検察庁にて...パート2
    検察庁にて...パート2

SINECE : 2000/03/24



 平成12年3月24日(金) 午前10時
 私は、検察庁に行ってきました...2回目です。
 前回から7ヶ月...私も、警察・検察の現状を知りました。
  ・人身事故を起こして被疑者となっても、最終的に起訴されるのは、10人中2人もいない。
  ・検察庁は、交通事故の発生件数が多すぎて、現在の検察の人員では対応しきれない。

 私の考えた事・感じた事
  ・「被害者通知制度」とは、検察庁が今までは被害者には何もして来なかった事を、認めたもの。
  ・事故当日作る「実況見聞調書」は、被害者が亡くなっている場合、
   加害者中心で行われる為、加害者有利となる。
   また、それを充分に調べる技術が警察にない。
  ・一度決めてしまった事故理由は、その後もずっと変える事はないので、
   他の方向性を考える事はない。(たとえば、子供・お年寄りは『飛び出し』と決めてかかる。)
  ・検察はその加害者有利の「実況見聞調書」を見て、事故の判断をする。



 今回の検察庁行きのきっかけは、放送局のK記者からの依頼でした。  以前から取材に応じなかった検察庁が、受けたと言うのです!  (警察も、少しずつではありますが、被害者に窓口を開こうとしています。)
 私にとって検察庁は、恐怖そのものでした。  でも、こういう機会を逃してはいけないと、思いました。
 (詳しくは、検察庁にてをみてください。)
 検察庁には、午前9時40分に到着。  放送のために検察に入るところを、撮影。 いざ、中へ。

 ○階に行き、受付へ。 すぐに女性が来て、中へ通されました。  そこは、交通課の隣のとても広い部屋でした。  中には男性が1人。  その方は、自ら名前を名乗らなかったし、私も緊張して聞きませんでした。  ここでは、検事とします。
 はじめは、こんな感じの事を言っていました。
   ・前回話した事と、同じ事しか話せない。
   ・本来なら、2回も話しをしない。
 (って事は、テレビ局の話しがなかったら、会ってくれなかったって事?)

 私は、言いました。「不起訴の理由を教えて下さい。 前回もそれを聞きたかっただけです。  ここに来て、反論しても無駄な事はわかっています。 普通に話して頂ければいいのです。」

 検事が言った不起訴の理由は、「娘さんの、飛び込みです。」

 ...「飛び込み」って、水泳じゃあるまいし。  なんという言葉の表現なのでしょうか...。

 「目撃者は、いるのですか? どこに、飛び込んだのですか?」
 「目撃者は、いません。 状況証拠から、判断しました。  接触箇所は『トラックのアウトリガー』と『自転車の後輪泥よけ』です。」
 「...どうやって、ぶつかったのですか?」
 「それは、状況を見て判断しました。...」

 前回の検事の話しは、作り事だった。(前から、トラックに向って行ったと言っていた。)
 まったく馬鹿げている。 菜摘は、自転車の後ろ運転で、車に飛び込んだ?
 いくら運動神経の良い菜摘でも、一輪車じゃないかぎり、そんな器用な事は出来ない。


 おまけに「実況見聞調書」での接触箇所と、菜摘と自転車のあった場所が離れている。  接触してから、菜摘と自転車はどうやって、トラックの進行方向と逆の方にいったのだろうか?  それこそ、電柱・立ち木が邪魔して無理だろう。
 頭っから、「飛び込み」だと思い込んでいる人に、何を言っても無駄だ。  私が思う疑問を、検事は疑問とは思わない。  思ってもいけないのだろう。  なぜなら、それは、自分達の仕事を否定する事になるからだ。

 そして、『過失』と、『故意』の話しもした。  (もう何度もその話しは、あちこちで聞いている)  交通事故は『過失』になる。 わざと殺したのではないから、罪は問わないという事だ。
 検事は、「この場所は、見通しが悪い。」と言った。

 確かに、検事の見ていた写真では、見通しが悪い。  しかし、私は事故後毎日のようにその場所に立った。  歩道橋スロープの横は畑で、普通の交差点よりかなり視野が広くなる。
 バスの運転手さんも「前を見ていても、横から人がくればわかる。」 と、言っていた。
 机上で、たった一枚の写真を見て『見通しが悪い』と、判断する。  (私から見れば、検事の見通しが甘いのである。)

 運転免許を持っているかと、聞かれた。 検事は言った。
 『車は、前と右と左の車を注意するのに、精一杯なんです。  人が車を注意しなければいけない。』
 『見てご覧なさい。 赤信号で、道路を横断する人が多いんです。  赤信号で渡る人が、悪いでしょう!』
 検事は、私を納得させたいようで...少し語尾がきつくなった。

−−−−− 絶句 −−−−−

 そうか、車は人を注意しなくていいんだ...。
 人は、道路に出たら轢かれて亡くなっても、仕方ないんだ...。


 私はこの言葉を聞いて、これ以上この人に何を言っても無駄な事を悟った。  頭の中がクルマ中心の人間に、何を言っても無駄である。  検察さえもこういう考えでは、交通死した者は、一生浮かばれまい!

 この検事は、自分の大切な人を交通事故で亡くしても、 「注意しなかったから、仕方がない。」と言うのだろう。

 『「交通事故が史上最高を記録した1970年代、交通検察の高官は、 車が持つ運動エネルギーは人の2000倍になるとして、 ドライバーは人の2000倍の注意を持って運転しなければならぬ。」と言った。』

 人間と車は、対等ではない事をわかっている人もいるのに!  この考えが、末端の人間には通じていないようだ。

 早々と、検察庁を後にした。 丁度、テレビ局が検察庁の外観を撮影していた。  私は、検察の敷地外でインタビューを受けた。 その時、K記者に会社から電話が来た。
 内容はどうやら検察庁からのクレームらしかった...。  検察庁の外観を撮影したのが、気に入らなかったようだ。  記者は事前に許可を得ていて、ましてや「敷地内の撮影お断り」を守っていた!
 なのに、「プライバシー」だの「いろいろ、ありますから...」だのって、どういう事?
 下から見ると、窓と蛍光灯が少ししか見えない...そんなに見られて困るのなら、 「窓」を取ってしまえばいいのだ。
 
空しさだけが、残った。

・・・最後まで、読んでくださって、 ありがとうございました。・・・

この文章は、私の素直な感想を述べたものです。 決して、他を中傷するものではありません。  あしからず。