|
「StrangeHighway」 第17章 その2
全てが変化していた。
火は消えており、PJもいない。十字架は再び壁に架かっている。ろうそくも倒れておらず、シーツも燃えてはいない。
セレステが、ジョーイの肩に捕まっていた。驚いてあえぐジョーイ。
「あなたは、あの時間から逃げてきたのよ。でももうあまり時間は残されて無いわ。」
この時、まだムスタングは突っ込んできてはいなかった。
リプレイ。
ジョーイは過去の時間に戻されたのだ。以前のように20年前・・ではなく、たったの数分前、長くても2分。
まだ彼女を救うことができるチャンスのある過去。
ヤツが来る。「セレステ!」
聖域のゲートに向かって走りながら彼女が叫んだ。「ジョーイ、早く床に手を触れて!こぼれた水で濡れているところよ!急いで!」
今度は失敗できない。これが最後のチャンスだ。ジョーイはセレステに続いた。
屋根を叩く雨の音の向こうから、別の音が響いてきた。ムスタングだ。ヤツがくる。今度のリプレイは、前の時よりも忙しい。ジョーイは焦りながら床から20ゲージのショットガンを掴み上げた。セレステは中央の側廊へ急いでいた。「そこをどくんだ!車が突っ込んでくるぞ!」ジョーイが怒鳴った。廊下の途中で振り向いたセレステは、聖者の顔をしていた。殉教者・・・。
ムスタングの凶暴なうなり。彼女の手のひらには黒い大きな傷が見えた。「走れ!」ジョーイは叫んだが、彼女はその場に凍り付いたように動かなかった。
今回は、彼はムスタングが突っ込んでくるまでに、聖域の手すりにまでもたどり着くことができなかった。
西側の壁から、夥しい破片をまき散らしながらムスタングが飛び込んできた。飛び散った一枚の板が回転しながらセレステにあたり、廊下の真ん中あたりまではじき飛ばした。これは、前の時にはみることができなかったシーンだった。
二つのタイヤがパンクして、車が止まった。喧噪の中で、ジョーイは聖域の後ろの壁から十字架が落ちる音を聞いた。前回のように混乱した中で床に身を伏せていたのとは違い、今回はジョーイは無傷で聖域の中に立っていた。しかもその手にはレミントンがある。彼は聖域の手すりを蹴り飛ばした。
ジョーイの認識の範囲内で、破壊の有様は前の時と寸分の違いも無かった。今度は何としてもうまくやらねばならない。彼を止めなくては。
銃を手にしつつ、ガレキの山をよじ登り、今回は前の時よりもかなり速く車の所にたどり着いた。
つづく
|