神経伝達物質


<βエンドルフィン>

βエンドルフィンは、モルヒネと同じ化学構造を持ち、交感神経を鎮静化する働きがある。運動後に血圧が下がるのは、このβエンドルフィンの影響と考えられている。ちなみに、本態性高血圧の人は、βエンドルフィンの出るような(つまり終わった後に爽快感のある)運動を繰り返すと効果がある。また、運動中は、利尿ホルモンであるペプチドも体内分泌され、このホルモンも血圧降下に効果がある。

なお、βエンドルフィンの分泌に適した運動強度は、VO2maxの60%で、この強度で運動を続けると20分後にβエンドルフィンの血中濃度が有意に現れるとの実験データを聞いたことがある。


<ドーパミン>

ドーパミンは神経伝達物質の一つで、アドレナリンやβエンドルフィンの分泌に関わっているとも言われている。

ドーパミンは別名「快感神経」とも言われるA10神経の刺激によって分泌される。ドーパミンの分泌は、集中力や根気といったものに直接影響し、トレーニングによってA10神経が発達した人はドーパミンの分泌が促進され、高い集中力が得られると言われる。

たとえば、ドーパミンの影響が大脳新皮質に及ぶと、非常に豊かな発想が得られると考えられる。まさに、天才と○チガイは紙一重というような。私が習った先生は、「学者は走れ」と主張する。つまり、運動で集中できないような人はドーパミンの分泌能力が足りないので、いい発想が期待できないということらしい。


<アドレナリン、ノルアドレナリン>

私の師事した格闘技の先生は、時々理不尽な殺気を持って生徒をしごいた。曰く、「アドレナリンの分泌を高める為の練習」なんだそうだ。確かに興奮が高まっている時というのは、痛みや恐怖を感じない「戦闘状態」になれることは経験上知っている。

アドレナリンはC1・C2神経、ノルアドレナリンはA6神経から分泌される覚醒系の神経伝達ホルモンであり、交感神経の興奮を高め、血圧や心拍数を上げる効果がある。逆に、高血圧の人に処方されるβブロッカーという薬は、このアドレナリンを抑制することで交感神経をブロックし、血圧の上昇を抑えるという効果を持つらしい。