組織トロンボプラスチンと部分トロンボプラスチンにはどういう違いがあるのでしょうか?また組織トロンボプラスチンを使うPTは外因系の検査になり、部分トロンボプラスチンを使うAPTTは内因系の検査になるのはどのような理由からでしょうか?その機序を教えてください。

組織トロンボプラスチンとは、凝固系第3因子であり、組織のリポ蛋白質、特に、脳、肺などに多く含まれています。これが、第5、7因子、Caと反応し、複合体が作られ、トロンビン生成(フィブリン形成)を促します。

一方、部分トロンボプラスチンとは、血小板第3因子、Caを用いることによって生成される複合体のことです。作用は、組織トロンボプラスチンと同じくトロンビン生成を促します。

すなわち、両者の違いとは、組織トロンボプラスチンとは凝固因子そのものであり、部分トロンボプラスチンとは、生成される複合体のことなのです。

>部分トロンボプラスチンを使うAPTT
との質問ですが、部分トロンボプラスチンは使用されているのではなくて、生成しているのです。

凝固系の作用機序は、http://www.toyama-mpu.ac.jp/hp/clla/super_sience/gyouko_te xt.htmlを参照してみてください。


マクロファージによる血球貪食

ITPの疑いで来た紹介患者さん。

血小板だけ1万9千と減少しているが、汎血球減少はなく、血球貪食症候群:HPSの臨床所見(発熱、リンパ節腫大、肝脾腫)もない。

 

 


Fonio法

いまや血小板計数は自動血球計数器での測定が一般的だけど、偽性血小板減少症の時や血小板の大小不同がある時などは、用手法であるFonio法で算定するのが有効である。実際に、血小板の形態も確認できる利点もある。まあ、見る箇所によっては誤差も大きくなるだろうが。成書では、14%硫酸マグネシウムで塗抹標本を作るとあるが、日常的に行っているメイ・ギムザ染色でいい。

実際の算定法は、赤血球1000個当たりの血小板数を数え、

赤血球数×血小板数/1000

経験上、顕微鏡の1視野で赤血球が1000個ぐらいのところを10視野数えて割合で計算すると、個人間のバラツキも少なくなっていいようだ。1視野1000個というのは、600倍で赤血球の重なりがないところが、大体そうである。


自己免疫生溶血性貧血(AIHA)

写真のような赤血球凝集が見られるが、このような凝集は血液型判定で問題となることもあるので注意!

日本の後天性溶血性貧血の2/3がAIHAであるが、慢性リンパ性白血病(CLL)において、AIHAの合併をみることもあるそうだ。

また、AIHAでは、球状赤血球も見られるので、遺伝性球状赤血球症(HS)との鑑別が必要だが、AIHAの場合、自己抗体をもっているので、直接クームス陽性がポイントとなる。


多発性骨髄腫

一般にMM:multiple myelomaという、形質細胞由来の悪性腫瘍。

骨痛などが代表される症状で、そのために、整形外科にかかってからの患者さんでよく見つかるようである。これは、腫瘍化した形質細胞が骨髄内で集塊を形成しやすいため。形質細胞(plasma cell)は、Bリンパ球が分化したもので、免疫グロブリンを産生する。

骨髄腫の約30%で高Ca血症が起きるが、これは、骨髄腫細胞によって分泌されるOAF(破骨細胞に対する活性化因子)が関与している。OAFにより破骨細胞が活性化され、骨を脱灰するために、高Ca血症となるのである。

余談だが、多発性骨髄腫では、蛋白電気泳動でM蛋白が見られるのだから、蛋白電気泳動は整形外科のルーチン項目としてもいいと思うのだが、せっかく検査をしても査定されるようである。

はじめまして!!いつも楽しく拝見させていただいております。私の勤める病院でも整形や眼科を受診する高齢の患者さんでMMを発見します。血液像を見る前に血沈か生化のTPの値で気づき慌てて染色して鏡検なんてこともよくあります。そういう時、担当医に電話で報告しますが、血液疾患に詳しくない先生にはなかなか話が通じなくて患者さんが再来院するのが遅れたりすることもしばしば・・・。「なんで〜?!」と思います。レセプトのこともあって必要な検査ができないこともありますよね!!これからも楽しみにしていますので頑張ってくださいね。
(Ponさん)


とある先輩が“細胞を培養して、あ〜だ、こ〜だ”と、言っていたのですが、LE細胞の検査において細胞を培養して検査する方法があるのでしょうか?(やまさん)

はっきり言って、ないでしょう。
思うに、その先輩は、染色体関連検査の白血病とかの解析検査のLLAの事と勘違いなさっているのでは?
LE細胞検査は、凝血法とヘパリン加法とがあります。
一般的なのは凝血法だと思いますが、これは20度以上の室温またはフラン器で2時間放置して凝血させますが、まさかそのフラン器に入れるのを培養だと勘違いしているわけではないですよね。(管理人)

確かにウチでは、凝血法で検査を行っています。
その培養法に関して言っていた先輩は、技師免許を持ていないのですが、知識は私以上の方なので、勘違いしていることはないと思われます。
その培養法については、とあるDr.から聞いたらしいのですが…。
やはりないのでしょうか?いろいろ探してはいるもののそのような文献は見当たらないのです。
う〜ん、ないんですかねぇ?(やまさん)

うちの病院では外注にだしています。(やまんばさん)

やまんばさん、どうも〜。
SRLに外注ですか。
SRLのLE細胞試験も凝血法です。http://61.194.2.85/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL0911.htm
さて、やまさんがおっしゃってる培養法ですが、LE細胞ができる機序を考えますと、一部の血球のみ破壊する培養法があれば可能でしょう。でも、あるんでしょうかね。SRLでも凝血法ですから、どこかの研究室レベルの話なのか。また、実際の培養日数はどのぐらいなのか。おもしろい話ですが、培養のコストや迅速性を考えると、どうも病院の検査室ではむずかしいと思います。もし、わかったら教えて下さい。(管理人)

多発性骨髄腫



EDTA依存性偽血小板減少症や偽血小板減少症の患者さんに対して、FNaやヘパリン,硫酸Mg,抗生物質,プレーン管など色々あるかと思いますが、皆様の施設ではどのような採血管を用いて検査されてますか? ちなみに私の施設では、FC管と言う採血管を血小板専用容器として使用しています。それでも検査するまで時間が掛かってしまうので、Plt凝集や、RBCの破砕などが影響してしまい、“Plt検査不可”や“参考値”になってしまいます。 時間が経ってもそれなりに検査できる採血管ってあるんですかねぇ? と言っても、やはり“生もの”なので限界はあるかと思いますが…。(やまさん)

<管理人>
硫酸Mgが一番いいみたいな話を聞きました。

うちでは、ヘパリンとクエン酸採血で、採血後5分以内に測定するようにしています。

臨床検査ネットQ&Aに関連の話題を見つけました。
 ↓
 http://www.jaclap.org/consult2001.html

<tomasさん>
EDTA依存性偽血小板減少症や偽血小板減少症の資料が病院にあります。月曜日に見てみます。

<やまさん>
管理人様>確か、硫酸Mgは飽和溶液で2時間以内に測定というのを以前に読んだ気がします。 以前いたブランチ先の病院では、ヘパリンなどを使ってました。やはり院内では採血してからすぐに測定できますから。センターではヘパリンは使えないですね…。 “臨床検査ネットQ&A”にはたまぁにお邪魔してます(^-^)

tomasさん>期待してお待ちしています。宜しくお願いします。

<tomasさん>
やまさんの期待にそえなさそうなんですが。

第34回日臨技の学会で倉敷中央病院の方が発表したのがあるんです。 これってけっこう前ですよね。 参考になるかわかりませんが、 EDTA−2K量を20〜30mg/mlにすると 血小板凝集が認められず、PLT減少も示さなかったという報告がありました。 でも、普通の採血管ってどのくらいの量が入っているのか 私はよくわかってません。すみません。

1999年の検査と技術の増刊号では 1)採血後、直ちに計測 2)EDTA塩を増量して、直ちに計測 3)ヘパリン加血、クエン酸加血を用いる(血算測定のみ) とありました。

当院では、ドクターがヘパリン採血と先に看護師に 指示を出しているので、ヘパリン加血にて測定しています。

参考にならないかもしれませんが、私の持っている資料では こんな感じです。 

<管理人>
検査と技術2000年1月号に、ワンポイントアドバイスがありましたので、抜粋させて頂きます。

1、ヘパリン、クエン酸ナトリウムなど抗凝固剤を変える:それでも、凝集が観察される事もある。

2、EDTAを40mgに増量した採血管(通常は血液1mlに対し1mg):但し、MCV,MCHC,Htは正値ではない

3、EDTA塩通常量+カナマイシン(20〜40mg/血液1ml):血小板以外の血算値も正値が得られる

4、血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIaに対するモノクローナル抗体の添加

5、生血を直ちに1%シュウ酸アンモニウムで希釈し視算法を行う

他に、 血小板凝集には、温度依存性のものがあり、採血から測定まで37℃に保温した状態で血小板凝集が見られなくなった報告もある。

<やまさん>
tomasさん、管理人様貴重なレスありがとうございます。

一応、ウチの施設でも諸先輩方が色々検討しているようなのですが、なかなか難しいみたいです。なにしろ、検査するまでに結構な時間が経ってしまいますから…。 でも、何かを検討したりするのって楽しいですね♪そこで新しいことが発見できたら…なぁんて考えたりするとワクワクします。 “医療”って、大変ですけどとてもやりがいがありますね!

って、なんだか違う方向へ話がいってしまいましたが、引き続き『偽血小板減少症』についてのレスお待ちしております。


凝固検査でPTが正常で、APTTのみ延長していてしかもその患者は血友病とかvon Willebrand病でもないのです。 看護婦さんやdrと話をしても凝固系が悪くなるような病気はないのでした。ただ採血の前に抗生剤を使っていたことがわかりました。 しかもその抗生剤はビタミンK欠乏をきたす副作用があることがわかったんです。 でもなぜにAPTTだけ延長するのかなぁぁ??っていう疑問を調べています。(梵天丸さん)

ビタミンK依存性凝固因子は、(2、7、9、10)ですから、 ビタミンK欠乏症であれば、やはりPT、APTT共に延長する事になります。

1)APTTだけ延長させる薬剤として、ヘパリンがありますが、ヘパリン療法とか、採血時にヘパリンが混入したとかはないでしょうか?

2)また、採血量が規定以下だと、PTよりもAPTTの方に延長を認めやすいです。

「凝固系が悪くなるような病気はない」という事ですから、 なんとなく、基本的な採血時の手技なり採血量に問題があったような気がするのですが、どうでしょう? いくら検査がきちんとしていても、一番最初の採血がまずければデータに影響します。
(管理人)

採血は検査室で行っているので問題はありません。 また、同様にヘパリンの混入もありません。 今日調べて思ったのですが、硫酸マグネシウム(だったかな??)はAPTTや血小板に何か影響を及ぼすというようなことがあると書いてありました。(日臨技の毎月送られてくる本の今年四月のものです。その中の抗凝固剤に関する文献) そして、その使用していた抗生剤が硫酸ナトリウムだったはずでした。 何か関係はありませんかね???(梵天丸さん)

そうなると採血による影響はないと考えていいわけですね。 その抗生剤の商品名はわかりませんか? また、調べてみます。 梵天丸さんも、わかったら教えて下さい。 (管理人)

商品名はここに書いてもよろしいのでしょうか??? なんか法に引っかかりそうで怖いσ(^_^;)アセアセ... アミノグリコシド系のシスマイシンを使っている商品です。(梵天丸さん)

>内容はといいますと、凝固検査でPTが正常で、APTTのみ延長していてしかもその患者は血友病とかvon Willebrand病でもないのです。

と、いうことならとりあえず検査技師として希釈APTT(dilute APTT;dAPTT)や血漿混合試験によるAPTTを行って抗リン脂質抗体症候群(APS)の存在は否定されているのでしょうか?

混合試験を行ってAPTTの延長がインヒビターによるものでなく、なおかつ凝固因子が欠損していないとなるとなにかしら薬剤による影響なんですかね〜〜。

とりあえず時期をずらしてその抗生剤を使用していない時にもう一度採血をして凝固検査をすると”薬剤による影響なのかどうか”ははっきりするでしょう。可能であれば再検して下さい。(やまんさん)

resありがとうございます。 再検はしてみました。 1ヶ月後には正常値に戻っています。 ですので薬剤の影響が考えられると思うのですが・・・ いかがなものでしょうか・・(梵天丸さん)

そうでしたか。一ヵ月後再検して正常値ということなら前回は薬剤による影響が強く考えられますね。

血友病など凝固因子が欠損していたり、またはループスアンチコアルラント(LA)など抗リン脂質抗体が存在した場合は一ヵ月後も同じようにAPTTが延長してきますから、両方否定できるでしょうね。

私も同じような検査データに出くわしたことがありますが、そのときは患者さんの臨床診断をDrに聞くとSLEで、 「なんだ、SLEのLAによるAPTT延長か」 ってことで再検してそのまま結果をかえしたことがあります。

ごくたまにですが、抗リン脂質抗体ってこともありますので選択肢の一つとしてチェックして下さい。(やまんさん)

ループスアンチコアルラントと書いてしまいましたふが、ループスアンチコアグラント(LA)の間違いです。訂正します。

ちなみに私が経験した症例ですが、血漿混合試験も行いましたがAPTTの延長はインヒビターによるもので、外注検査に出してあったLAも陽性でした。 (やまんさん)



異常フィブリノゲン血症

フィブリノゲン80(トロンビン時間法)、FDP 160と検査結果はDICの疑い。 
しかし、臨床症状がなければ、異常フィブリノゲン血症の患者かもしれない。 

このような患者の場合、完全な凝固が出来ず、血清中にフィブリンが残存。 
そのためにFDPは高値となる。 
また、フィブリノゲンの測定法には、大きく分けて、 
1. 凝固活性を見る方法(トロンビン時間法) 
2. 免疫学的に蛋白量を測る方法 
がある。凝固活性を見る方法(トロンビン時間法)が一般的だが、低値の場合は、免疫学的測定法もやってみる必要がある。