出発
7月24日,関東甲信越地方はいまだ梅雨明けせず。ツール・ド・フランスの第17ステージの中継を観ながら,今年のフジロックに持っていく荷物をまとめる。序盤の落車で鎖骨を骨折したにもかかわらず,昨日のステージでは単独の大逃げを決め優勝を飾ったタイラー・ハミルトンの姿が集団の中に。そのハミルトンを追い抜きざま,サエコのコメッソが敬礼して昨日の勇気ある走りに敬意を示す。半泣き。ヤバイ。こんなことで明日からのフジロックが乗り切れるのか?ビョークのステージを観ながら滂沱たる涙を流す自分の姿が一瞬目に浮かび,イカン,これはみっともないぞ,と涙腺を締め直した。そんで長靴,カッパ,着替え,ビタミンCとアミノバイタル,マグライト...だいたい持ったかな,じゃあ出発,と家を出たのが0時ちょうど。イカン,万歩計を忘れた!と気づいて家に引き返したのが0時15分。ちょっとテレビをつけてみたら,ウルリッヒが映ってた。あさってのタイムトライアルで頑張ってくれ。ビデオ録画しておくからな,と思いつつ,そんな上の空で荷造りしてるから忘れ物するんだよと思った。

関越道
万歩計は,このフジロックのための秘密兵器として購入したのだ。フジロックでは毎年かなりの距離を歩いている気がするので,計ってやろうと思ったのだ。ポケットに入れるだけで計れて,トレーニング用の計測にも対応,簡易的にカロリー計算もしてくれる,ちょっと高めのヤツ。これが結構おもしろくて,フジロックに備えてついでに散歩トレーニングをしてしまったほどだ。渋谷陽一のワールド・ロック・ナウを聞きながら,2番組分歩くと,およそ15,000歩,500kcalほど消費する。 車の中の楽しみ&居眠り防止策も,渋谷陽一のワールド・ロック・ナウだ。兄者にMDにとってもらったのを持参,MDウォークマンの充電もバッチリ。同行者とは,飯山の実家に集合し朝5時に出発の予定。船橋の家から実家までは約300km。道が空いていれば3時間半で着くので,3本聴けるかな。晩飯を買おうと立ち寄ったコンビニの駐車場でMDをセット。そのとき気づく。MDとカーステがつながらない...ジロ・デ・イタリアのオフィシャルカーに今年採用されたことで知られるデミオこと,私の車ですが,カーステはラジオ&CDオンリーで,MDを使う際は無線式のトランスミッタが必要なのをすっかり忘れていたのだった。

集合場所に到着
道は順調で,4時前には実家に到着。途中,碓氷峠と長野の辺で雨が降っていたが,今はなんとか晴れている。このまま持ちこたえてくれ,天気。と願いつつ,布団を敷いてくれていた家族に感謝しつつ,少し寝ることにする。・・・眠れない。結局表に出て,犬に吠えられながらウィンドブレーカに防水スプレーを掛けたりしているうちに,同行者・ヤマも到着し,同行者・カズも目を覚まし,荷物をヤマの愛車=フォレスタ・ベイベに積み込み,予定通り5時に実家を出発。

道中
今回は宿と会場とがかなり離れているため,その間の移動手段として折りたたみ自転車を手配した。車中は同行者・ヤマの奥さん謹製ロールパンサンドイッチを食べて腹ごしらえ。これでハンガーノック対策完了。今日の午前いっぱいは持つだろう。
途中,湯沢の町は雨。しかし苗場に近づくにつれ,雨は収まってきた。さすがだと思った。トイレに立ち寄り,更に登っていく。途中のつづら折りの坂で,落石防止柵の上にサルを発見。5匹くらいでこっちをみてた。そして,いよいよ会場が見えてくる。テントがいっぱい見える。わくわくしてきたぞ。

謎のドリンク「リッチミンD」

不機嫌な雪ん子お手洗で発見

宿に到着
まずは,今回の宿としてお世話になるヒュッテSさんに立ち寄ることにする。宿の場所確認と荷物を置かせてもらえないか交渉するためだ。地図を見ながら,道を間違えながら,なんとか到着。思ったよりも奥まった場所。旅館街ではなく,この辺は別荘地だ。電話をかけると女性の方が電話に出て,荷物はOKだとのこと。感謝しつつ荷物を部屋に運ぶ。ペンション風。団らんスペースがあったりしていい感じ。荷物を置いた後,紅茶をご馳走になりながら,沢村さんとしばし会話。なんでもこのペンションは,沢村さんの亡きご主人がはじめたもので,ご主人がなくなられた後,沢村さんが千葉から通いながら管理を続けているのだという。フジロックの会場へも実際足を運び,去年も娘さんと一緒にブラーを観たとのこと。「雰囲気がいいですよね。ここにきます」と言って胸に手を当てる沢村さん。会場から遠いにもかかわらず毎年この宿を選ぶフジロッカーがいると言うことだったが,わかるような気がした。

ヒュッテS

会場入り
駐車場A(ちょっと遠い)にクルマをとめ,今日は曇ってるから日焼け止めもいらないか,なんつって,会場に向かう。列の動きはスムーズ。ところが歩いている途中から雨が降りはじめ,リストバンド交換所のゲート前に達した時点で本降り。私はそのうちやむだろうくらいに思っていたため,レインコートを着るのが遅れ,遅ればせながら着たときには既に体がかなり濡れてしまった。ゲートでリストバンドを交換した後も,雨の中に出て行くのがためらっている人が多く,屋根のある交換所は混雑。
会場に入り,まずは陣地選び。最初ステージ向かって左側の芝生,傾斜が始まる辺りに行ってみたものの,雨が激しく,開園まで1時間もここで待つのは辛い。そこで後方の林の中にエスケープ。嵐からの隠れ家へ。しかし,雨粒は減っても粒は大きいって感じで,ここもあまり芳しくない。前方でターフを張ろうとしている連中も苦戦している。しばらくここで立っていると,ジャクソン・ブラウンのDisco Apocalypseが流れてくる。いい感じ。そのうち小止みになってきたのと,傾斜のせいで脚が疲れたので,再び前のほうへ。そして,いよいよ日高大将の挨拶でスタートだ。

林にエスケープ

ジョー・ストラマー追悼セレモニー
初日のグリーンステージの最初は,昨年の12月に亡くなったクラッシュのジョー・ストラマーの追悼セレモニーから始まった。彼は1年目の嵐の天神山では自ら居残って撤収作業を手伝ったり,去年は観客としてわざわざイギリスからキャンプに来たりするほどフジロックを愛していた。私は幸運にも去年の朝霧ジャムで彼の最後のステージを観ることが出来たが,そのステージで「来年も必ずここで会おう」と手を振った彼の姿を思い出した

ミッシェルガンエレファント
追悼セレモニーの後,大将からの「これは先頭打者ホームランになるよ」という紹介でミッシェルガンエレファント。カコイイ!ナチュラルなスタンスになってきた彼ら。いいよいいよ。


雨の中カレーを食いながら踊る女(右)

スチャダラパー
ホワイトに移動。スチャダラパーを観る。フジロックにスチャダラ?って気もしたが,人はいっぱい入っていてよかった。彼らの肩の力が抜けている感が大好き。でもライブ的には友達集めて大集合みたいなのは個人的にはちょっと。スチャダラの3人だけでやってもらったほうがうれしいな。

メシ
スチャダラの後,アヴァロンでメシ。まずはタイのグリーンカレーをご試食。あれ?この具の少なさや水っぽさってどうなんだろう・・・雨のせいで薄まったってのはあるとはいえ・・・

シュガー・レイ
ここでオレンジコートに行くカズと分かれて,私とヤマはグリーンへ。シュガーレイ「コンニーチハ」連発。愉快なやつらだ。
雨は相変わらず降り続く。ここで我々は戦況を分析し,長靴作戦が吉と判断,一旦クルマに戻った。やはり足が水でふやけた状態でダメージを受けるのは危険,と風呂に入った時の足のしわしわの指を思い出して考えたのだ。ヤマがコンビニで調達してきてくれた靴下に履き替えて,万全の体制で会場へ。長靴最強。


河で足を洗うヤマ

ザ・ミュージック
長靴作戦の準備の間にリバティーンズは終わってしまった。まあいい。フェスで全部を観ようとするのは東海道新幹線の食堂車のメニューを全部食おうとするが如しだ。よくわからんがな。
そして,ミュージック。ここで今年1回目の発狂。曲はいいし,演奏も見事に盛り上げるし,ボーカルの声,変なカンフーアクション,いやーよかった!散歩トレーニングの効果も出てきたぞ。腰が痛くなーイ。

メイシー・グレイ
ミュージックのあと,タイラーメンが食いたくなり,オアシスへ。しかし並ぶ列を間違えて,結局タイ・レッドカレー。どうしたんだ?今年のタイ。なんか今ひとつ・・・失意のなか,メイシー・グレイをちょっと観て,オレンジコートに移動。やっぱり長靴最強。散歩トレーニングも効いてる効いてる。


ミュージックのステージ。白いのは湯気。

ダーティ・ドーズン・ブラスバンド
ホワイト入り口からオレンジコートへ直通のバリアフリー通路は今年できたもの。このおかげと橋の拡張で,去年の課題だった渋滞問題はかなり改善された。進歩するフジロック!スタッフに感謝だ。オレンジコートでは,ダーティ・ドーズン・ブラスバンドのゴキゲンな演奏。雨のせいもあり,観客はおそらく100人前後。これがまたいい感じでみんなまったりと踊っている。伝説の苗場1年目のヘブンはこんな感じだったのだろうか?

G.ラブ&スペシャルソース
ゴキゲンな演奏が終わって,いよいよG.LOVE & SpecialSauce。でもセットチェンジの時間が約50分。寒いのと腰が痛くなってきたのとで,あたりをうろうろしたり,ストレッチしたりして,ひたすら待つ。何しろ地面がドロドロだから例年の様に座って休むと言うわけには行かないのだ。いま夜の9時過ぎだが,考えてみたら朝から立ちっぱなし。足の裏以外を地面にほとんどつけていない。 そんななか,いつのまに観客も大勢集まり,いよいよG.LOVEスタート!さすがだ!めちゃくちゃカッコいい!2回目の発狂。途中,悪い薬を摂取したことが原因で別の意味で発狂したと思われる変わったテンションの若者が右前方の出現,大声でわめく,抱きつく,地面に寝そべる等の行為を繰り返したため,ちょっと気を取られてしまったが,その若者が遂にヤマに接近,ヤマと肩を組んで猛然とジャンプし始めた!そしてヤマも付き合って一緒にジャンプだ。やさしいと思った。


最奥の地,オレンジコート。またーり。


G.LOVE。写ってません。

1日目終了
これで1日目が終了。よかった,かっこよかった,感想等を口にしつつ,泥沼と化した通路を同士の難民と共に歩く。足取りはトボトボと。心はウキウキと。途中,キャンプサイト入り口の川で長靴を洗い,駐車場に到着。我々は特別な許可を頂いていたので,そこからクルマでヒュッテSへ。濡れた靴はスキー用の乾燥室を貸していただいた。そして用意して下さったお風呂を真っ先にもらい,それからアミノバイタルとビタミンCの大量摂取,そして持参したきゅうりとミニトマトも摂取。ダメージのあった足裏にカズから貰った膏薬を貼り,寝る準備完了。あ,そうだ,万歩計。と思ってカウントを見ると,2万を少し超えたくらい。この数字には少々不満。2時頃就寝。昨日徹夜だったので,泥のように眠る。フィールドオブヘブンの泥のように。8号室。

8号室

起床
7時半起床。食堂で朝食。味噌汁,目玉焼き,ハム,冷奴,その他,朝食なのに贅沢な品数。しかもデザートにバナナ入りヨーグルト。ごはんを2回お代わり。

2日目の会場へ
今日は最初から長靴。長靴最強。雨は降ったりやんだりか?昨日オレンジコートで観たダーティドーズンブラスバンドを聴きながら,レジャーシートを敷いて少し寝る。

ザ・トロージャンズ
ヘブンに移動。オレンジコートからヘブンに入る入り口がガンジス川状態。ハイネケンを飲んでTheTrojansを待つ。TheTrojansは去年だか一昨年も気になっていたけど,結局観れなかったのだが,どう考えても楽しそうなので,注目。そして登場!いやー,フロントマンのギャズ最高。「オレは演歌歌手だ,演歌もっと歌う」みたいなこと言ってリンゴ追分を演っちゃったり,ヘンテコな日本語で盛り上げたり。演奏も楽しくて,なんかオープンで,フレンドリーで,文句無しに楽しいってところが,なんていうかフジロックにピッタリで,ソウルフラワーユニオンとか渋さとかもそうだけど,是非毎年来ていただきたいと思った。3回目の発狂。

オレンジからガンジス川を渡ると
その先は天国

天国の泥

アヴァロンの泥 佇むカズ

シシケバブ
腹が減ったので,アヴァロンの傾斜の芝生でシシケバブ(トルコ)とハイネケン(オランダ)。うまかった。 ここでカズはオレンジコートへ。私とヤマはグリーンへ。

トロージャンズ

ケバブ屋さん

アヴァロン休憩所

エイジアン・ダブ・ファンデーション
いよいよADF。ADFはフジロックで知ったグループの一つ。98年豊洲のフジロックでノーマークのまま発狂に追い込まれたのを今でも思い出せる。実は当初のMCだったディーダが脱退してからはあまり聴かなくなったのだが,いやいや,やはりあの異様に高揚するリズムは健在。発狂。ADFにとってグリーンは初めてだったけど,観客はびっしり。ファーストのNAXALITEも原曲から多少アレンジされていたけど,個人的にはやっぱりこの曲で最高の盛り上がり。リアル・テロリスト・イズ・ブッシュ!
私のすぐ後ろの泥沼で泥まみれになって辺りにも泥を飛ばしまくっていた数名。終演後振り向くと心の底から楽しそうに笑ってる。幸せで泥だらけの笑顔でハグし合う,泥だらけの白人と日本人。おまえ等最高。今年のフジロック最高の笑顔。

最高な人たち

コールドプレイ
ADFの後,さすがに腰が痛くなったので,座る場所を探し,グリーンのホワイト側の出口付近でスペースを発見。座ってしばし休み,犬の視線で前を通り過ぎる泥だらけの足を観察する。散歩トレーニングの効果,切れてきた。コールドプレイが始まった後,ヤマとは別れ,コールドプレイの心地よい旋律を聞きながら私はオアシスへ。


犬の視線(1)

犬の視線(2)

犬の視線(3)

川原彰
オアシスでまたしてもタイカレー。相変わらず水っぽい。そのあと,オアシスをぶらぶらしていると,やぐらのところで大道芸が始まった模様。わらわら集まる。実は私もジャグリングを少々かじっている関係で,大道芸を見つめる視線も鋭い。そしておそらく彼はそれを察知したね。演じる川原彰さんの芸はだんだん人をひきつけた。やぐらの周り,50人くらい集まったんじゃないだろうか。マイクとアンプをうまく使った芸風で人を笑わせる。ディアボロ,クラブ,ローラボーラなどの技。私は大いに得るものがありました。一つだけ紹介すると「地面」という技。でもその使い方は秘密です。すごく楽しかった。最後は投げ銭「私はここに呼んで貰ってはいますが,それだけです。私の生活は皆さまの投げ銭によって成り立っています。ここから電車で買える都合上,なるべくなら運びやすい,折りたたみ可能なものを戴けると・・・」お約束。投げ銭にこだわることこそが大道芸人の心意気。大満足だったので,もう一回カレー。今度はタイじゃないグリーンカレー。そしてこれがスマッシュヒット。具もたくさん入っていたし,おそらくツナが入っていたんだと思うが,独特の味でうまかった。

ビョーク
グリーンに戻るとプライマルスクリームの終盤。そのままボーッと観る。演奏が終わり,セットチェンジ開始。いよいよビョークだ。私は幸運にも,去年の人見記念講堂公演を観れたのだが,そのときと同様,独特のSEが流れ,舞台設営は進む。そしていよいよビョーク登場。両耳に緑色の大きな羽根みたいな飾りをつけている。私の隣にいる女の子は既に泣いている。顔を手で覆って。それじゃあ見えないよ。せめて人差し指と中指の間にスキマを作るんだ,ほらそうすればみえるだろう。そういう自分もちょっとヤバイ。ときどきグッと何かが突き上げてくる感じ。ビョークの凄まじい声とか,可愛らしいとしか言い様のない,それもただの可愛らしいじゃなくて,3才児のかわいらしさというか子猫の可愛らしさというか,そんな仕草を見るたびに。そして火の演出。ハイパーバラッドと花火。本当にハイパーバラッドって最強な,比較対照として間違ってるかもしれないけどソウルフラワーの「エエジャナイカ」と同じくらい人を動かすパワーを持った曲だと思う。途中静かな曲に入ると,ホワイトのイギーポップの馬鹿でかい音が聴こえてくる。そういや,豊洲の時もこの2組の組み合わせだったんだよな。そのときはイギーポップで大盛り上がりでそのまま帰っちゃったけど,ビョーク観なかったことはあとで後悔したな,なんてことを思い出しつつ,そんな音にも集中力を失わずにアカペラする神々しいビョークを観た。魂抜けた。

ハイパーバラッド (´Д⊂ヽ

ビョーク終了。人びっしり

2日目終了
ビョーク後,集合場所は車。ここで再び散歩トレーニングの効果と長靴の最強な強まり具合が発揮され,皆が避けて通る水溜り,泥濘をスタスタ歩くという戦術で,350人をゴボウ抜き(推定)し,クルマに到着。ヒュッテに戻る。今日は昨日よりも宿泊客が多いせいもあり,風呂待ち。2階の談話室or団らんスペースのソファで待とうと思い,降りていくと,同じく風呂待ちしていた同士(28)が。お互いなんとなく話はじめ,フジロックについて語る。彼いわく「今日はベン・ハーパーとビョークで魂抜けたので,明日はゆっくり観るつもり」とのこと。また「ビョークではボ・ガンポスの解散と同じくらい泣いた」とのこと。変わったたとえをする人だ。そのうち,彼の番が来たので,私は置いてあったWhat's Michelの3巻を読んだ。 今日の万歩計のカウントは2万にちょっと足りないくらい。うーん,感覚的にはジャンプの回数とか入れるとこの倍はいってるように思うんだけどなー。

差し入れ
私が風呂から帰るとヤマがビールを飲んでいた。話によれば,私が風呂待ちしていたときに,向かいの部屋の人から「友達が腰を痛めて会場から戻れない。車を貸してもらえませんか」との要請があり,G.LOVEで壊れた若者と肩を組んでジャンプに付き合ったほどやさしさに定評のあるヤマはこれを快く了解,クルマを貸したという。そしてこのビールはそのお礼の差し入れだとのこと。エエハナシやな,と私は中嶋らもの口調でつぶやき,アサヒ・スーパードライ350mlを遠慮無くご相伴にあずかったのだ。カトー・サルサ・エクスペリエンスのCDを聴きながら。結局寝たのは4時前後。

3日目
翌朝も8時に起床し,食堂へ。今日も豪華で心のこもった朝食。デザートにメロンが出た。なんだかんだ言って,アヴァロンのシシケバブよりもオアシスのグリーンカレーよりも,実は昨日と今日の朝食が抜群にうまかった。 部屋で荷物をまとめ,後片付け。ビールの空缶やドリンクのビンをちゃんと分別して室外の所定の場所に捨てたカズ。フジロッカーの鑑。
準備が出来たので荷物を持って下の団らんスペースに行き,沢村さんと娘さんに挨拶。余りもので申し訳なかったのだが,持参したきゅうりとミニトマトを進呈すると喜んでくれ,お礼にビックル,デカビタ,午後の紅茶等を頂いてしまった。わらしべ長者。沢村さんは我々が寝ている夜中も,濡れたものを乾かしたりしてくれていた様なので,寝るヒマが無かったのではないか,昨日の2日目は会場に行けたのか,尋ねると,昨日は会場まで行ったものの,お客さんから電話が入って,急遽宿に戻ったとのこと。でも娘さんだけはなんとかビョークを観れて泣いたとのこと。ああ,あの最高のステージを観れたのね。よかったよかった。娘さんはブラーが好きで去年も母親の沢村さんと一緒に観たそうで,でもグレアムが抜けてしまったので,もういいんだとのこと。その後,写真を一緒に撮ってもらって,ヒュッテSを発った。今日は晴れ。

会場へ
今日は一転,日差しが強いので日焼け対策。耳なし方一の教訓を知っている私は,耳への日焼け止め塗布も忘れない。会場へ着くと,ちょうどJUDEが始まるところ。ブランキー好きの二人は前の方へ。私は後ろのハイネケンのブースの前で待つ。

なんちゃってビートルズ
次のアクトは,スマッシュがイギリスから見つけてきた隠しだま。直前まで名前は発表されなかったが,Counterfeit Beatlesっていうバンド。この名前ってあれでしょ。あれだよきっと!私はステージ前へ直行。「みんなを67年の世界に連れてくよ,マジカルミステリーツアーの世界へようこそ」と日高さんのMC。うわっ,来た,ビートルズだよ!カバーバンドとはいえ,盛り上がる盛り上がる。そして,笑った。歌った。みんな知ってる曲なんだもん。楽しい楽しい。ジョンの笑顔が妙にいいんだ,これが。最後はヘイ・ジュード。反則だよー。でも5秒までOK。

マジカルミステリーツアーの世界

ヴィンセント・ギャロ
ヴィンセント・ギャロを座って見る。おお,ヴィンセント・ギャロの顔だ。ヴィンセント・ギャロのCDは眠る前に良く聴いていたので,にわかに眠くなる。まあ,この3日間の睡眠時間が0,5,4 だからいつも8時間寝ている身にとっては眠くなるのも道理。遠くでホワイトのROVOが聞こえてきて,去年フジと朝霧で観たので今日はギャロにしたのだが,今日のROVOがまたすごく気持ち良さそうだった。

ヨ・ラ・テンゴ
ホワイトに移動し,ヨ・ラ・テンゴの前に,トイレの列に並ぶ。ホワイトのトイレはかなり並ぶが,一番秩序がある。まあフジロックの場合どこのトイレでも自然にフォーク並びになるのがすごいんだけど,ここは特に整然としている。それにしても,どのトイレも朝になるときれいになっているんだよな。スタッフが夜中も働いていることを実感し,感謝する瞬間。ヨ・ラ・テンゴをちょっと観て,アヴァロンでメシ。

ナスの味噌炒め(タイ)
アヴァロンでまたしてもカレー。空いてたもんで。そしてその後続けて食べたナスの味噌炒めが,これが今年のベストアクト食事編(ヒュッテの朝食は除く)。ナスを味噌と唐辛子で炒めたものとモヤシを炒めたものをごはんにかけたものだが,気に入った。来年はまずこれを食うことに決定。

スティーブ・ウィンウッド
このあと,私はグリーンへ。スティーブ・ウィンウッドに客が入らない予感がしたので,不安になって。案の定,お客さんは少ないな,って思った私は,実はこのとき,ヘブンのアクトがニック・ロウだったことを忘れていた。何たること。今回見たかったののひとつだったのに。失敗失敗。果たしてニック・ロウは"Piece, Love and Understanding"を演奏したのだろうか。そして見事に客が少なかったスティーブ・ウィンウッドだが,でも"Back in the High Life Again"と,最後の"Gimme Some Lovin'"はかなり良かった。


キッズランド前

ホワイトへの道

ナス,あと一口残すのみ

エルビス・コステロ
もしコステロがこの時間でなければ,私はヘブンのG.LOVEを見て,それからレッドマーキーのJEEVASを観たかった。でもコステロ,しかもロックモードのコステロで,グリーンのヘッドライナーとしてのコステロ。どう考えても見逃せない。スティーブ・ウィンウッドが終わると同時にステージ真正面で待つ。だんだん人も集まってくる。そしてカッコいいエルビス・コステロが登場だ。なんか興奮しすぎで曲順とか良く覚えてないのだが,前半のメチャっ速radio radioが最高だった。大発狂。こないだの単独公演と同じく,好きな曲ばっかりやってくれたんだけど,今日は単独の時よりも良かった。コステロも楽しそうだった。終わった後,モッシュピットを出ようと列に並んでいると,「SHEやらなかったけどすごくよかった。一番良かった。コステロおっさんだけどカッコよかったね。」と話す若者の話し声が聞こえてくる。私はニヤニヤしながら心の中で激しくガッツポーツ。

マッシブ・アタック
コステロの後はJEEVASに行って,そのあとモグワイにするか渋さにするか迷っていたけど,コステロで燃え尽きた私は,もうどうでも良くなり,オアシスへぶらぶらと。そしてグリーンに戻り,後ろの方でマッシブ・アタックをぼーっと待った。すると,ステージのスクリーンにデジタルな現在時間の表示。つまりこれが開演のカウントダウン。定刻の21:40にメンバーが登場。スクリーンには,イラク戦争を告発するオレンジの文字が。それも日本語。彼らの本気で伝えたいという姿勢が伝わってくる。そして無意味なコンピュータコードのスクロール。前回の公演地から苗場までの距離の表示。世界地図,ブリュッセルを起点に世界の都市に伸びていく緑のラインが,湯沢苗場に達する。アメリカが使った巨額の軍事費の使途データの羅列。世界各国の軍事費データが少ない国から順に表示されていく。日本は結構上位。そして,ダントツに多いアメリカ。するとそれまでの抑制された「you can free the world」というボーカルフレーズが続いていたのから一転,激しい曲調へ.....すごかった。ただひたすらスクリーンに釘付けになり,ゆらゆらと身体を揺らしながら立ち尽くすのみだった。激しく強い思想的社会的メッセージをあの抑制されたボーカルで歌う。震えた。なんつーか,観てよかったと思った。本編の終了はシステムクラッシュという演出。その後アンコールで無事に再起動したのを確認。私はまるで夢遊病者のような気持ちで,今年のフジロック会場を後にした。

帰路
待ち合わせの駐車場では,同行の二人はもう戻っていて仮眠していた。2人とも明日朝から仕事。私は幸い月曜日も休み。帰りの車中は,私がコステロとマッシブアタックがいかにすごかったかを語り,ブライト・アイズ,THE真心ブラザーズを聴き,大接近の火星を見ながらヤマの運転するフォレスタ・ベイベで無事飯山到着。午前2時。

翌日
翌日の午前中は実家でゆっくり過ごす。初日の午前中履いた泥だらけのスニーカーを洗ったり,祖母の庭仕事の手伝いをしたり。その後,お昼を食べてから実家を出る。渋谷陽一のワールド・ロック・ナウはやっぱり聴けないので,ブライト・アイズを聴きながらの運転。ブライト・アイズのファーストは最近買ったCDで一番のお気に入りで,特に1曲目の徐々に盛り上がって「アイ スクリ〜〜ム フォー ザ サンラ〜イト」で絶叫するところ。あの展開が気持ちいいので,ここを何度もリピートして一緒に絶叫する。上信越道は気持ちのいい天気。上信越道に乗ってすぐに,前方を走る荷物をいっぱいぶら下げたオートバイを発見。追い越す際に右手首をチェックすると案の定,黄色のリストバンド。デミオは一気にバイクを抜き去り,「アイ スクリ〜〜ム フォー ザ サンラ〜イト」とオレもう一度絶叫。