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【作品リストと感想】

● 鉄男 ●
【製作・監督・脚本・美術・撮影・照明・編集・特撮】

塚本晋也

【音楽】
石川忠

【出演】
塚本晋也(ヤツ)/ 田口トモロヲ(金属に憑かれる男)/石橋蓮司(謎を知る男)/藤原京(男の恋人)/  叶岡伸(ヤツに操られ金属に憑かれる女)

【物語】
鉄に取り憑かれ、鉄と己の肉体を融合させ、NEWWORLDを作ろうとしている<ヤツ>は、融合実験に失敗、発狂し、外に飛びだしたところを、男の車にはねられてしまう。
男と同乗していた恋人は、<ヤツ>をスクラップ場へ捨て逃げ出す。
そんなある日、異変が男を襲う。頬に金属の刺のようなものがはえてきたのだ。男はおののきながらも日常生活を続けようとするが、駅のホームで金属に浸食された女に襲われる。その場はなんとか逃げ延びたが、男の肉体は徐々に金属に冒され始める。
<ヤツ>の呪い。
恐怖に怯える男の肉体は加速度的に金属へと置きかわっていく。そして、ついに、心配する恋人をドリルと化したペニスで刺し殺してしまう。半狂乱になった男のもとへ<ヤツ>からメッセージが届く。「今から行く」と 。
瀕死の状態でスクラップ場の中へ放り込まれた<ヤツ>はついに金属と融合することに成功し、その影響は男にも及んでいたのである。
鉄と肉を融合させた、二人の「鉄男」は激しく戦い、混じりあい、やがて一つの大きな塊となる。
NEW WORLD
塊は、世界を破壊し尽くすために、疾走する。

【ここがシビレた】
しょっぱなから、もう、なにもかもがカッコよい!
灰色がかったモノクロオムの世界。肉体の一部しか映らない男。石川忠の緊張感ある音。己の太股にナイ フを突き立てる! あふれる黒い血(モノクロだから)、荒く早い呼吸音。肉の中に金属の棒を埋めこむ震える指。「鉄男」がダメな人はここで、すでに挫折するそうなので、この場面をカッコいいと思えるかどうかで、塚本信者になれるかどうかの、踏み絵になってる気がする。
わたしはここでファンになった。

【感想】
今も多くのファンを魅了し続けている「鉄男」。
塚本監督の原点であり、最終到達点でもあると思う。いや、ここから進んでないということじゃなく、ぐるりと回ってやがて、戻ってくるというか。そういう感じ。全面的に暴力が押し出されているので、ダメな人はダメだと思うが、これも一つのNEWWORLD-パラダイスだと思うが、いかが?
主演の田口トモロヲ氏の演技ももちろん、素晴らしい! 田口氏あっての「鉄男」であると言っても、バチは当たらんだろう。個人的には、オープニングの痙攣ダンスが好き。ばちかぶりを思い出す(笑)
石川氏の音楽も素晴らしい。もともと、インダストリアル系の音楽は好きなのだが、好みは横においておいても、映像にぴったりとあっている。
ざらついた、悪夢のような質感の映像。狂気をうちに孕んだ役者。猛々しくもストイックな音楽。これが、映画というものかと、ウロコがぼろぼろ落ちた気がした。
ところで、何回見てもわかんないのだが、石橋氏の役割っていったいなんなの?  <ヤツ>が破壊の権化だとしたら、その破壊を止めた石橋氏は、神の代理人としてのシャーマンなのだろうか。ま、いいけどね。どうでも。

【ビデオ】
ジャパンホームビデオより発売。14523円 。
まだ売ってるかどうかは不明。高くて泣いたが、買っといてよかった。

【DVD】
ビームエンタテインメントより発売中。5800円。ビデオの半額か……。

1989年7/1から中野武蔵野ホールにてレイトで公開開始
先行公開として「プレミアム・メタル・ナイト」と称して「ばちかぶり」サイキックライブ+「鉄男」の上映。司会にいとうせいこう氏。ゲストに伊藤与太郎(メトロファルス)、ケラ(有頂天)、大槻ケンヂ(筋肉少女隊)、泯比沙子