StrangeHighway17g

「StrangeHighway」 第17章 その7



画像 その光の揺らぎは、不思議な大きな光の球を横切るたくさんの翼の影のようなものだった。
全てが変わっていた。
彼は傷ついておらず痛みもなく、自分の足で立っていた。彼は教会の階段の上にいた。
ムスタングは突っ込んでおり、PJは既にセレステを手に入れていた。時間は巻き戻ったが、この苦境について十分考察できる余裕は与えられていないようだ。あと数分で地下からの突き上げがくるだろう。今度は失敗する訳にはいかない。今度こそ最後のチャンスだとジョーイは疑いもなく理解していた。
彼は通路に向かって走った。教会の前面にある聖域をセレステを抱えたPJが移動するのが見えた。ジョーイは通路に着くと、ショットガンを捨てた。もうこれに頼るのはやめだ。PJはセレステと共に聖具室に消えた。ジョーイは聖域の後側まで止まらずに走った。十字架がムスタングの衝突の衝撃で床に顔を下にして落ちたままになっていた。ジョーイは十字架を拾い上げ、聖具室に急いだ。鍵がかかっている。前の時はショットガンで吹き飛ばしたが、今度は勢いをつけて激しく足でキックした。何度も蹴りつけると、少しドアがゆるんできた。更に蹴るとドアが開いた。彼は聖具室に入った。
地下室へのドア。木の階段。前の時よりも時間がかかっている。もう兄の姿は迷宮の奥深くに進んで、見えなかった。ジョーイは階段を駆け下りた。銃を持たないことと、十字架を据え直したことで前と違う結果になるだろう。前の時はジョーイはPJと会うことなく、最後の部屋に辿り着いたが、今度は兄は別の場所に潜んでいることだろう。
ジョーイは慎重に進んでいった。
なんという熱さだ。まるでオーブンの中にいるようだ。
ジョーイは用心深く進みながら、天井に潜む蜘蛛以外のものを探していた。
二つ目の部屋に着いた時、教会の地下から轟音が響いてきた。三つ目の部屋に入ると、不吉な音が振動と共にやってきた。
時間が無い。迷っている時間も失敗する時間も無い。
彼は十字架を右手にしっかりと握り、体の前に抱えた。
頭上には影ばかりで、部屋をどんどんすぎ最後のしきりを越えた。
セレステが薄暗い明かりの下にぐったりと横たわっている。床が激しく揺れ、ジョーイは最後の部屋に投げ出された。折しも石の床が割れてオレンジの光の刃が地下から突き上げてきた。床の裂け目にモルタルや石が崩れ落ち、ジョーイとセレステの間の亀裂は絶望的に広がっていた。
PJは消えてしまったように見えた。

つづく