットから小さな懐中電灯を出すと、セレステはジョーイを図書館の中に導いた。貧しい町の小さな図書館なので、目的のものはすぐに見つかる。
「信じるって約束して」「だから何をさ」「約束して」「わかった信じる」

つづく