直木賞のすべて
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第4回

吉川英治文学新人賞

=受賞者=
赤瀬川 隼
北方謙三

=候補者=
井沢元彦
広瀬仁紀
連城三紀彦
山田正紀


吉川英治文学新人賞-選評の概要
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Last Update[H20]2008/1/5

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 昭和57年/1982年度
 (昭和58年/1983年3月16日決定発表)
選考委員  井上ひさし 尾崎秀樹 佐野洋 野坂昭如 半村良
選評総行数  38 28 31 32 30
評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
赤瀬川隼 『球は転々宇宙間』 評言 6 11 16 10 6
北方謙三 『眠りなき夜』 評言 10 9 15 8 19
井沢元彦 『復活一九八五』 評言 6 0 0 3 0
広瀬仁紀 『談合』 評言 7 0 0 3 0
連城三紀彦 『密やかな喪服』 評言 8 0 0 6 0
山田正紀 『風の七人』 評言 7 0 0 3 0
         
見方・注意点

このページの選評出典:『群像』昭和58年/1983年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員井上ひさし×各候補作  見方・注意点
その質、上々の二作 総行数38 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
赤瀬川隼 全委員 6 「素直で、平明で、それでいて質の良い文章でなされた社会批評小説である。社会の構造を小説の構造に移しかえる腕力に凄みがある。」
北方謙三 全委員 10 「間断するところのない傑作だ。文章は彫りつけたように勁く、簡潔である。」「が、そのことが逆にサスペンスを生む。じつに並々ならぬ文章家である。」「警察を「時間の搾木」として活用しているところもうまい。」
井沢元彦 全委員 6 「すべてに雑だった。しかし、作者の「物語という形式に対する信頼感=オハナシをこしらえるのがおもしろくて仕方がないという態度」に感動をおぼえた。いまに途方もない語り手に成長するだろう。」
広瀬仁紀 全委員 7 「丁寧に書こうという誠意がこめられている。ただしその誠意が回りくどいもったいぶった文章となって実現してしまったのは惜しい。この文章のせいで読者は、作者がこの作品を創ろうとしたときの動機(=感動)へたどりつくことができない。」
連城三紀彦 全委員 8 「作者の才能を疑うものは一人としておるまい。」「短篇集であるが、それが不運だった。各篇のもつ質の凸凹がたがいに足を引っ張り合ってしまった。」「彼のトリックはすべて芸術品である。」
山田正紀 全委員 7 「作者の才能を疑うものは一人としておるまい。」「内容、そしてその内容を現わす文章、ともに壺を心得ており、過不足がない。だが、かえってこの平衡感覚が退屈な予定調和を生んでしまった。」
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他の選考委員
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員尾崎秀樹×各候補作  見方・注意点
稀有な才能と将来性を買う 総行数28 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
赤瀬川隼 全委員 11 「単なる野球小説の次元をこえて、未来小説、政治小説、ユートピア小説としても読め、現代文明論になっているところに、作者の稀有な才能が感じられる。」
北方謙三 全委員 9 「歯切れのよい表現と、アクション場面のリアリティに迫力があった。この作品自体に難点がないわけではないが、北方謙三のこれまでの作品を読んできた者として「眠りなき夜」に一票を投じる気持になった。」
井沢元彦 全委員 0  
広瀬仁紀 全委員 0  
連城三紀彦 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
  「今回の六篇の候補作は、伝奇時代ものからハードボイルドや企業ものまでがふくまれ、現代のエンターテインメントのひろがりをしめすように思われた。」「候補作のうち、三篇に票を入れるつもりだったが、それというのがひとつだけ傑出するものがなかったからだ。」
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他の選考委員
井上ひさし
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員佐野洋×各候補作  見方・注意点
大きな飛躍を 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
赤瀬川隼 全委員 16 「今回の候補作では(引用者中略)群を抜いて優れていると思った。」「突拍子もないアイデア、自由な構成力など、優れた点がいくつもあるものの、それらによりかかり、余りにも都合よく話を進めて行く姿勢に、一抹の不安を感じたのだ。だが、その後いくつか発表されたこの作者の短編を読み、その実力が並々ならぬものであり、人間観察の目にもしたたかさがあることを知った。」
北方謙三 全委員 15 「ややもすれば、構成に厳密さを欠くうらみがあり、この作品にもそれが見られた。ある意味では、この小説は、氏にとって失敗作ではないか、という考えを私は今でも持っている。」「だが、野坂委員の『この人は、受賞をスプリング・ボードとして、一段と大きく伸びると思う』という意見には同感だったので、賞を贈ることに賛成した。」
井沢元彦 全委員 0  
広瀬仁紀 全委員 0  
連城三紀彦 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
野坂昭如
半村良
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選考委員野坂昭如×各候補作  見方・注意点
選評 総行数32 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
赤瀬川隼 全委員 10 「第一位に推した。これは吉川さんが、読まれたならば、手をうっておよろこびになる作品だろうし、また吉川さんを離れて考えても、よく出来た小説である。」
北方謙三 全委員 8 「(引用者注:赤瀬川隼に)つゞいて、ぼくは(引用者中略)かった。ただし、ハードボイルドなるジャンルは、まことにむつかしく、表現や形容、さては独白自省が、ややもすれば月並みになりがちで、この作品についていえば、そのきざしがうかがえる。」
井沢元彦 全委員 3 「選考の対象となる作品については、運不運がつきまとう。」「不運であった。」
広瀬仁紀 全委員 3 「選考の対象となる作品については、運不運がつきまとう。」「不運であった。」
連城三紀彦 全委員 6 「短篇それぞれに味わいがあるものの、一冊にまとまって読んだ場合、少し混乱してしまう。しかし、才能は明らかであって、余計なお世話かもしれないが、なるたけ広い世間をお書きになった方がいいように思う。」
山田正紀 全委員 3 「選考の対象となる作品については、運不運がつきまとう。」「不運であった。」
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
半村良
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選考委員半村良×各候補作  見方・注意点
選評 総行数30 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
赤瀬川隼 全委員 6 「ことさら言うまでもない。委員の一人である井上ひさし氏に――あなたの作品じゃないかと思った――と冗談を言ったところ、他の委員からも笑い声があったところを見ると、私の印象と同じものをみなさん受けておられたようだ。」
北方謙三 全委員 19 「少しはしゃいだ気分で、はじめから北方氏をかついで選考の席へおもむいた。」「以前の作品のほうがこれより良いから授賞を見合わせるというようなたぐいの議論を、私は好かない。前の候補作のほうがこれより良かったとしても、読者として「ご馳走さま」と言えればそれにこしたことはない、」
井沢元彦 全委員 0  
広瀬仁紀 全委員 0  
連城三紀彦 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
  「腕のいい書き手がゾロゾロ出て来ている時代だ、と思う。選考委員としてではなく、書き手の一人として、この熱っぽい競争に加わらなくてどうする、という気分になった。」
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
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赤瀬川隼『球は転々宇宙間』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 6 「素直で、平明で、それでいて質の良い文章でなされた社会批評小説である。社会の構造を小説の構造に移しかえる腕力に凄みがある。」
尾崎秀樹 全候補 11 「単なる野球小説の次元をこえて、未来小説、政治小説、ユートピア小説としても読め、現代文明論になっているところに、作者の稀有な才能が感じられる。」
佐野洋 全候補 16 「今回の候補作では(引用者中略)群を抜いて優れていると思った。」「突拍子もないアイデア、自由な構成力など、優れた点がいくつもあるものの、それらによりかかり、余りにも都合よく話を進めて行く姿勢に、一抹の不安を感じたのだ。だが、その後いくつか発表されたこの作者の短編を読み、その実力が並々ならぬものであり、人間観察の目にもしたたかさがあることを知った。」
野坂昭如 全候補 10 「第一位に推した。これは吉川さんが、読まれたならば、手をうっておよろこびになる作品だろうし、また吉川さんを離れて考えても、よく出来た小説である。」
半村良 全候補 6 「ことさら言うまでもない。委員の一人である井上ひさし氏に――あなたの作品じゃないかと思った――と冗談を言ったところ、他の委員からも笑い声があったところを見ると、私の印象と同じものをみなさん受けておられたようだ。」
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他の候補作
北方謙三 『眠りなき夜』
井沢元彦 『復活一九八五』
広瀬仁紀 『談合』
連城三紀彦 『密やかな喪服』
山田正紀 『風の七人』
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北方謙三『眠りなき夜』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 10 「間断するところのない傑作だ。文章は彫りつけたように勁く、簡潔である。」「が、そのことが逆にサスペンスを生む。じつに並々ならぬ文章家である。」「警察を「時間の搾木」として活用しているところもうまい。」
尾崎秀樹 全候補 9 「歯切れのよい表現と、アクション場面のリアリティに迫力があった。この作品自体に難点がないわけではないが、北方謙三のこれまでの作品を読んできた者として「眠りなき夜」に一票を投じる気持になった。」
佐野洋 全候補 15 「ややもすれば、構成に厳密さを欠くうらみがあり、この作品にもそれが見られた。ある意味では、この小説は、氏にとって失敗作ではないか、という考えを私は今でも持っている。」「だが、野坂委員の『この人は、受賞をスプリング・ボードとして、一段と大きく伸びると思う』という意見には同感だったので、賞を贈ることに賛成した。」
野坂昭如 全候補 8 「(引用者注:赤瀬川隼に)つゞいて、ぼくは(引用者中略)かった。ただし、ハードボイルドなるジャンルは、まことにむつかしく、表現や形容、さては独白自省が、ややもすれば月並みになりがちで、この作品についていえば、そのきざしがうかがえる。」
半村良 全候補 19 「少しはしゃいだ気分で、はじめから北方氏をかついで選考の席へおもむいた。」「以前の作品のほうがこれより良いから授賞を見合わせるというようなたぐいの議論を、私は好かない。前の候補作のほうがこれより良かったとしても、読者として「ご馳走さま」と言えればそれにこしたことはない、」
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他の候補作
赤瀬川隼 『球は転々宇宙間』
井沢元彦 『復活一九八五』
広瀬仁紀 『談合』
連城三紀彦 『密やかな喪服』
山田正紀 『風の七人』
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井沢元彦『復活一九八五』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 6 「すべてに雑だった。しかし、作者の「物語という形式に対する信頼感=オハナシをこしらえるのがおもしろくて仕方がないという態度」に感動をおぼえた。いまに途方もない語り手に成長するだろう。」
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 3 「選考の対象となる作品については、運不運がつきまとう。」「不運であった。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
赤瀬川隼 『球は転々宇宙間』
北方謙三 『眠りなき夜』
広瀬仁紀 『談合』
連城三紀彦 『密やかな喪服』
山田正紀 『風の七人』
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広瀬仁紀『談合』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 7 「丁寧に書こうという誠意がこめられている。ただしその誠意が回りくどいもったいぶった文章となって実現してしまったのは惜しい。この文章のせいで読者は、作者がこの作品を創ろうとしたときの動機(=感動)へたどりつくことができない。」
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 3 「選考の対象となる作品については、運不運がつきまとう。」「不運であった。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
赤瀬川隼 『球は転々宇宙間』
北方謙三 『眠りなき夜』
井沢元彦 『復活一九八五』
連城三紀彦 『密やかな喪服』
山田正紀 『風の七人』
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連城三紀彦『密やかな喪服』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 8 「作者の才能を疑うものは一人としておるまい。」「短篇集であるが、それが不運だった。各篇のもつ質の凸凹がたがいに足を引っ張り合ってしまった。」「彼のトリックはすべて芸術品である。」
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 6 「短篇それぞれに味わいがあるものの、一冊にまとまって読んだ場合、少し混乱してしまう。しかし、才能は明らかであって、余計なお世話かもしれないが、なるたけ広い世間をお書きになった方がいいように思う。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
赤瀬川隼 『球は転々宇宙間』
北方謙三 『眠りなき夜』
井沢元彦 『復活一九八五』
広瀬仁紀 『談合』
山田正紀 『風の七人』
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山田正紀『風の七人』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 7 「作者の才能を疑うものは一人としておるまい。」「内容、そしてその内容を現わす文章、ともに壺を心得ており、過不足がない。だが、かえってこの平衡感覚が退屈な予定調和を生んでしまった。」
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 3 「選考の対象となる作品については、運不運がつきまとう。」「不運であった。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
赤瀬川隼 『球は転々宇宙間』
北方謙三 『眠りなき夜』
井沢元彦 『復活一九八五』
広瀬仁紀 『談合』
連城三紀彦 『密やかな喪服』
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