| ○月×日 本社の阿部さん(仮名:阿部寛に似てるから。39歳)から電話。
仕事の打ち合わせを二十分ほど詰めてしたあと、 「お子さんたちはお元気?」と聞いてみる。 「二番目がいま、熱出してる」 「お医者さんには行ったの?」 「行った」 それから深い深い溜息に続いて陰気な声。 「この間確定申告のときにな、医療控除申請しよ、思て、領収書計算してん。小児科かかっただけで三十万越えてた。病院までのマイレージサービスいうのんがあったら、一家全員ディズニーランドぐらい行けそうや。病院もなんで『お得意様ご優待』制度、いうのんがないんやろな」 いまから約二年前、阿部さんは重大な選択を迫られた。家にはすでに五歳、四歳、二歳と三人の男の子がいた。そこに奥さんから、また妊娠したことを告げられたのである。奥さんは女の子がほしい、と言う。阿部さんは考えた。家に女の子がいるのもいいかもしれない。数ヶ月後、おなかの赤ちゃんは双子だと判明した。その年の暮、二人の新世紀ベビーが誕生した。男の子だった。 「子どもがいてる、言うたらみんな‘お子さんは何人’て、聞くねん。‘五人’て答えたら、みんな笑うねん。こっちはなんもおかしいことないっつうの」 先日のお花見のときのこと。オフだったらしい阿部さんは、カジュアルなジャケット姿で現れた。J.CREWのモデルみたいだった(事実学生時代モデルのバイトをやっていたこともあったらしい)。今年四十、五人の子持ちには見えないなあ、と思って通り過ぎる姿を見ていたら、肘のあたりにカラカラになったごはんつぶがついていた・・・。 ☆☆ 今日のOne Point Lesson: 医者に診察を受けるときは、 You should see a doctor.:病院に行った方がいいですよ。 |