ACT.10 1991年-2

  「ホワイトパレス」

「ホワイト・パレス」のセントルイス・ロ
ケーションに、スペイダーは妻のヴィクト
リアと1才の息子セバスチャンを伴って来
た。
今は家庭生活の手本のようだから、昔の話
をすると苛々するようだが、彼は、すっか
り落ち着いた印象だったと周囲の者は口々
に言う。
彼はいつも純粋で、そして意地っ張りであ
る。面白いエピソードがある。
スペイダーは、たくさん酒を飲んで自己崩
壊が差し迫ってくるかも知れないと思うと、
自ら断酒会に出席したりするのだ。



長年の友人でハリウッドのタレントマネージャーであるゲリー・ハリントンによ
れば、『彼は決してアル中ではない。ジミーが3日続けて外で飲めば、アル中に
なる程飲み、その後2年間は酒を一滴も口にしないだろう。彼は全ての事を誇張
して、それを素敵にみせようとする傾向がある。』と言う。

スペイダーの新しい家はバザード湾と呼ばれている水辺にあり、そこは昔、彼の
祖父が所有していた所だ。
スペイダー家は4〜5世代前から同じ小さな町に住んでいる。誰に聞いても彼等
はCheeverの小説に出てくる家族のようであり、無害なヤンキーの変わり物一族
だという。
7月4日、スペイダー一族はおもしろいコスチュームを身につけパレードをする
らしい。『へんてこな程いいのさ 』とスペイダーは云う。『しかしそれは決して
自分にとってはそれほど変じゃないよ 』
…やっぱりヘンだ。(筆者)

さて、「ホワイトパレス」。
スペイダーはまたしてもヤッピー、広告業界の人を演じている。しかし、今度は
今までと違い、ネガティブなヤッピーからポジティブなヤッピーへ。
歳の差が16才、そして環境も教養レベルもすべてに対照的な、世間の常識からみ
れば、もっとも恋に発展しそうにないカップルのラブ・ストーリー。これを素晴
らしい相手役を得たスペイダーが持てる魅力を存分に生かし、さらに自分の演技
の幅をぐんと広げ、新しい代表作にしたのだ。
共演したスーザン・サランドンは言う。
『彼はずっと脇役を続けた後、「セックスと嘘とビデオテープ」における性的に
ブロックされたグレアムの進歩した演技を通して新しい時代に新しいプロフィー
ルを得た。このあと彼は新境地を開くだろう。そして、I Think he's really a
leading man (主役をやる人だと思う)』とも。


10回にわたってご紹介してきましたスペイダーの軌跡ですが、手元の資料もここま
でですので、この「BIO GRAPHY」の連載もひとまず終了とさせていただきます。



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