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6.
大広間は回廊と同じく、曲線を描く金の柱に囲まれている。中央を包むような丸い形と柱に造りつけてあるたいまつの明かりが、優しく広間の者らを見守っているかのような、柔らかい造りだ。壁がなく全部吹き抜けになっており、晴れた夜空には美しい月が出ていて、この上なく素晴らしい宴の様相を呈していた。
「お気に召しましたでしょうか?」
広間の中央より少し奥で、一人の男が玉座に向かってうやうやしく平伏していた。
王たる少年は戦いの服を脱ぎ、絹の上着と輪、それにマントでもって王たる威厳を示している。久しぶりにはめたサークルだったが、出陣前よりは馴染んでいるような気がした。人の体2つ分は上空に位置する壇上から男を見おろすディナティ王の顔は、堂々としていた。
男のお辞儀は這いつくばるような深いものだったが、彼はディナティが指示していないのに、すっと顔を上げた。彼だけは、それができる人間だからだ。いやマシャなども礼儀を無視してやりそうなことだが。いやクリフなんかでも、やってしまうかも知れないが。
青年はゆるくウェーブしている黒い長髪を、金の髪留めで一つにまとめている。額にかかる一房の前髪を払い、王に笑みを向けた。ディナティより少し年上のその青年は、自分ではその笑みを、親しみあふれる暖かい表情だと思っているのだろう。ディナティが自分に儀礼的な挨拶しかしないことに、不満の色を浮かべかけて、慌てて押し殺した。だが、どちらかといえば愛想笑い好感度は、ディナティの方が高い。何しろ余裕がある。
「マラナエバ殿下。手厚い出迎えと凱旋の宴、まずは礼を申そう。旅の疲れも癒えるというもの」
その青年マラナエバは再び手を突いて、深く頭を下げた。
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