笑う運転手
植上由雄
本の雑誌社
01/08/25
1600円+税
大阪のタクシー運転手うえちゃん。女と金と人情に弱い、典型的上方人のうえちゃんが語る、タクシー車内の悲喜こもごも。
口語調で書かれた文章は好き嫌いがあるかもしれないが、ぼやきつつも真剣に、また飄々としながらも熱く語るうえちゃんの話は、疲れたハートにかなり効く。
耳の不自由な少年との話と、母親が出ていってしまってばあちゃんと暮らしている男の子の話が、一番泣かす。それも、うえちゃんの素朴な性格があってこそだ。
動物と子供には勝てないということで。
私は、おっかなババア
室井滋
文藝春秋
01/12/20
1238円+税
女優・ムロイの日常コラム。
相変わらず、日常のささいなことに対する観察眼の鋭さ、言葉の的確さ、表現の面白さには脱帽。
ドラマの撮影でパンツが見えてしまった話や、近所のうちに盗まれた自分の台車とそっくりなものが置いてあって悩む話など、特にオススメ。
爆笑、までは行かないけど、ちょこっと笑いたい時には最適。
忘れないでね、わたしのこと
内館牧子
朝日新聞社
02/05/01
1200円 週刊朝日に延々と連載されている週刊コラム。
本書連載中に、十周年だか十五周年だかが来たと思う。
脚本家内館氏の日常語りコラム。
日常コラムというのは、その人の考え方がストレートに出るので、読んでいてとても面白い。
横綱審議委員になったことからか、今まで以上に相撲への提言も目立つ。
ダメになったと言われている大相撲だけに、こっち方面への内館氏の活躍も注目だ。
わかってきました
赤瀬川原平
講談社
00/01/01
1600円
科学は好きだが、理科系要素がないと思って諦めていた、 作家・赤瀬川氏が、理科系に歩み寄ろうと、理科系を代表す る方々にレクチャーを受けるという企画本。
迷子のペット探し屋。 複雑系の解説。 ひよこの鑑定士。 UFOを見る心理。 催眠入門。 等々。
いかにも、理科系ーっというものから、一見してわからない ものも含めて、その筋の識者が懇切丁寧に解説してくれる。
文科系を自認する方は、赤瀬川氏と一緒に、理科系の渓流下り をするのも悪くないかもしれない。
わたしには、半分ぐらいしかわかんなかったけど。
若気の至り
郷ひろみ
角川書店
00/11/26
1200円
思えば、郷ひろみというのは、ものすごい人なのかもしれな い。
浮き沈みの激しい芸能界で、数年に一度必ずヒット曲を飛ばし、話題を提供する。まさに、超一級のエンターティナー。
雑誌連載されていたコラムに加筆修正をして発表したのが、本書である。
ジャニーズ事務所時代の話。超絶アイドル時代の話。現在の身の回りのにいる愉快な人たちの話。
文体こそ、いかにも聞き書きしましたーっ、もしくは、インタビューを元に構成しなおしましたという感じの、バカっぽいものなのだが(たぶん、ライターの郷氏へのイメージがそんなもんなんだろう)、内容はおもろい。はっきり言って、おもろい。かなりお勧めである。
本文でさんざん笑わせた後、後書きで真面目なことを書いて締めるというのも、やるなあと思わせる一因である。
疲れた時に、お勧め。