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普段はやたら愛想のいいジェイムズが怒っている。
“アメリカにいたころ、日本は polite(ポライト=礼儀正しい)な国だと思っていた。実際にここで会う日本人もみんなpoliteだ。だけど、どうして電車の中や駅なんかではあんなにrude(ルード=無礼な、不作法な)なんだ?”
かねがね雑踏での日本人のマナーには気分を害していたらしいのだが、今日はよほど腹に据えかねるようなことがあったようだ。
“なんで日本人は平気な顔をして人を押しのける?みなりのいい、中年のレディだよ。向こうからぶつかってきて、ボクが「スイマセン」って言っても知らん顔だ。ボクが「ガイジン」だから?”
この点に関する私のかねてからの持論「日本人と欧米人の身体意識の差」(One
Point Lesson参照)を話す。一応納得はしたものの、まだ治まらない様子。
“ならあのスクールガールズはどういうふうに理解したらいい?ボクは大きなスーツケースを引いていた。スクールガールズが道を塞いでいた。だからボクは声をかけた。そしたら大声で笑うんだ。それはすっごくルードじゃないか?”
“なんて言ったの?”
“「ヘダギ、イキマス。ヘダギ、アケテクダサイ」”
ジェイムズ、「ヘダギ」じゃなくて、「ひだり」です。
☆☆ 今日のOne Point Lesson:
“Excuse me”
「すいません」
大切な話をします。本には出ていない、私が編み出した理論です。海外へ行く人はよく覚えておいてください。
日本人と欧米人は、肉体的な接触について異なる感覚を持っています。
日本人は無意識的な接触についてはかなり寛容です。電車のなかでぶつかっても知らん顔の人も多いし、平気で人を押したりもする。そうされてちょっとムッとすることはあっても、まあ仕方がない、とだいたいはあきらめる。そのかわり、意識的な接触はなるべく避けようとします。親しい相手でも、あまりべたべたさわったりはしません。
欧米人はこれとは逆です。親しい相手には、体に触れることで親愛感を表そうとする。そのかわり、無意識的な接触にはものすごく敏感です。ちょっと肘がふれただけで、“Excuse
me.”と謝ります。前に人がたくさんいる。自分は急いでいる。かきわけて行かなくちゃ。そういうときは、“Excuse
me.”と言いながら進んでいく。
ポライトな日本人になりましょう。エクスキューズ・ミー。“キュー”に力を入れて、語尾は下げる。上げると質問になります。
“Excuse me?”「もう一回言ってください」
“Excuse me, which street should I take to the station?”(「すいません」とまず呼びかけて、相手が止まったところで「駅へ行くにはどう行ったらいいんですか?」)
逆にぶつかって来た人に“Excuse me.”と言われたらどうするか。簡単です。相手の目を見て、にこっと笑う。軽くうなずくだけでもいいのです。恋が芽生えるかも知れません。Good
Luck!
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