「StrangeHighway」 第11章 その2



---回想---
 冷たい雨。赤い血の色を思わせるトランクの灯り。
そしてPJ。世界が凍り付いたようだった。ジョーイ
は言った。「僕は、ただ手伝おうとしただけなんだ。」
大きく目を見開いたPJ。その時ジョーイは、兄もこ
の死体を初めて見たのだと、何とかして信じたいと思
った。しかし、PJはこう言った。「ジョーイ聞いて
くれ、これは確かにとんでもないことだが、お前が思
っているような訳ではないんだ。」「Oh,Jesus,PJ.
Oh, God!」PJは5、60フィートしか離れてない家
の方を見て、両親が出てこないかと確かめた。「説明
を聞いてくれ。オレを信じてくれ。」「彼女、死んで
るよ。死んでるんだ。」「わかってるさ、とにかく落
ち着いてくれ。」「一体何をしたんだよPJ。一体」
PJはジョーイに近づき車の後ろに押しつけた。「オ
レは何もやっちゃいない。」「ああ、どうして?PJ、
この血塗れの死体を一体どうして説明するって言うん
だい?」「声がでかいぞ、まず落ち着くんだ。」
PJがジョーイの肩を掴んだ。「オレは一体誰だ。お
前の兄さんだろう。お前は、オレがニューヨークに行
って何か別の怪物に変わったとでも思ってるんじゃな
いのか?」「中に彼女が」ジョーイが言えたのはそれ
だけだった。


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「ああ その通りだ、オレが乗せたんだ。だけどオレは何もやっちゃいない。」
PJは、ジョーイを危うくトランクの中の死体にくっつきそうになるほど強くリアバン
パーに押しつけた。「分かってくれよ。オレはお前の兄さんだろう?今までよくしてや
ったじゃないか。」「そんなこと言ってるんじゃないよ、どうしちゃったんだよPJ
?」「今までお前の面倒は良くみて来たじゃないか。俺達は最強の兄弟じゃないか。オ
レがお前を大事に思ってるってことをわかってるよな?」PJはジョーイの肩から頭に
両手を移し、強く挟みつけた。恐れよりも痛みに満ちた表情で、ジョーイの額にキスを
した。PJの異様な迫力で繰り返される言葉で、ジョーイは半分催眠術にかかったよう
な状態になっていた。「ジョーイ 良く聞け。お前はオレの弟だ。血を分けた弟だ。お
前はオレの一部なんだ。お前を愛している。わかってるのか?お前を愛しているんだ
ぞ。お前はオレを愛してないのか?」「あ 愛してるよ。」「俺達はお互いに愛し合っ
ている。俺達は兄弟だ。」ジョーイは啜り泣いていた。「だから困ってるんじゃない
か。」
ジョーイの頭を掴んだPJは、鼻と鼻がくっつくほどに顔を寄せて、ジョーイの目をの
ぞき込んだ。「だから、お前が兄さんを本当に愛しているんなら、訳を聞いてどうして
こうなったのかわかってくれよ。いいかいジョーイ? オレはPine Ridgeをドライブし
ていた。森から彼女が飛び出してきた。ブレーキを踏んだが間に合わなかった。オレは
彼女を轢いてしまったんだ。」「彼女は裸だよPJ。さっきちょっと見たんだ。裸だっ
たよ!」「そのことさ。彼女は森から裸で飛び出してきた。男が追いかけてたんだ。」
「どんな男だよ?」「見たことのない男だった。だが、彼女は後ろの男を振り向きなが
ら走っていたから、気づかずに車の前に飛び出してしまったんだ。」「追いかけてきた
男はどこへ言ったんだよ?」「一度立ち止まったが、オレが車から降りると森に逃げて
行った。追いかけたが、向こうの方が森に詳しかったらしい。間もなく見失ってしまっ
た。」PJは額をジョーイの額にくっつけた。「ああ、ジョーイ本当に恐ろしいこと
だ。なんて恐ろしいことをしてしまったんだオレは。」

                                    つづく