レンタルお姉さん 荒川龍  東洋経済新聞社 06/05/11 1500円

引きこもり問題が顕在化して久しいが、未だに有効な解決法は提示されていない。
政府は手をこまねき、民間団体が監禁事件を起こすということも出てきた。
そんな中で奮闘している団体の一つがこの「レンタルお姉さん」である。
NPO法人なので、ボランティアではない。ちゃんとした給料が出る、普通の仕事だ。だが、さほど高額でもない賃金と、仕事の大変さを秤にかければ、やはり辞退する人のほうが多いのではなかろうか。少なくとも、自分にはとてもできない。
引きこもっている人間に、まず手紙を書く。そこでのコミュニケーションが成立したら、今度は家まで行く。そこでもコミュニケーションがとれるようになって初めて、実際に顔をあわせて会話をする。
その過程でセクハラめいたこともあり、時には暴力をふるわれることもある。それでも彼女たちは、黙々と信頼関係を築いていく。彼らが、自分の狭い世界から出てくる手助けをするために。
最終的には、この法人が主催している寮で共同生活を送りながら、社会に出るリハビリをするのが目的らしく、その先は本人の努力次第のようだ。
つまり「レンタルお姉さん」というのは、きっかけ作りにすぎない。
だが、世の中にはそのきっかけさえ掴めない人間が大勢いるのだから、彼女たちの奮闘は決して無駄ではない。そう思いたい。




 ロボットの未来 別冊宝島481  宝島社 00/01/10 743円

ロボットである。
去年はハービー、アイボと相次いでペット型ロボットが発売された。それも、ものすごい売れゆきらしい。
工業用ロボットも、日本の技術は世界いちぃぃぃぃぃっ!か どうかは知らないけども、格段の進歩をとげている。
本書は、そんなロボットたちの近況をまとめてみました、という本である。      NHKのロボット競技会や、大学・高専のロボットサークルの紹介。ロボット開発者へのインタビュー。 果ては、なんだかわからないが、ロボットアニメの系譜まで。
そんなに難しいことは書いてない……と思うので(でも、わ たしには半分ぐらいしか理解できなかった。嗚呼っ!)興味ある方は、さらっと彼らの近況を読んでみてはどうか。




 ラブ&フリーク 北島行徳  宝島社 00/06/20 1619円

障害者プロレス・ドッグレッグスを描いた作品・「無敵のハ ンディキャップ」その後の物語。
著者であり代表者である北島氏の目から見た、障害者プロレ スに関わるようような人々の日常。
恋をし、迷い、愛しあい結婚はしたものの酒に溺れて、離婚 をつきつけられたり。
障害者であることだけで結婚を反対されて駆け落ち同然で暮 していたり。
養護学校生徒の少年に関わってとしまったために、人生を振 りまわされ、それでも関りをやめない、やめられない人がい たり。
プロレスを通じて自分を表現でき変わっていった人。 平穏な日常を求めて去っていく人。
人生というのは、一瞬のきらめきと哀しさに満ちていると思 い知らされる作品である。 それでも生きていかなければならないのだ。 命のある限り。




 隣人 重松清  講談社 01/02/02 1600円

まさに世紀末。
信じられない事件が次々と起こった、20世紀末。 新潟少女監禁事件や、池袋ハンマー通り魔事件。 ようような事件を、直木賞作家でもあり、ルポのアンカーマ ンとしても活躍する重松氏が検証している、ノンフィクショ ンコラム。
事件だけでなく、アイボやお台場など、新世紀に向かう日本 を象徴するようなものも取り上げている。
20世紀のおさらいに、ぜひ。