○月×日

滞日二ヶ月、二十二歳のショーン。顔を合わせるなり“fuckって日本語でなんて言う?”と聞く。

“どのfuck?”(あのfuckだったらどうしよう、と思いつつ)と聞き返すと、

“ほら、頭とかぶつけたときにいう‘Fuck!’。他の日本人に聞いたら、イタイ、とか言うんだけど、イタイ、はouchでしょ?イヤなヤツに会ったときにも使えるような、dirty(汚い、悪い)な言葉が知りたいんだ”

“それなら「くそっ」て言えばいいよ”

ショーンはうれしそうな顔をして「クソッ、クソッ」と繰り返し練習していたが、急にこちらを向いて

“fuckっていうのはね”左手の親指と人差し指で輪を作って、右手の人差し指を輪の中に出したり入れたりし始める。“男と女がこういうふうに・・・”

知っています。その手はやめなさい、ショーン君。

○月×日

三月までここにいたD.J.が遊びに来る。金髪で少女漫画に出てきそうなD.J.にはファンクラブがあったほどだ。その彼が新しい教室の様子を教えてくれる。密かにつきあっている講師たちがいるらしい。

“ダミアンとキャリーはboyfriend, girlfriendなんだ。日本人はいつも間違えるけど、boyfriend, girlfriendっていうのはね・・・”指で輪を作って、例の動作。“こういう関係のときだけ言うんだ”

D.J.、あんたファンの子の前でやってみそ。


☆☆ 今日のOne Point Lesson:
“I have a stiff neck”
「肩が凝っている」

 日本語の単語=英語の単語ではありません。ボーイフレンドとboy friendの間に意味的な「ずれ」があるように(あるいはfuckと××××の間にずれがあるように)大概の日本語と英語の単語の間にはずれがあります。医療がサービス業かどうか、といういささか混乱した議論も、混乱の根っこには「サービス」と“service”の間のずれが一因のように思えるのだけれど、それはまた別の機会に。

 今日は体にまつわるそのずれをいくつか紹介します。冒頭に上げたのは、「肩」に“neck”が対応している例です。他に“back”背中が凝る、という言い方もある。stiffは「固い」、感じはわかりますね。

It always gives me heartburn.「それを食べると胸焼けがする」

My nose is running.「鼻水が出る」鼻も鼻水もnoseに含まれます

さて問題です。“labor”は「労働・骨折り」です。
では
Her labor started.彼女の何が始まったのでしょう

 

 

(正解は「陣痛」。陣痛って労働なんですね)