スペイダー来日記者会見

5回にわたってお届けしたスペイダー来日風雲記、
呆れるほど客観性のない、へべれけ状態のまま書い
たものなので、やはりここらできちんとした会見の
内容をお伝えします。
11月5日のホテルオークラ春日の間にタイムスリッ
プしましょう。

「トゥー・デイズ」に出演して、何か新しい発見はありましたか?

今までにない経験でした。リーの行動は通常の理解を超え、それは私の生
活の範囲以外と言えるでしょう。そういう意味で、役をいじり、遊ぶこと
ができました。ある日から他人になって、数ヶ月たって自分に戻る…。
これは俳優であることの面白味のある一つです。


撮影中のエピソードや見どころを教えて下さい。

4つのストーリーが一つになるというストーリーの構成に惹かれました。
リーは触媒のような役柄で、みんなを絡ませ、一つに結集させ る役です。
監督が時間をかけて慎重にキャスティングしたおかげで、どの役を 見ても
個性的です。みんな、楽しんで演技をしていたと思います。とにかく、一
つ一つあげていったら、きりがありませんね。


いつも一癖ある役や、女性とトラブルを起こすような役ですが、役を決め
る点はどういうところですか?


出演の選択はいつも違います。題材、アイデアに驚かされてやる時もある
し、特定のキャラクターに惹かれてやる時もあります。そういう時は、他
の部分はどうでもいいんです。また、スタッフやキャストの人たちとの仕
事ができること…例えば尊敬する人とか。金が必要だからということもあ
ります。でも、全て揃うのは極めてまれです。私自身、これまで運がよか
ったと思うのは、いろんな意味で満足させてくれることが多かったといえ
るでしょう。


今、言ったような色々な条件が揃った作品を教えて下さい。

まず、「セックスと嘘とビデオテープ」。これは、当時私が求めていたも
ので、芸術性も高く、大変満足の行くものでした。妥協と言われたりもし
たが出演料もよかった。「クラッシュ」や「トゥー・デイズ」は、これま
で尊敬していた人たちや友人とできたことで満足しました。役もエキサイ
ティングでしたし、撮影がロサンゼルスだったので自宅から近く、短期間
であがったことも理由の一つです。「ぼくの美しい人だから」(90年)や
「ウルフ」(94年)も、スタッフ、共演者、脚本がみんな尊敬できたし、
キャラクターもユニークだったので思い入れがあります。




役作りの方法は?

サイコな部分は私の中にある部分です。ニューヨークにいた時、精神病院
に勤務している友人がいて、誰もがそういう部分があると言っていました。
例えば、プラットホームに立っている時、目線の端でなんとなく病的に見
える人がいるように見えた。でもよく見たら、ただ新聞を買っている人だ
った……というように、何でも精神病的に解釈してしまうものです。本当
にサイコな人は、何でもないことにこのように解釈してしまう人が多いと
思います。
映画俳優とは、演じる中でわずかな部分しか現実の反映はありません。あ
くまでも、空想の世界なんです。それを映し出す役なんです。


映画の暴力などが、現実に与える影響をどう思いますか?

そういった関連をはかるのは難しいです。暴力というのは、本来人間が持
っているものです。例えば、ニューギニアのジャングルでは、映画もTV
もありませんが、狩りなど暴力的な行動をしています。また、私には男の
子が2人いますが、遊びで剣で戦ったりと、攻撃的な面を見せています。
このように、誰もが持っているもので、映画やTVの暴力シーンを見てや
るわけではないと思います。映画で言えば、悪い映画は関心がないので見
ませんが、質のいい映画の暴力シーンは、モラルの範疇という理由のシー
ンばかりです。だから、映画と現実は離すべきです。
SEXシーンもそうといえます。映画は、大人向け、子供向けと、両者の
間に境界線を引くべきだと思います。


でもやはり、社会の暴力はメディアの責任が大きくないでしょうか?

一部は、育った環境に基づくものがあるかもしれない。私の子供たちには
トゥー・デイズ」も「クラッシュ」も「ぼくの美しい人だから」も見せて
いません。私自身、子供たちに見せるものはいつも検閲しています。
「クラッシュ」は、暴力、死、SEXを扱っているので、嫌う人もいます。
でも、私はそれなりの価値があると思っています。でも、17歳以下には不
適切でもあります。内容を理解し、考えることができる人にとっては価値
があるのです。自分たちの知力、能力、責任によって対応しなくてはなり
ません。世間では、いろいろなイメージが氾濫していますが、選択式に取
り入れないとならない。惑わされたりしないようにする責任があるのです。
だから、子供たちが色々なイメージにさらされていることをどうするかは、
親の責任にあると思います。でもこれは、あくまでも映画の世界のみと言
えます。何を見せていいか懸念がある場合は、レーティングで決めればい
いと思います。




役柄から抜け出すことに何かやることはありますか? また、監督業に進
出は?


役柄から抜ける時は、着替えてシャワーを浴びます。監督をやることにつ
いては、現段階ではハッキリ決めていません。

家庭でも、このように長く話すのですか?(場内爆笑)

(笑って照れながら)妻は、今ごろ辟易しているでしょうね。私は何に対し
ても簡単な答えが出来ないんです。質を補うために、長くなってしまって。


これからやってみたい役柄、作品、一緒にやりたい監督をあげて下さい。

やってみたい役柄は、人種の制約がなかったらといつも思います。これま
でやったことがない役…エイリアンがいいですね。エイリアンといっても
別の文化のものや、異邦人というようなものです。“東京で迷子になった
男”なんていうのもいいかもしれませんね。
やってみたい映画は、驚きに満ちたものやこれまで見たことがないような
ものです。
一緒にやりたい監督は、毎月変わる程たくさんいて、リストが長すぎるの
で省きます。これまでの作品では、初監督という人が多かったが、これも
面白いです。


最後に一言お願いします。

また来日できることを楽しみにしています。