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吉野山をずんずん歩いて行くと、大台ヶ原に出る感じですね。大台ヶ原も昔行ったことがあるんですけど、すっごく綺麗で良い山でした。そして吉野と大台ヶ原が近いという事実を知りませんでした私(笑えない) Mちゃんが名古屋辺り、私が四日市辺り、四日市から近鉄急行で約4時間の道のりでした。早いもんです♪ ◇ では早速お山へ。
ってゆーかこれ、普通に登山なのか?! と、気付いた時にはすでに遅し。 ずっとアスファルトで舗装された道で、 「あー、やっぱり観光地だな〜。普通の格好で来れるんだもんな〜」 と思いつつ、坂道だろうがお構いなしに、呑気にお喋りしつつ歩いてたんですけど……(あ、ロープウェイとか書いてありますけど、当然乗らずに歩きましたよ。だって貧乏だから) 延々と上り坂です。どこまでも登ります。少しずつ桜が咲いているのが見えてきて、 「わぁ、満開だぁ! 綺麗だぁ!」 と騒ぎながら歩き続けてたんですけど、さすがに限界あります。気付くと口数は減り、足取りは重く。ちらほらとしか桜がないような印象があったんですけど、それでも普通よりは全然いっぱい咲いている、それらの木を愛でて すると、ふと景色が開けたところに出ました。まだ登るんか〜い、と思いつつ、半ば三白眼になってひたすら足を踏み出しておりましたら、ふり向いたMちゃんが「後ろ!」と言いました。だもんで、何気なくふり向いてみましたら……。 さ〜く〜ら〜〜!! 疲れがぶっ飛びましたね。 もう、なんつーの? なんて表現したら良いの? 山がね。坂になってますからね。下から見上げるのだと、一本一本の木しか見えなくて、その凄さが分からなかったわけですよ。ところが「中千本」辺りにまで登って、こう、見下ろすとですねぇ。 山全部が桜なわけですよ。 埋め尽くされてるわけですよ。 カメラどころか、視界に収まらない広さなんですよ。 山並みうねる線の上から下から、あっちもこっちも全部、桜。 どこまでもピンクいワケですよ。 って言ったら「薄紅って言った方が雅だ」とMちゃんに指摘されましたが(笑) 多少雨模様だったことがこの時ばかりは幸いし、山全体に霞がかかっていて空もふんわりと白く、現実世界じゃないみたいです。Mちゃんが桃源郷と言いましたが、まさしくソレ。日本にこんなに素晴らしい景色があったなんて30年が無駄だったわしの馬鹿馬鹿馬鹿──って、まぁ、ここまで言うと大袈裟ですが、でも、そんな気分です。 中千本とこにある『如意輪寺』の手前にあったお茶所で休憩、Mちゃんは葛湯を、私は甘酒を頂き、お寺に参拝、さらに登山へとGO。 その間中、二人でず〜っと、 「この美しさを表現する文章が思いつかない」 と喋っておりました。 本当に情景描写の文章の難しさを痛感してしまうような、 「あら、私の美しさを文字に収めようとなさっているの?」 と微笑まれているかのような、そんな気分でした。 あ、この場合、笑ってるのは多分、桜の精か天女様v 優しい、優しい、柔らかな微笑みでね。 Mちゃんがバッシバッシと写真を撮り、私はカメラを忘れたために携帯のカメラ機能でえっちらおっちら撮っておりましたが、この景色は、ぜひ皆さんにも生でご覧頂きたいです〜。 っつっても、アレだよね。 旅行でも何でも、良いものってさぁ、自分が触れてナンボなんですよね。想像や知識だけじゃ絶対に追いつかないものがある、それはもう、どうしようもない事実じゃないかと思う次第でございます。 とは言っても、物理的に「経験」できないことを、人は見たり聞いたり知ったりすることでスキルを上げていくわけですが……。 途中で山道に切りかわり、むしろ獣道やろ、ここってぇイキオイでぐっちゃぐっちゃな泥道を革靴で歩きつつも、私の視界は常に桜色に染まっており、脳味噌から心から、るんたった状態になりながら小雨降る午後を過ごしたのでした。 ◇ 日が傾いて参りました。 山ではすぐに山裾に日が落ちるため「赤い夕陽」がなく、下界よりも少し夜が長いです。でも「下千本」近くにまで降りてきて宿屋と土産屋が密集している辺りに来ましたら、そこから見下ろす景色には少し夕陽があたっていて、これも風流でございました(^^) 町の雰囲気も、古き良き日本って感じの家屋が建ち並んでいて落ちつきます。 「いや〜、ホント良い日になったね〜」 「ばっちり満開だったね〜」 「来て良かったね〜」 とご満悦なオナゴ二人。 そろそろ現実を見なきゃあね♪ そう。 宿です。 ってゆーか、時間、もう4時すぎだったりなんかして、そこから探そうとするかなこの女。しかし地図がよく分かってなかったんですけど、宿場町っぽい場所に出て良かった良かった。 最悪はラブホテルで良いや、と、私はずっとMちゃんには言ってたのですが(その都度、丁寧にきっちりと断られましたが)、この観光地、しかも山の上、雅な吉野の宿場町にそんなもの見あたりません。 「晴れてたら野宿も出来たのになぁ」 と私が冗談のつもりで言いましたら、 「鈴子さんならやりそうだから雨で良かった」 と言われました……。 いや、Mちゃん。さすがに寝袋もないことだし、やりませんよ(←あったらやるのかよ) 途中の土産物屋さんで「宿を探してくれる案内所」を尋ね、『ビジターセンター』なる建物に向かいます。最初に行けよというツッコミはなしで。最初に歩いていたルート上には建物が何もなかったもんなぁ。どこ歩いてたんだ私たち。 しかーし。 試練がここに。 ビジターセンター閉まってます。終わってます。 「いや、その隣の建物だって言ってたじゃんね、宿紹介所!」 隣の建物。 って、あっちも誰もおらず閉まっています。 しょうがない。 こうなったら、その辺に立ち並んでいる宿一軒一軒の門を叩き、空き部屋があるかどうかを聞いて廻るのだ。と、Mちゃん、歩きだしました。マジかいっ☆ ちょっと待ってくれぇい。 元来の習性として「面倒臭がり」な私、そんな手間はしたくないです。ので、もう閉まってはいるけどビジターセンターの中に人がいないかどうか、覗きこんでみました。 あ、いるいる。 “閉館”の張り紙とカーテンでガラス扉が埋め尽くされていましたが、その隙間から館内を見ましたら、管理人のオジさんっぽい人が掃除してるじゃございませんか。 「すいませーん」 コンコン。 ドンドン。 ドカドカ(←嘘) 開けてくれー。 というワケで扉を開けてくれた、“親切”を形にするとこんな顔になるんだなぁとまで思えそうなほど親切な顔した親切なオジさんは、せっかく綺麗にした床に泥まみれの靴履いた女を入れてくれまして。 路頭に迷うオナゴ2人のために宿に電話までして下さり、空いている安い宿を見つけて下さったのでした♪ 本当にどうもお世話になりました。皆様も吉野へ行かれましたら、ビジターセンターに寄り、吉野桜維持の寄付金500円なんぞを進呈してやって下さいませ(^^)←おい。 いやー。 旅は道連れ、世は情け。でしたっけ?(←ちょっとは反省しろ) ◇ さて、素泊まり宿を確保した私たち、これでゆっくり出来ます。吉水神社の近くにあるこぢんまりとした民宿のおかみさんと旦那さんは、これまた親切な方々で、この旅行、本当に「人の良さ」に沢山触れさせて頂きました。 急に増えた女客たった二人に15畳の部屋をあてがってくれるオジさん……って、ちょっと待てーい! 「ひ、広すぎますよ! 勿体ないですよ!」 「あ、そう? 寝られない?」 「いや、そんな問題でなく」 「じゃあ本館の8畳間に移ります?」 「……いや、ここに泊めさせて頂きます」 オジさんオバさんはえっさほいさとコタツを出して下さり、じゃあ、と去りました。が、しかしどう考えても広すぎる部屋で、小心者鈴子はど真ん中に寝そべることもできず、隅っちょ〜の方でMちゃんと二人、ちょこんとくつろいだのでした。 あ、でもネタ的にはど真ん中で大の字になっておくべきだったか……(←いいから) その後、再度町に出向き、静御前が舞ったとかいう逸話の残る「勝手神社」に行きました。が。消失しちゃってます。ありゃりゃ。せっかく古くて良い感じの建物だったらしいので、ぜひ再建して欲しいと思います。形あるものはいつか壊れるものでしょうけど、自らぶっつぶす必要もないでしょう。 火災を逃れた御神仏などが吉水神社にあるとのことなので、明日行くことに。 その後は、途中で見つけた手作り豆腐の小さな店にて、厚揚げやら、こんにゃくやらを頂きました。もう終わりかけだった店には豆腐田楽が残っておらず残念。でもって、わずかに残っていた食材を「これでもか」と言わんばかりに食い尽くすイキオイで食べてしまいました。 だって美味しかったんですー(T_T)←泣くな。 本当に小さいお店で、5人ほどしか座れないようなカウンターを貸し切り状態にさせて頂き、店員のおねーちゃんと3人で喋るわ食うわ飲むわ笑うわ。ええ、当然ビールも注文させて頂きました♪ 土産に揚げまで頂いちゃって、ホクホクと店を後に。 途中で「お茶飲まな〜い?」などと言われて「わ〜い♪」と近寄る辺り、既にかなーりイっちゃってました。 引っかかったその佃煮とお茶の店で、売り子のおっさんやら店員のにーちゃんやらと全員で、試供品のお茶を頂きつつ、阿呆全開でちょっぴりエッチなネタトークをかまし、お土産に買って帰る黒大豆茶。その場のノリで買っちゃったんだけど、まんまとおっさんのトークに釣られた感じ……。奈良だけに関西弁で、しかもこのおっさんが大阪の人だったんで、余計にトークが突っ走ってしまって(笑) まぁ黒大豆のお茶は前から欲しいと思ってたから良いんですけどね。酔っぱらいって怖いね♪ おまんじゅうなんかも買い食いしちゃったりなんかして。 宿に戻って風呂上がってからも、途中で買ったチュウハイとビールで乾杯、まだまだ二人宴会が続きます。Mちゃんがおっさんの店で買った佃煮をつまみに提供してくれて、お豆腐の店のお揚げさん、別の店のおにぎり。美味しい食べ物って、それだけで幸せになれるから不思議です(^^) 良い感じにベロベロになった2人は夜更けまで何だかんだと喋りまくり、そのまま幸せに沈没したのでした。 翌日も読まれます? ↓ next |