「StrangeHighway」 第14章



何かPJを止める手だてがあるはず・・・。ビマー家
の台所でジョーイは考えていた。このまま急いでも、
ドーラン家では死体を5つ見つけるだけだろう。例え
二人がPJより早く着いて5人を守ろうとしても、結
局PJは彼らを撃ち殺すことができるだろう。
今夜からの20年間で、PJは何人の人を殺してきた
だろうか。年に2人で40人か?それでは少なすぎる。
月に一人以上、20年で250人の犠牲者が、無惨に
殺されて闇に葬り去られてきたきただろうか?PJな
らそのくらいはやってのけただろう。ジョーイは責任
の重さを初めて痛感した。
「ヤツは俺達をドーランの家に行かせたがっている。
そこで、みんなが死んでるのを見せたいんだ。もしこ
こで、ヤツの裏をかくことができれば、ヤツをドーラ
ン家から俺達に引きつけておくことができる。」
「例えばどうやって?」
「ヤツを出し抜くのはとても難しい。PJは自分のす
ることを確信をもってる。」


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「それは、彼が何か信じるものがあるからよ。自分の情熱に対する盲目的な信仰みたい
なものが彼に力を与えているのよ。」セレステの言葉はジョーイにひらめきを与えた。
「その通りだよきっと。でも、ヤツは自分だけを信じてる訳じゃない。他にも何か強烈
に信じているものがあるはずだ。そこをつけば優位に立てるかもしれない。」「私には
そうは思えないけど・・・。」「後で説明する。時間が無い。急ごう。台所でろうそく
とマッチと空のビンを見つけて水を入れてくれ。懐中電灯はオレが持っていくから、灯
りが必要なら冷蔵庫を開けるといい。蛍光灯はつけないように。」と言って、ジョーイ
はセレステを残しドアに向かって進み出す。「どこへいくの?」「居間と、二階だ。必
要なものがあるんだ。」「何?」「そのうちわかる。」
ジョーイは居間の壁の十字架を苦労して降ろした。次に二階のハナの部屋から10イン
チほどの聖母マリアの祀堂を見つけた。ベッドの上の白いシーツをはがし、その中にマ
リア像と他のアイテムを丁寧に包んだ。
 台所では冷蔵庫のドアが細く開いており、その光の元でセレステがまだ捜し物をして
いた。「半ガロンのプラスティックの水差しを見つけて水を入れたわ。それとマッチは
見つかったんだけどろうそくがまだなの。」「続けて探して。」と言ってジョーイは二
階から持ってきた包みを床に降ろした。ガレージの工具箱の中から一番重いハンマーを
取り、丁度良いサイズの釘を見つけだした。台所に戻るとセレステがろうそくを見つけ
ていた。3本は赤で3本は緑だった。ベスがクリスマスのために準備したものに違い無
い。ジョーイが欲しかったのはシンプルな白いろうそくだったが「まあしょうがないだ
ろう。」と言って包みを開き、新しく手に入れたものを一緒に包んだ。「一体これは何
なの?」「俺達はヤツの幻想につきあうのさ。」「どんな幻想?」「説明してる時間は
無い。そのうちわかる。さあ急ごう。」
 荷物とショットガンを持って、二人は玄関から外に出て、コールバレーロードに向か
った。ノースアベニューのベントパイプが、突然一斉にシューッという音を立てた。有
毒ガスの煙が通りに沿った全てのパイプからあがった。「今までこんなことは無かった
わ。」まるで巨人のカーニバルのようにパイプは夜の通りに鳴り響いた。気を取り直し
て先を急ぐ二人。
 雨は嵐に変わっていた。


                                    つづく