直木賞のすべて
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第26回

吉川英治文学新人賞

=受賞者=
恩田 陸
瀬尾まいこ

=候補者=
石黒 耀
井上荒野
雫井脩介
永井するみ


吉川英治文学新人賞-選評の概要
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 平成16年/2004年度
 (平成17年/2005年3月7日決定発表)
選考委員  浅田次郎 伊集院静 大沢在昌 高橋克彦 宮部みゆき
選評総行数  33 31 31 26 26
評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
恩田陸 『夜のピクニック』 評言 6 8 9 16 11
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』 評言 6 13 7 16 11
石黒耀 『震災列島』 評言 4 0 4 0 0
井上荒野 『だりや荘』 評言 3 3 6 0 0
雫井脩介 『犯人に告ぐ』 評言 5 0 4 0 15
永井するみ 『ソナタの夜』 評言 9 3 4 0 0
         
見方・注意点

このページの選評出典:『群像』平成17年/2005年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員浅田次郎×各候補作  見方・注意点
敗北選評 総行数33 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
恩田陸 全委員 6 「ひとりのファン読者として納得できなかった。」「作者の真骨頂はこういうふつうの小説ではないとの思いを禁じ得なかった。」
瀬尾まいこ 全委員 6 「小説的に難易度の低い作品ながらその出来栄えは「完璧」と言ってもよい。日常の素材に甘んずることなく、力を信じて冒険をしていただきたいと思う。」
石黒耀 全委員 4 「社会を巨視せずに一部分のドラマを精密に描けば、傑作たりえたであろうと惜しまれてならない。」
井上荒野 全委員 3 「余人を以てかえがたいテクニックを随所に感じたが、全体に平坦で躍動感に欠ける憾みがあった。」
雫井脩介 全委員 5 「堅実さも小説家の美徳であると言いたい。前半の鋭利さとダイナミズムが後半で失速した感があり、強く推すことはできなかった。」
永井するみ 全委員 9 「劈頭に推した」「同工異曲の譏りは免れぬとしても、一貫したテーマに沿って真摯かつ執拗に書き綴った成果であると思った。」「作者は伝統的私小説の光明たるかもしれぬと信じて強く推したが、他の賛同を得られずに残念であった。」
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他の選考委員
伊集院静
大沢在昌
高橋克彦
宮部みゆき
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選考委員伊集院静×各候補作  見方・注意点
たしかなもの 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
恩田陸 全委員 8 「読者にも作家自身にも大きな収穫を得た作品である。」「一作ごとに実りを得ていることが彼女の光ある将来を感じさせる。」
瀬尾まいこ 全委員 13 「推した。一行目からたしかな手ごたえを感じた。」「感嘆符がついたり、声高なものはいっさいないのだが、読み終えた後に私の身体に瀬尾さんの骨の重みのようなものが確実に残った。この重みは何だろうか。私は作家の芯、覚悟ではないかと思った。」
石黒耀 全委員 0  
井上荒野 全委員 3 「きらりと光る才能(引用者中略)が印象的だった。」
雫井脩介 全委員 0  
永井するみ 全委員 3 「淡い独特の世界が印象的だった。」
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他の選考委員
浅田次郎
大沢在昌
高橋克彦
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選考委員大沢在昌×各候補作  見方・注意点
才能と筆力と 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
恩田陸 全委員 9 「同級生の男女が果たして会話を交わせるかどうか、それだけを核に物語をひっぱる力は、なみたいていではない。」
瀬尾まいこ 全委員 7 「どこか危うげな人間ばかりが登場するのに、なぜか読んだ者の胸をあたたかくする。これは才能という他はないだろう。」
石黒耀 全委員 4 「科学的データの処理とドタバタの融合は難しい。試みは壮大だが、作者の腕力が追いつかず、最後まで水と油のままだった。」
井上荒野 全委員 6 「軽いのにトゲがある。これも作者の資質だ。ただ、初めて男女がことに及ぶとき、女性の意志はそこにあっても男性の意志はないような、妙な居心地の悪さを感じた。」
雫井脩介 全委員 4 「惜しいところだった。受賞二作の評価がとび抜けたため、得票的には次点であった。しかしすぐれた警察小説である。」
永井するみ 全委員 4 「どの作品ものぞき穴を通して語られているようなもどかしさを感じた。作者の視点がヒロインの外にまで広がっていないからではないか。」
  「今回より選考委員に加えていただいた。私にとり、初めての文学賞がこの賞であり、受賞したことが大きな励みとなった。その恩返しをいくらかでもできれば、という思いだ。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
高橋克彦
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選考委員高橋克彦×各候補作  見方・注意点
宝石二つ 総行数26 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
恩田陸 全委員 16 「たった一日の出来ごとを、長期連載という形で丁寧に積み重ねていく恩田さんの企みの見事さに何度溜め息を吐いたことだろう。どこにも隙がなく、それでいて叙情の紗幕を絶やさないのにはほとほと感心させられた。」「恩田さんの新たな魅力で、私は好きだ。」
瀬尾まいこ 全委員 16 「本当に思いがけない結末には仰天した。」「だが、なにを捨てて、なにを貫かなければならないか瀬尾さんは分かっている。強靭な物書きとしての志を感じた。大成する人に違いない。」
石黒耀 全委員 0  
井上荒野 全委員 0  
雫井脩介 全委員 0  
永井するみ 全委員 0  
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
大沢在昌
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選考委員宮部みゆき×各候補作  見方・注意点
ふさわしい二作 総行数26 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
恩田陸 全委員 11 「(引用者注:「幸福な食卓」とは)青春の「未来と希望」を仰ぐか、「傷みと再生」を見つけるかというテーマには大きな差異があり、そこから生まれるそれぞれの魅力は、どちらか一作に軍配を上げることができないほど拮抗しておりました。」「(引用者注:受賞二作は)合わせ読むとなおいっそう、「小説」というものの豊饒さを体感させてくれる二作で、その意味でも並び立つ受賞にふさわしいと感じています。」
瀬尾まいこ 全委員 11 「(引用者注:「夜のピクニック」とは)青春の「未来と希望」を仰ぐか、「傷みと再生」を見つけるかというテーマには大きな差異があり、そこから生まれるそれぞれの魅力は、どちらか一作に軍配を上げることができないほど拮抗しておりました。」「(引用者注:受賞二作は)合わせ読むとなおいっそう、「小説」というものの豊饒さを体感させてくれる二作で、その意味でも並び立つ受賞にふさわしいと感じています。」
石黒耀 全委員 0  
井上荒野 全委員 0  
雫井脩介 全委員 15 「残念ながら次点に終わった『犯人に告ぐ』には、さまざまな点で作者の勇気を感じました。」「賞讃すべき点は多々ありました。本来、もっと受賞作に肉薄して健闘することができたはずなのに、そこに届かなかったのは、強く推しつつも、劇場型捜査という画期的なギミックを活かし切れなかったのではないかという指摘に、弱気になってしまった私の責任です。」
永井するみ 全委員 0  
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
大沢在昌
高橋克彦
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恩田陸『夜のピクニック』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 6 「ひとりのファン読者として納得できなかった。」「作者の真骨頂はこういうふつうの小説ではないとの思いを禁じ得なかった。」
伊集院静 全候補 8 「読者にも作家自身にも大きな収穫を得た作品である。」「一作ごとに実りを得ていることが彼女の光ある将来を感じさせる。」
大沢在昌 全候補 9 「同級生の男女が果たして会話を交わせるかどうか、それだけを核に物語をひっぱる力は、なみたいていではない。」
高橋克彦 全候補 16 「たった一日の出来ごとを、長期連載という形で丁寧に積み重ねていく恩田さんの企みの見事さに何度溜め息を吐いたことだろう。どこにも隙がなく、それでいて叙情の紗幕を絶やさないのにはほとほと感心させられた。」「恩田さんの新たな魅力で、私は好きだ。」
宮部みゆき 全候補 11 「(引用者注:「幸福な食卓」とは)青春の「未来と希望」を仰ぐか、「傷みと再生」を見つけるかというテーマには大きな差異があり、そこから生まれるそれぞれの魅力は、どちらか一作に軍配を上げることができないほど拮抗しておりました。」「(引用者注:受賞二作は)合わせ読むとなおいっそう、「小説」というものの豊饒さを体感させてくれる二作で、その意味でも並び立つ受賞にふさわしいと感じています。」
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他の候補作
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』
石黒耀 『震災列島』
井上荒野 『だりや荘』
雫井脩介 『犯人に告ぐ』
永井するみ 『ソナタの夜』
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瀬尾まいこ『幸福な食卓』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 6 「小説的に難易度の低い作品ながらその出来栄えは「完璧」と言ってもよい。日常の素材に甘んずることなく、力を信じて冒険をしていただきたいと思う。」
伊集院静 全候補 13 「推した。一行目からたしかな手ごたえを感じた。」「感嘆符がついたり、声高なものはいっさいないのだが、読み終えた後に私の身体に瀬尾さんの骨の重みのようなものが確実に残った。この重みは何だろうか。私は作家の芯、覚悟ではないかと思った。」
大沢在昌 全候補 7 「どこか危うげな人間ばかりが登場するのに、なぜか読んだ者の胸をあたたかくする。これは才能という他はないだろう。」
高橋克彦 全候補 16 「本当に思いがけない結末には仰天した。」「だが、なにを捨てて、なにを貫かなければならないか瀬尾さんは分かっている。強靭な物書きとしての志を感じた。大成する人に違いない。」
宮部みゆき 全候補 11 「(引用者注:「夜のピクニック」とは)青春の「未来と希望」を仰ぐか、「傷みと再生」を見つけるかというテーマには大きな差異があり、そこから生まれるそれぞれの魅力は、どちらか一作に軍配を上げることができないほど拮抗しておりました。」「(引用者注:受賞二作は)合わせ読むとなおいっそう、「小説」というものの豊饒さを体感させてくれる二作で、その意味でも並び立つ受賞にふさわしいと感じています。」
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他の候補作
恩田陸 『夜のピクニック』
石黒耀 『震災列島』
井上荒野 『だりや荘』
雫井脩介 『犯人に告ぐ』
永井するみ 『ソナタの夜』
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石黒耀『震災列島』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 4 「社会を巨視せずに一部分のドラマを精密に描けば、傑作たりえたであろうと惜しまれてならない。」
伊集院静 全候補 0  
大沢在昌 全候補 4 「科学的データの処理とドタバタの融合は難しい。試みは壮大だが、作者の腕力が追いつかず、最後まで水と油のままだった。」
高橋克彦 全候補 0  
宮部みゆき 全候補 0  
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他の候補作
恩田陸 『夜のピクニック』
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』
井上荒野 『だりや荘』
雫井脩介 『犯人に告ぐ』
永井するみ 『ソナタの夜』
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井上荒野『だりや荘』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 3 「余人を以てかえがたいテクニックを随所に感じたが、全体に平坦で躍動感に欠ける憾みがあった。」
伊集院静 全候補 3 「きらりと光る才能(引用者中略)が印象的だった。」
大沢在昌 全候補 6 「軽いのにトゲがある。これも作者の資質だ。ただ、初めて男女がことに及ぶとき、女性の意志はそこにあっても男性の意志はないような、妙な居心地の悪さを感じた。」
高橋克彦 全候補 0  
宮部みゆき 全候補 0  
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他の候補作
恩田陸 『夜のピクニック』
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』
石黒耀 『震災列島』
雫井脩介 『犯人に告ぐ』
永井するみ 『ソナタの夜』
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雫井脩介『犯人に告ぐ』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 5 「堅実さも小説家の美徳であると言いたい。前半の鋭利さとダイナミズムが後半で失速した感があり、強く推すことはできなかった。」
伊集院静 全候補 0  
大沢在昌 全候補 4 「惜しいところだった。受賞二作の評価がとび抜けたため、得票的には次点であった。しかしすぐれた警察小説である。」
高橋克彦 全候補 0  
宮部みゆき 全候補 15 「残念ながら次点に終わった『犯人に告ぐ』には、さまざまな点で作者の勇気を感じました。」「賞讃すべき点は多々ありました。本来、もっと受賞作に肉薄して健闘することができたはずなのに、そこに届かなかったのは、強く推しつつも、劇場型捜査という画期的なギミックを活かし切れなかったのではないかという指摘に、弱気になってしまった私の責任です。」
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他の候補作
恩田陸 『夜のピクニック』
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』
石黒耀 『震災列島』
井上荒野 『だりや荘』
永井するみ 『ソナタの夜』
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永井するみ『ソナタの夜』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 9 「劈頭に推した」「同工異曲の譏りは免れぬとしても、一貫したテーマに沿って真摯かつ執拗に書き綴った成果であると思った。」「作者は伝統的私小説の光明たるかもしれぬと信じて強く推したが、他の賛同を得られずに残念であった。」
伊集院静 全候補 3 「淡い独特の世界が印象的だった。」
大沢在昌 全候補 4 「どの作品ものぞき穴を通して語られているようなもどかしさを感じた。作者の視点がヒロインの外にまで広がっていないからではないか。」
高橋克彦 全候補 0  
宮部みゆき 全候補 0  
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他の候補作
恩田陸 『夜のピクニック』
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』
石黒耀 『震災列島』
井上荒野 『だりや荘』
雫井脩介 『犯人に告ぐ』
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