○月×日

見たことのない外国人女性が入ってくる。

“マンディです。ゲイリーが病気で来られない。代わりに私がゲイリーのクラスを教えてもかまいませんか?”

これがあの評判の“ぶっ飛び”マンディ、ビデオカメラを水で洗っちゃうマンディか、と思ったが、どう見ても普通の人。

せっかく来てもらったけれど、講師として登録していない人は教えられない、と説明して、交代要員の手配をする。あとはその場にいたスーザンも交えて雑談。

“ゲイリーの病気は何?”

shingles帯状疱疹)なの。大人のchickenpox水疱瘡)。熱が出て、関節が痛むとかでもう大変。死にそうな顔で寝てる”

“わかるわかる、その感じ。この2月にヒロシと私、同時にインフルエンザにかかったの。でも、家に食べるものがない。ヒロシは‘ボクは38’7”もある。スーは38’4”だろ。スー、行ってきてよ。ボクはこれから寝なきゃ’って、見たらもうパジャマに着替えてた!”

“母も言ってた。父が病気になると、ちょっとの熱で遺言状を書きかねない様子になるって”

“ママもよ。ダッドが病気のときは、いつも離婚したくなるんですって。あんまり騒いでうんざりなんだって”

“なんでかなー。男の方が、絶対痛みには弱いよね”

“やっぱり子ども産むことと関係あるのかな”

ひとしきり話が盛り上がり、陰気なゲイリーよりマンディの方がよっぽど講師に向いている、と思いかけたところ、マンディが

Can I use the telephone?(電話、使わせてもらえる?)彼に迎えに来てもらわなくちゃ”

“彼?”

“ゲイリーよ”

“だって病気なんでしょ”

“でも私、左車線は運転できないの。地下鉄は一人で乗れないし”

死にそうな顔で寝ていても、送り迎えをさせられる、かわいそうなゲイリー。電話で病欠の連絡を入れればすむ話なのに。陰気なのはそれが理由?


☆☆ 今日のOne Point Lesson:
“May I use your telephone? ”
「電話を貸していただけますか。」

スーザンの家に遊びに行って「トイレ貸して」というと、必ず「返してね」といいます(これと「バッチグーね」(動作つき)は本当にやめてほしい‘ジョーク’です)。確かに英語では持ち運びのできないものにはborrowは使えません。

トイレを借りるときはMay I use the bathroom?

力を借りるときは

I’d like to ask your help.お力をお借りしたいんです。

家を借りるときは

I’ve rented this house for 100,000 yen a month.月十万でこの家を借りています。

それに対して持ち運びできる傘や本は

Could I borrow this book?この本をお借りしていいですか。

ところで注意深い方ならmay, could, canと三種類の文頭に気がつかれたかと思います。
丁寧さ(公式さ)の順にmay→could→canなのですが、アメリカ人はたいていcanで用事をすませています。mayはformal堅苦しい)でイヤなんですって。