巨赤芽球性貧血(MA)

赤血球173万、ヘモグロビン7.1g/dl、MCVが123.7、MCHが41.0と大球性高色素性貧血に分類される患者がありました。マルクも行い、巨赤芽球性貧血 (MA)と診断されました。

生化学検査所見では、LDHが1000↑と増加を認めました。LDHは赤血球中に多く含まれており、溶血または血球の破壊が起こっていると考えられます。血球の破壊により、鉄が使われないので、血清鉄は増加します。

巨赤芽球性貧血 (MA)に特徴的な赤芽球像は、細胞質はかなり大型で多染性ですが、核は未成熟でクロマチン構造が繊細です。この赤芽球が増殖しているのが特徴です。

抹消血では、巨赤血球 (大きな卵円形)、奇形赤血球、大小不同が目立ち、ハウエル・ジョリー小体をもつ赤血球もあります。また、過分節好中球もみられるのが特徴です。

巨赤芽球性貧血 (MA)は、ビタミンB12あるいは葉酸の欠乏によるDNA合成障害が原因で起こる貧血です。

貧血により、骨髄の造血能は上がり、細胞数は増加しますが、DNA合成障害により、途中で血球が壊されます。これが、無効造血といわれるものです。無効造血のため、白血球、血小板も減少傾向にあり、全体に汎血球減少となります。これは、MDSにもみられるため、鑑別は、PAS染色で赤芽球が、MAは陰性、MDSは陽性と言われますが、あくまでも参考で、ビタミンB12や葉酸のデータ等で判断すべきです。

ビタミンB12は、胃から分泌される内因子と結合して、はじめて小腸から吸収されます。その備蓄量は約5mgで、1日の必要量は2.6μgです。よって、胃全摘を行えば、数年後に症状が現れるわけです。一方、葉酸は備蓄が出来ません。

巨赤芽球性貧血には、ビタミンB12の欠乏によるものが多いのですが、直接関与しているのは、葉酸です。葉酸がなければ、DNAの合成が進みません。ビタミンB12は葉酸に働いているのです。

ビタミンB12の不足の原因には、摂取不良、胃全摘による内因子欠乏、小腸の吸収障害、ビタミンB12の利用増大があります。細菌や広節裂頭条虫などの、ビタミンB12を利用する病原微生物に感染すれば、そっちに横取りされます。ビタミンB12の利用増大には、妊娠、悪性腫瘍、特に白血病などの増殖性疾患があります。