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1.全てはここから始まる。
愛しています。 2.暖かい言葉 あなたは一人じゃない。 私の中に、もう一人あなたがいるからです。 3.順番 人生で最も愛する人と巡り会った。 愛しすぎて、周りが見えなくなって、与えすぎて、重すぎて、別れた。 二番目に愛する人と結婚をして、安心した。 4.幸せの正体 「心は美しいが姿が醜い人間と、姿は美しいが心は醜い人間の、 どちらが良いと思うね?」 心の醜い人間は、愛のない人生でも平気だった。 姿の醜い人間は、質素な人生でも平気だった。 5.優しい死 彼女はすべてを人に与えた。 彼女は与えるためだけに生きた。 死を恐れ、生を尊んだ。 彼女には何も残らなかった。 けれどすべての人の心に、彼女は残った。 6.告白 放課後、先輩の下駄箱に手紙を入れた。 「明日の放課後、音楽室の準備室で会って下さい」 手紙には、学年とクラスと番号と名前を書いた。 翌朝、あたしの下駄箱に手紙が入っていた。 「ぼくには彼女がいます。だから行けません」 手紙には、ボタンが一つ入っていた。 7.お見合い 29回目のお見合いをして、相手をフった。 「理想が高すぎよ」 と母に怒られたが、合わないものは仕方がない。 30回目のお見合いで、ドライブに行った。 車に乗った時、彼が私に聞いた。 「僕の好きな音楽を、かけても良いですか?」 心にコトンと音がした。 8.ダイビング 小さな飛行機は私たちを乗せて、大空へ飛び立った。 「気を付けて」 と言ったあなたの顔が、こわばっている。 まあ、あなた。そんなに表情に出してしまっては、バレてしまうわよ。 私はパラシュートを確認する仕草をしたが、気付かないフリをした。 「愛しているわ、あなた」 私はとびきりの笑顔で、少し呆けている顔にキスをした。 青く透明な最期の空に、私は舞った。 9.盆栽 お爺さんは、盆栽が趣味だった。 お婆さんも、その盆栽を愛した。 あまり良い出来とは言えなかったけれど。 枝を切ることで、いつも迷っていた。 全ての枝が生きていて、伸びようとしているのだ。 「でも、選択しなければなりません」 切る枝を決めると、お婆さんがそれを切った。 しかしお婆さんが亡くなった。 お爺さんは黙って枝を切った。 10.ラストエンペラー 溥儀は民を愛していた。 溥儀は3歳で帝位についた。 溥儀は贅沢の限りをつくした。 溥儀は日本軍に協力した。 溥儀は満州国の皇帝になった。 溥儀はそこでも贅沢をした。 溥儀は中国に捕らえられた。 溥儀は自殺しようとした。 最後に貧しい暮らしをした。 どれも真実の彼である。 11.素敵な後悔 どうして私は私なんだろう。 あんまり綺麗なじゃない体で、 あんまり可愛くない顔で、 何をするにも鈍くさくて、 よく見えない目で、 賢くない頭で、 遠い耳で、 汚い爪で、 でもあなたが好きで、 そんな自分にまた悔やむ。 生まれなければ、後悔もできなかったのに。 12.Merry Christmas 「誰が生まれたんだっけ?」 そんなことも知らない君が愛しい。 きっと君は、神様なんて信じちゃいない。 でもサンタの格好までして喜んで、 そんな君がとても好きなボクがいて。 たぶんそれで良いのだ、とボクは思う。 365日の中に一日だけ、特別な日があって、 誰もが優しい気持ちになるような、 そんなことが大事なんじゃないかなぁ、と。 ボクは君を見ていて、そう思う。 皆、優しいと良いね。 皆、幸せだと良いね。 fin
2002.12.1 |