StrangeHighway17d

「StrangeHighway」 第17章 その4



画像 おお神よ。 またチャンスが与えられた。
今度こそ最後のチャンスだろう。
時間前より過去に行ってる訳では無いようだ。彼に与えられたチャンスの可能性は低くなってきている。考えている時間は無い。少しの判断ミスももはや許されはしない。ムスタングは既に教会に突っ込んでおり、祭壇は燃えており、ジョーイは車の屋根の上でレミントンのトリガーを引いていた。今度は車に打ち込むことはせず、前にPJがいた場所に向けて撃ったが、そこにPJはいなかった。何故だ?混乱して風防ガラスに弾を撃ち込んだがそこにもいなかった。慌てて背後を振り返ったが、PJは角材を手に近寄ってはこなかった。
なんてこった!また同じ間違いをやってるぞ。どうすればいいんだ。考えろ。考えろ!
セレステだ。セレステを救うんだ。
PJを捕まえることは後回しにして、PJより先にセレステを見つけるんだ。
ショットガンを手にガレキをかき分け、前にセレステが倒れていた場所に行ってみたが、そこに彼女はいなかった。聖域の中にセレステを運ぶPJが見えた。中央の廊下はガレキでふさがっている。側面を廻ってそこへ急ぐジョーイ。PJは聖具室のドアを開けてセレステと共に入って行った。ジョーイは不意の攻撃に注意しながら後を急いで追った。聖具室のドアは閉まっており鍵がかかっていたが、ショットガンで吹き飛ばした。聖具室の中はガランとしており、ベバリー・コーシャックの死体だけが隅に置いてあった。外に通じるドアは閉じたままだった。
 地下室へのドア。そこを開けた。黄色い月の明かりに、蛇のような細長い影が隅の方でとぐろを巻いていた。ジョーイのうつろな足音が、運命の瞬間への時を刻む時計の音のように、白木の階段に響いた。周囲は焦げ付くような熱気があふれており、地下室の床に着く頃には暑さが耐え難いものになっていた。
地下室は、いくつかのしきりで分けられており、一つの部屋から次ぎの部屋を見渡すことはできなかった。ジョーイの不安感は高まり、次の部屋に入る時には吐き気とめまいがした。地上部分は一般的な炭坑町の教会だったが、地下の部分は相当な古さと重圧感があり、ジョーイはまるで遠い時代・遠い場所のローマのカタコンベに入り込んだような気がした。
ジョーイは立ち止まってショットガンに再び弾をこめた。次の部屋に入ると、蛇のような影が再びゆらめいて床を横切っていった。その影はPJとセレステのものに違いない、ジョーイは恐れを飲み込み、第三、第四の部屋に続いて入っていった。地下室は果てしなく広がっているようにも思えたが、例えどんなに広いとしても、いずれは彼は兄の待ち受ける最後の部屋に辿り着き、正しいことをやりとげなければならないのだ。
 その部屋には窓が無かった。外へ行くドアも無かった。対決は避けられない。

つづく