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世界を騒がせた初代ローライ35の登場から3年、高級感のあったローライ35も、追随する他社の廉価版コンパクトに対抗せざるを得ない時期となった。露出計をセレンに、シャッタースピードを汎用範囲に、レンズをトリオターに、そしてメカを簡略化し金属部品を減らしたボディは100gも軽くなった。
ところが、これがローライ35の新たな魅力を引き出すこととなったのである。初代も気楽なお散歩カメラに適しているが、より気楽にぶら下げて行けるのだ。なにしろ持ち前の小ささに加えて、軽い。高級機の初代に比べて気軽に扱える。電池が要らない。実際持ち出してみると、その魅力がよくわかる。
トリオターというレンズは、テッサー3群4枚に比して3群3枚であり、思いがけず抜けが良い撮影結果とは言え、テッサーほどのシャープさと色乗りを見せない。しかし遥かに多くのガラスを使った名レンズ、ゾナーに似た特性を見せる柔らかい描写は、かえってお散歩お気軽撮影に最適な描写と私には思われた。このレンズで収差を全く感じさせないのは、カールツアイスの技術の進歩なのかもしれない。
ひとつ断言できることは、使うことでこれほどの愛着を即座にオーナーに持たせるこのカメラ、相当な魔性の持ち主である。 |