2006/12/13 青山劇場 【作・演出】きだつよし 【出演】 【物語】 近未来。 タイムマシンの開発が進み、風峰薫(大野智)は被験者として実験に参加していた。孤児である薫は金になる仕事ならば、なんでもした。だが、タイプワープした幕末であやうく殺されそうになり、そんな危険な仕事はできないと逃げ出そうとする。 科学者・氷室(羽場裕一)は、部下に薫を拘束するよう命令する。実は不安定なこのシステム、生きて無事に帰ってきたのは薫だけだったのだ。 危機を感じた薫は、タイムマシン〜転生システムである白いロングコートを奪い取り、どことも知れない時代へと飛んだ。 薫が飛んだ時代、そこは江戸時代初期の芝居小屋。 しかも、薫は「サスケ」という男に間違えられてしまう。彼らは旅の一座に見せかけてはいるが、実は反徳川の急先鋒、真田十勇士の生き残りたちだったのだ。薫は、そのうちの一人、サスケと間違えられたのだ。 必死に違うと言い募る薫だったが、次第に彼らの優しさと情熱に惹かれていく。 だが、そこに現われたのは服部半蔵(平野勲人)率いる忍者たち。徳川配下の彼らは、反徳川の活動を潰しにかかっていたのだ。 追い詰められ、逃げる真田残党たち。 その夜、薫は密かに隠れ家を抜け出し、自分の時代に帰ろうと試みる。だが、そこにおとき(美波)がやってくる。孤児であるおときは戦うことしか知らない。薫は、人々が笑って暮せる平和な世の中があるということを、教える。自分は未来からやって来たのだと。 しかし、真田残党の中に裏切り者がいた。 裏切り者の手引きで、追い詰められた真田残党は、全員殺されてしまう。すんでのところで、転生システムが起動し、薫は現在へと戻される。 現在に戻った薫は、自らの意志で転生システムを作動させようとする。おとき達を救わなければならない。たとえそれが、歴史を変えることになったとしても! 再び、芝居小屋に戻ってきた薫は、同じような時間をたどりながら、彼らが死なないように歴史をねじ曲げてしまう。 死んではいけない、生きて、その目で未来を見るのだ。 薫の叫びが彼らに届く前に、追ってきた氷室に薫は捕まってしまう。そして、転生システムの暴走。 薫と氷室は時間の穴の中に落ち込んでしまう。そこには、今まで失敗した被験者たちが、時間の放浪者となって蠢いていた。薫と氷室もこのまま放浪者になってしまうのか。だが、その時、薫を呼ぶ声がした。 薫を救ったのは氷室の部下、三木(秋本奈緒美)だった。 「あなたが風峰薫だったんですね。風峰薫の危機を救え。それが、一族に伝わる言葉です」 実は三木は、薫が救った真田残党の子孫だったのだ。転生システムを持たない彼らは、薫からのおんを代々伝え続けていたのだ。 薫はこの世界で一人ではなかった。薫の目には過去から続く未来への絆が、見えているようだった。 【感想】 大野智×きだつよし、第三弾。 発砲B'zinのきださんによる、大野智主演舞台は過去に2作品上演されているが、それはすべて元々劇団で上演されていたものの焼き直しで、本作が初めての書き下ろしとなる。 つまり、この二人が出会わなければ、シリーズ化もしていないだろうし、この作品が生まれることもなかったのである。 お互いが、お互いの出会いを幸運と思う、ハタから見ていてちょっと羨ましい関係である演出家と役者。 シリーズ完結だそうだが、彼らの明日にもまだ続きがあるのだろうか。 グローブ座から青山劇場へ進出。 やはりちょっと劇場が大きいかなあという気持ちにはなった。 どこがどうとは言えないが、ちょっと器が違うかという感じ? とはいえ客席は満員、役者は熱演という熱い舞台。 ストーリーが単純すぎるという不満もあちこちから聞いたが、これはこれでOK。 もう一ひねりすれば、確かにもっと深みのある人間ドラマができたかもしれないが、この人たちのスタイルは、疾風疾走気がついたらゴールというのが、正しいのだと思うからだ。 大野智、相変わらずの身体能力の高さ。 このすごさは、森山未來に匹敵する。 殺陣のキレはさすが。ダンスもちょっとだけ踊ったが、ちゃんと見てみたかった。 嵐の曲もやったらしいが、嵐を知らないのでなんとも……周りは受けていたので、それでいいんだろう。 勉強します。 |