12月某日は忘年会。

各教室の有志が、自慢の芸を披露する。

当教室は毎年出場し、数々の賞と話題をさらって来た。おかげでこの時期になると、いろんなところから

「今年は何やるの?」「楽しみにしてるよ」と声がかかる。

私も所詮他人事、楽しみにしていた。ある日、ジョンに楽譜を渡されるまでは。

「これ、何?」

“’Hark! The Herald Angels Sing’だよ。クリスマス・キャロルだ”

「なんで、私に?」

“セイコも歌うんだよ。今日第一回目の練習するからね”

「待ってよ、私は六歳で“証誠寺の狸ばやし”を踊り付きで歌ったのを最後に、人前では歌わないことに決めたんだから」

“タヌキバヤシ?Racoon woods?

woodsじゃなくて、music。そんなことじゃなくて、私は歌わないからね」

“もう決まったことだよ”

昼休み、いやいやながら屋上へ。風が吹いて、寒いの何の。

だがなんと!ジョンはピアニカまで用意しているではないか。

“’Hark’はキャロリングでさんざん歌ったから、バリトンパート、楽譜ナシで歌えるよ”

“懐かしいな、声変わりする前は聖歌隊にいたんだ”

「なら経験者だけでやってよ」

“そんなのおもしろくないだろ?”

“セイコはメロディパートだから簡単だ”

低音部だけでコーラスを始める連中の輪から離れてショーンが一人、陰気な顔をしている。

“歌は苦手なんだ”

わ、ショーン、お友達!

その日から、ジョンの特訓が始まった。怒られるのは二人だけ。

“ほら、ショーン、声出して”

“セイコ、はっきり口開けて!Heraldの発音が悪い!リズムを感じて!”

ショーンはすぐ歌うのをやめてしまう。全体練習でも、できるだけ声が聞こえないように歌っている。おかげでこちらの負担は増すばかり。家へ帰っても、CDに合わせて練習する日々が続いた。

ジョンからやっとO.K.が出たのは、前日のこと。

“ソロはもっと自信を持って歌うといい”

「なんでソロ?」

“ショーンは本番ではたぶん声出さないから”

(納得)

そして当日。東急ハンズで買った輪を頭にはめて、天使に扮した私たち。拍手喝采を浴び、『最優秀コーラス賞』に輝いた。

残念だったのは、「モー娘」を歌いつつ乱舞した某教室講師陣のすさまじさに、他が全部かすんでしまったこと。

Tedが目を輝かす。“来年はああいうのやろうよ”どうぞどうぞ。わたしは移動だもん(たぶんね)。


☆☆ 今日のOne Point Lesson:
“We sang with feeling.”
私たちは感情を込めて歌いました。

feelingの使い方を覚えましょう。

feeling「さわってみた感じ」と「心の中の感じ」の両方を言います。

I lost all feeling in my fingers.
指の感覚がすっかりなくなってしまった。

I have a feeling of pain in my side.
脇腹が痛む。

Do you have a feeling of heat?
熱さを感じますか。

心の中の感じ。

What are your feelings about this?
そのことについてどう思いますか。

Is he a man of feeling or a man of reason?
彼は感情的な人ですか、理性的な人ですか。

She has no feeling for the sick.
彼女は病人に思いやりがない。

本年の”Let’s Speak English”はこれでおしまい。二週ほどおやすみをいただいて、またパワーアップしてお届けします。

I wish you a very merry Christmas and a happy new year!