| ○月×日
十月には帰国するジェイムズ。 毎朝 How are you?(調子、どう?)と声をかけると、 I’m sad(悲しいよ).と返ってくる。 “そんなに日本は良かったの?” “もちろん。本当に人生最高の二年間だった” たったひとつやり残したことがある、という。 駅から毎朝パチンコ屋の角を曲がって教室にやってきていたのに、ただの一度も入ったことがない。 “じゃ、行けば?” “宗教上の理由でギャンブルをやることは禁じられているんだ” でも中の様子やどんなものなのか見てみたい、と。 私に一緒に行ってくれって? 私も実はパチンコ屋というところに足を踏み入れたことがない。ま、一向に痛痒を感じたこともなかったけれど。 “すぐ帰るからね。よく見ておいてよ” と言いながら、戦場へ赴く兵士の心境(?)。 “わ、天井が鏡張りなんだ” “見て見て、あれはなんだろう” とはしゃぐジェイムズを引率して、ふたつ空いた席へ並んで座る。 隣のおじさんのまねをして五百円玉を入れたのはいいけれど、ばらばらと玉をこぼしてしまった。 おじさん、すぐに全部拾って台に入れてくれる。 「ねえちゃん、あんた、初めてか」 こうやってな、ここにこう入れて、ここをここらへんまで回して(おっちゃん、勝手に手ぇ握らんといて)、 とやっていると、 「おいっ、おいっ」とおっちゃんは興奮し始めて 「やったー!」 ??目の前がちかちかして、ファンファーレが鳴り響く。「ねえちゃん、やったやんかぁ。おい、アメリカのにいちゃん、ぼーっとしとらんと、はよドル箱(?)もってこんかい」 このあひるは何?へ?白鳥がどうしたの?右手で私の手を握ったまま、おっちゃんは左手で玉をあけたりならしたり。区切りがついたようなので、帰ります、というと、おっちゃんは重たい箱を運んでくれた上、景品の交換の仕方まで丁寧に教えてくれた。 景品?ステッドマン医学大辞典のCD-ROMだぴょん (一生分の運を使い果たしたのでは、と内心ヒヤヒヤしていたところ、後日パチスロで運転免許の「景品」をとった人の話を聞きました。まだまだ世の中は知らないことがいっぱいあるな、と思った帽子屋でした) ☆☆ 今日のOne Point
Lesson: 電車やエレベーターの中で知らない人と目があった。 どうします? 何となくそらす。とっても日本人的。でも英語圏ではあんまり誉められたことじゃありません。 そういう時、軽く ”Hi,”と言えばいい感じ。 日本語の、はい、より「い」を軽く、飲み込む感じで。 あいさつは人間関係の潤滑油。これは世界中一緒です。 もう少し親しい人に会った時は?必ず ”How are you?” 日々、一番使用頻度の高いフレーズです。そう聞かれたら、もちろん昔習ったみたいに ”Fine, thank you. And you?”と答えてもいいけど、 簡単に ”Fine” だけでも大丈夫。聞き返すのも忘れずに。 応用編として ”How are you doing?”(少しくだけた感じ) ”How’ve you been?”(あれからどうしてた?) がありますが、まずは「はう・あー・ゆー?」。 その日最初に会った時は必ず「はう・あー・ゆー?」 簡単だけど、これがすんなりできる人、少ないです。 |