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「StrangeHighway」 第17章 その9
コール・バレーの地下では、何年もに渡って燃え続けた炎により、石炭の層に空洞ができており、地表の重さに耐えきれなくなっていた。特にこの地区では、大規模な地盤の沈下が起きていた。地下室は揺れて、床は隆起しひび割れはすぐに3フィートから5フィートに広がった。教会の上部では建物が菱形に歪んでいた。
床も壁も天井も崩れ落ちてきてどうしようもない状態なので、ジョーイはセレステを床に横たえた。床の裂け目は今では6フィートほどになっており、セレステを抱いて飛び越えるのは無理だった。例えここを飛び越えることができても、無事に出口まで辿り着くことはできないだろう。ここで死ぬのかと思うと、心臓が早鐘を打ち、膝ががくがくと震えた。
彼らがここでこんな風に死ぬなんてことがあるものか。
彼らはこんなにがんばったのに。
彼は正しいことをした。だから今やこれから何が起ころうと、恐れることは無いのだ。
僕は悪魔なんか恐れない。
突然、天井の崩壊が止まり、騒音と共に建物の構造物が退いていき、替わりに頭上に空間ができた。すると、ジョーイの背中に冷たい風が吹き付けた。地下室の壁を振り返って見ると、驚くべきことに、土台と後退する壁の間にV字型の隙間ができており、そこから外の風が吹き込んだのだ。隙間は教会が傾くと共に広がっていった。出口だ。
が、まだ地下室の壁は8フィートほどの高さがある。簡単に出られる高さではない。まして彼はセレステを抱えている。
石の崩れ落ちる轟音と共に、足下の亀裂が広がり、踵の側を地下からの火が煽った。そこへ吹き込んだ雨が蒸気となって立ち上がった。
彼の心臓はまた激しく高鳴ったが、今度は恐怖のためではなく自分を待ち受ける運命を思ってのことだった。
彼の前ではモルタルのラインに沿って、地下室の壁にジグザグに大きな亀裂が開いた。
ガタガタ揺れていた石が、揺れる地面にはね跳ばされて、彼の脛を痛烈にぶった。そこかしこで石が跳んだ。基礎はしっかりしていたが、壁には至るところに手をかけるところができていた。ジョーイは消防士のように左の肩にセレステを担ぐと、傾く建物を上へ登り始めた。
ジョーイは炎を噴き上げるベントパイプの間を縫って、びしょ濡れの草と泥の上をセレステを、通りまで引きずっていった。
ジョーイはアスファルトの上に、セレステが意識を取り戻すまでしっかりと抱いて座り、セント・トーマス寺院が燃え上がりばらばらに崩れながら、地下の名も知れぬ王国に飲み込まれる様子を見ていた。
地面が沈み込んだ。
つづく
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