○月×日

 無能な上司のミーティング。あだ名が「ひとつ戻る」。その名の通り、このおばさんのところへまわると、予想もしないところでイチャモンがつき、差し戻される。

「あなたね、報告書をペーパークリップで留めて提出するなんて。やり直して」

 いかにここを迂回するかで頭を悩ますのは、双六と一緒。なんでも偉いさんの娘で、ダンナも偉いさん。上も処遇に困っているというもっぱらの噂。

 知ってか知らずか、おばさん、とにかく威張る。家を自慢し、海外生活を自慢し、ダンナを自慢し、果ては、飼っている犬、自分のエンピツの自慢までする。

 ところが実際は、尊敬できるところがただのひとつも見つからない、筋金入りの困ったちゃん。そんな人間に威張られるのだからたまらない。

「ミーティング」という名の自慢大会に招集されて、考えた。どうしたらこのおばさんをへこませてやれるだろう。皮肉や当てこすりなど、高尚な手段が通じる相手ではないのだ。なにしろとんちんかんなのだから。

 すいません、と立ち上がる。

「何か、変な臭いしません?」と、窓を開ける。

何の臭いだろう、などとみんなで(打ち合わせ済み)顔を見合わせたあとで、突然、「あ、すいません・・・」とそのおばさんの方を向いて、手で口を押さえて、いかにもすまなそうな顔をして席に戻る。

うつむきつつも、目はちらちらとそのおばさんの口元に・・・。

「良かったらこれを・・・」と、クロレッツを差し出す・・・。

 いつか、やってみたい・・・。


☆☆ 今日のOne Point Lesson:
“I must attend the meeting.”
「会議に出なくてはならない」

「〜しなくてはならない」として、学校でmusthave toを習ったのを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、このふたつは全然違います。

mustの主語はIと思って差し支えない。

昔エスカレーターで並んで楽しそうに喋っているラテン系のお姉ちゃんふたりに向かって「ゆー・ますと・すたんど・れふと」と言って、“アンタ何様?”という目で見られていたおじさんの姿を目撃したことがあります。

義務・必要・強制のニュアンスの大変強い言葉です。人に向かって使うときはhave toと思ってください。

もうひとつ、さらにマイルドな表現に、ought toがあります。

Do you think I must attend the meeting?”(会議にでなくちゃいけないでしょうか

I don’t say you have to, but I think you ought to.”(いけないとは言わないけど、出たほうがいいと思うよ

この三つはこんな関係にあります。

もっとくだけた表現にhave got toというのがある。たいがい省略されて、

I’ve got to do my job.”(仕事やんなきゃ

みたいに使われます。

Well, I’ve got to go. See you next time!