直木賞のすべて
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第21回

吉川英治文学新人賞

=受賞者=
宇江佐真理

=候補者=
奥田英朗
貴志祐介
京極夏彦
火坂雅志
福井晴敏
諸田玲子


吉川英治文学新人賞-選評の概要
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 平成11年/1999年度
 (平成12年/2000年3月6日決定発表)
選考委員  浅田次郎 阿刀田高 伊集院静 北方謙三 高橋克彦 林真理子
選評総行数  31 32 32 30 29 29
評言 評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
宇江佐真理 『深川恋物語』 評言 14 17 10 8 19 17
奥田英朗 『最悪』 評言 5 3 4 5 0 12
貴志祐介 『青の炎』 評言 5 2 0 0 0 0
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』 評言 5 2 8 6 0 0
火坂雅志 『全宗』 評言 2 2 0 0 0 0
福井晴敏 『亡国のイージス』 評言 5 3 5 4 0 0
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』 評言 6 9 9 7 7 0
           
見方・注意点

このページの選評出典:『群像』平成12年/2000年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員浅田次郎×各候補作  見方・注意点
凝縮と拡散 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
宇江佐真理 全委員 14 「図抜けていると思い、この一本を推すつもりで選考会に臨んだ。」「テーマの拡散とストーリーの肥大が特徴的な昨今の小説の中にあって、すべての点において凝縮され選択を重ねられたこの作品集は、まさに王道を行く感がある。」「巻末「狐拳」の最終部分五行において、難なく視点変換をなしうるあたり、他の候補作の追随を許さぬ力量は歴然たるものがあった。」
奥田英朗 全委員 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
貴志祐介 全委員 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
京極夏彦 全委員 5 「過去の作品のサイドストーリーである以上、この一巻で受賞となれば著者御本人も不本意であろう。」
火坂雅志 全委員 2 「小説が資料に押し潰されている感があった。」
福井晴敏 全委員 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
諸田玲子 全委員 6 「佳作であるが、ミステリー性と心中譚がうまく融合していないという致命的な欠点があった。少くとも男女の内なるモラルにまつわる苦悩やその崩壊の過程を描かなければ、心中物としては成立しない。」
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他の選考委員
阿刀田高
伊集院静
北方謙三
高橋克彦
林真理子
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選考委員阿刀田高×各候補作  見方・注意点
おめでとう 総行数32 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
宇江佐真理 全委員 17 「とりわけ(引用者注:収録作の)「さびしい水音」がすばらしい。」「正直なところ、――一皮むけましたね――と感じ、心からお祝いを申しあげたい。」「これまでの宇江佐さんには、確かに江戸気配を描くのは巧みだが、ストーリィにおいて、無理に作ったり、作り方に甘さがあったり、おもしろさが乏しかったりする傾向がなきにしもあらず。それが払拭された。」
奥田英朗 全委員 3 「それぞれの人物が生きて、立っている。文章も闊達で、読みやすい。ただストーリィの展開に難がある。」
貴志祐介 全委員 2 「長短なかばする、という印象を持った。」
京極夏彦 全委員 2 「長短なかばする、という印象を持った。」
火坂雅志 全委員 2 「長短なかばする、という印象を持った。」
福井晴敏 全委員 3 「もう少し整理され、訴えるものを確かにして書くべきではあるまいか。」
諸田玲子 全委員 9 「ヒロインの情念もさることながら小説としての情念を、激しい迫力を感じた。」「それだけでも新人賞に値すると考えたが、瑕瑾は多い。ミステリーとして読むにはたあいないし、心中物として読むには花がない。」「それでもなお魅力を湛えた不思議な作品だ。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
北方謙三
高橋克彦
林真理子
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選考委員伊集院静×各候補作  見方・注意点
さらに期待する 総行数32 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
宇江佐真理 全委員 10 「特に(引用者注:収録作の)「仙台坂」を好感を持って読んだ。この一編で受賞があっても、異議はなかった。」「以前の作品より、よく読めたのは作者の時間の積み重ねが実を結んだのだろう。不器用な人物が上手く描けるのは、この人の強みであるから大切に育ててもらいたい。」
奥田英朗 全委員 4 「作者の描写力は候補中、抜きん出ていた。描写は小説の、核と私は思う。それにしたたかなユーモアもある。」
貴志祐介 全委員 0  
京極夏彦 全委員 8 「今回の選考では京極夏彦氏を推した。新しいジャンルを背負ってあらわれた作家は新しい読者を開拓する。新しい力がそこにあるからだ。」「選考は候補作に評価がむくが、実績で作家を見ることは必要だ。文学賞にも季節があろう。」
火坂雅志 全委員 0  
福井晴敏 全委員 5 「骨太で、作者の骨格に魅せられた。憂国のテーマの曖昧さが指摘されたが、私は違う読み方をした。男たちのつながりをさらに濃密にしたものを読みたいと思った。」
諸田玲子 全委員 9 「興味深く読んだ。作品中の、人と人の距離をよく描いてある。めらめらとした炎のようなものが、その距離間によって振幅が出ていた。」「あとは心中のテーマゆえにあでやかさが欲しかった。」
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他の選考委員
浅田次郎
阿刀田高
北方謙三
高橋克彦
林真理子
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選考委員北方謙三×各候補作  見方・注意点
短篇小説の魅力 総行数30 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
宇江佐真理 全委員 8 「端正な、完成度の高い短篇集だった。前回の候補作と較べると、格段に上達していて、この作家が自分の世界を見つけたのだ、とはっきり感じさせる力があった。やや表層的な情念に滑りがちなところもあるが、読後感はいい。」「受賞作とするのに、まったく異存はなかった。」
奥田英朗 全委員 5 「描写力が抜群である。特に、中小企業の社長の描き方が精緻でリアリティがあり、小説の軸をそこに据えられなかったのだろうか、と思った。後半が、どうしても小説として弱かったのである。」
貴志祐介 全委員 0  
京極夏彦 全委員 6 「才気の人である。ただ、ひらめきのある短篇集だったが、その才気が充分に生きているとは言い難かった。」「この作品で候補というのは、いささか気の毒だと思わずにはいられなかった。」
火坂雅志 全委員 0  
福井晴敏 全委員 4 「押してくる力は充分である。良質のエンターテインメントとして愉しめた。結末がややセンチメンタルだが、それも私には快いものであった。」
諸田玲子 全委員 7 「私は候補作を、制約のある男女の恋愛小説として読んだが、そこに物語のダイナミズムを持ちこんでいて、今後の可能性は大きいと感じた。ミステリーとしては欠点が多く、そのあたりの緻密さが課題となるが、期待すること大である。」
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他の選考委員
浅田次郎
阿刀田高
伊集院静
高橋克彦
林真理子
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選考委員高橋克彦×各候補作  見方・注意点
ひさしぶりに得た才能 総行数29 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
宇江佐真理 全委員 19 「読みながら「なんとまぁ上手い人なんだろう」と何度となく感心させられては、一つの話が終わるごと、しばらく頁を繰る手を休めて余韻に浸ったりした。若い時分に涙して読み耽った山本周五郎の趣がある。」「私としてはなんとしてでもこの作品を授賞に繋げたく、他の作品にはあえて辛い点数をつけて選考会に臨んだ。」
奥田英朗 全委員 0  
貴志祐介 全委員 0  
京極夏彦 全委員 0  
火坂雅志 全委員 0  
福井晴敏 全委員 0  
諸田玲子 全委員 7 「(引用者注:「深川恋物語」と)おなじ江戸ものという意味では一番に諸田玲子さんが割を食うこととなった。どうしても、どちらか、という判断を強いられる。こういう賞には運不運がつきものだ。」
  「候補に選ばれている七人」「私にすればはじめての吉川英治文学新人賞の選考であったが、レベルが拮抗してすこぶる刺激的だった。日本の小説界には凄い才能が集っている。」
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他の選考委員
浅田次郎
阿刀田高
伊集院静
北方謙三
林真理子
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選考委員林真理子×各候補作  見方・注意点
選評 総行数29 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
宇江佐真理 全委員 17 「宇江佐さんの世界が、いよいよくっきりと立ってきて、しかも安定してきたような気がする。」「時代小説というのが、現在やや地味な分野になってしまっているというのは否めないが、日本人にとって大切な心の財産である。そこにこうした才能ある方が現れるというのは、とても嬉しいことだ。」
奥田英朗 全委員 12 「今回私が大きく評価したのは、奥田英朗さんの『最悪』である。とにかく面白い。」「どうぞ、こうした善良な人間に不幸が襲いかからないようにと祈るような気持ちにさせる技はすごい。」「あまりにもマニアックなミステリーが増える中、いい意味での俗っぽさと読者へのサービスがある作品である。」
貴志祐介 全委員 0  
京極夏彦 全委員 0  
火坂雅志 全委員 0  
福井晴敏 全委員 0  
諸田玲子 全委員 0  
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他の選考委員
浅田次郎
阿刀田高
伊集院静
北方謙三
高橋克彦
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宇江佐真理『深川恋物語』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 14 「図抜けていると思い、この一本を推すつもりで選考会に臨んだ。」「テーマの拡散とストーリーの肥大が特徴的な昨今の小説の中にあって、すべての点において凝縮され選択を重ねられたこの作品集は、まさに王道を行く感がある。」「巻末「狐拳」の最終部分五行において、難なく視点変換をなしうるあたり、他の候補作の追随を許さぬ力量は歴然たるものがあった。」
阿刀田高 全候補 17 「とりわけ(引用者注:収録作の)「さびしい水音」がすばらしい。」「正直なところ、――一皮むけましたね――と感じ、心からお祝いを申しあげたい。」「これまでの宇江佐さんには、確かに江戸気配を描くのは巧みだが、ストーリィにおいて、無理に作ったり、作り方に甘さがあったり、おもしろさが乏しかったりする傾向がなきにしもあらず。それが払拭された。」
伊集院静 全候補 10 「特に(引用者注:収録作の)「仙台坂」を好感を持って読んだ。この一編で受賞があっても、異議はなかった。」「以前の作品より、よく読めたのは作者の時間の積み重ねが実を結んだのだろう。不器用な人物が上手く描けるのは、この人の強みであるから大切に育ててもらいたい。」
北方謙三 全候補 8 「端正な、完成度の高い短篇集だった。前回の候補作と較べると、格段に上達していて、この作家が自分の世界を見つけたのだ、とはっきり感じさせる力があった。やや表層的な情念に滑りがちなところもあるが、読後感はいい。」「受賞作とするのに、まったく異存はなかった。」
高橋克彦 全候補 19 「読みながら「なんとまぁ上手い人なんだろう」と何度となく感心させられては、一つの話が終わるごと、しばらく頁を繰る手を休めて余韻に浸ったりした。若い時分に涙して読み耽った山本周五郎の趣がある。」「私としてはなんとしてでもこの作品を授賞に繋げたく、他の作品にはあえて辛い点数をつけて選考会に臨んだ。」
林真理子 全候補 17 「宇江佐さんの世界が、いよいよくっきりと立ってきて、しかも安定してきたような気がする。」「時代小説というのが、現在やや地味な分野になってしまっているというのは否めないが、日本人にとって大切な心の財産である。そこにこうした才能ある方が現れるというのは、とても嬉しいことだ。」
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他の候補作
奥田英朗 『最悪』
貴志祐介 『青の炎』
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』
火坂雅志 『全宗』
福井晴敏 『亡国のイージス』
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』
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奥田英朗『最悪』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
阿刀田高 全候補 3 「それぞれの人物が生きて、立っている。文章も闊達で、読みやすい。ただストーリィの展開に難がある。」
伊集院静 全候補 4 「作者の描写力は候補中、抜きん出ていた。描写は小説の、核と私は思う。それにしたたかなユーモアもある。」
北方謙三 全候補 5 「描写力が抜群である。特に、中小企業の社長の描き方が精緻でリアリティがあり、小説の軸をそこに据えられなかったのだろうか、と思った。後半が、どうしても小説として弱かったのである。」
高橋克彦 全候補 0  
林真理子 全候補 12 「今回私が大きく評価したのは、奥田英朗さんの『最悪』である。とにかく面白い。」「どうぞ、こうした善良な人間に不幸が襲いかからないようにと祈るような気持ちにさせる技はすごい。」「あまりにもマニアックなミステリーが増える中、いい意味での俗っぽさと読者へのサービスがある作品である。」
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他の候補作
宇江佐真理 『深川恋物語』
貴志祐介 『青の炎』
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』
火坂雅志 『全宗』
福井晴敏 『亡国のイージス』
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』
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貴志祐介『青の炎』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
阿刀田高 全候補 2 「長短なかばする、という印象を持った。」
伊集院静 全候補 0  
北方謙三 全候補 0  
高橋克彦 全候補 0  
林真理子 全候補 0  
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他の候補作
宇江佐真理 『深川恋物語』
奥田英朗 『最悪』
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』
火坂雅志 『全宗』
福井晴敏 『亡国のイージス』
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』
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京極夏彦『百鬼夜行―陰』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 5 「過去の作品のサイドストーリーである以上、この一巻で受賞となれば著者御本人も不本意であろう。」
阿刀田高 全候補 2 「長短なかばする、という印象を持った。」
伊集院静 全候補 8 「今回の選考では京極夏彦氏を推した。新しいジャンルを背負ってあらわれた作家は新しい読者を開拓する。新しい力がそこにあるからだ。」「選考は候補作に評価がむくが、実績で作家を見ることは必要だ。文学賞にも季節があろう。」
北方謙三 全候補 6 「才気の人である。ただ、ひらめきのある短篇集だったが、その才気が充分に生きているとは言い難かった。」「この作品で候補というのは、いささか気の毒だと思わずにはいられなかった。」
高橋克彦 全候補 0  
林真理子 全候補 0  
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他の候補作
宇江佐真理 『深川恋物語』
奥田英朗 『最悪』
貴志祐介 『青の炎』
火坂雅志 『全宗』
福井晴敏 『亡国のイージス』
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』
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火坂雅志『全宗』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 2 「小説が資料に押し潰されている感があった。」
阿刀田高 全候補 2 「長短なかばする、という印象を持った。」
伊集院静 全候補 0  
北方謙三 全候補 0  
高橋克彦 全候補 0  
林真理子 全候補 0  
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他の候補作
宇江佐真理 『深川恋物語』
奥田英朗 『最悪』
貴志祐介 『青の炎』
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』
福井晴敏 『亡国のイージス』
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』
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福井晴敏『亡国のイージス』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
阿刀田高 全候補 3 「もう少し整理され、訴えるものを確かにして書くべきではあるまいか。」
伊集院静 全候補 5 「骨太で、作者の骨格に魅せられた。憂国のテーマの曖昧さが指摘されたが、私は違う読み方をした。男たちのつながりをさらに濃密にしたものを読みたいと思った。」
北方謙三 全候補 4 「押してくる力は充分である。良質のエンターテインメントとして愉しめた。結末がややセンチメンタルだが、それも私には快いものであった。」
高橋克彦 全候補 0  
林真理子 全候補 0  
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他の候補作
宇江佐真理 『深川恋物語』
奥田英朗 『最悪』
貴志祐介 『青の炎』
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』
火坂雅志 『全宗』
諸田玲子 『誰そ彼れ心中』
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諸田玲子『誰そ彼れ心中』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 全候補 6 「佳作であるが、ミステリー性と心中譚がうまく融合していないという致命的な欠点があった。少くとも男女の内なるモラルにまつわる苦悩やその崩壊の過程を描かなければ、心中物としては成立しない。」
阿刀田高 全候補 9 「ヒロインの情念もさることながら小説としての情念を、激しい迫力を感じた。」「それだけでも新人賞に値すると考えたが、瑕瑾は多い。ミステリーとして読むにはたあいないし、心中物として読むには花がない。」「それでもなお魅力を湛えた不思議な作品だ。」
伊集院静 全候補 9 「興味深く読んだ。作品中の、人と人の距離をよく描いてある。めらめらとした炎のようなものが、その距離間によって振幅が出ていた。」「あとは心中のテーマゆえにあでやかさが欲しかった。」
北方謙三 全候補 7 「私は候補作を、制約のある男女の恋愛小説として読んだが、そこに物語のダイナミズムを持ちこんでいて、今後の可能性は大きいと感じた。ミステリーとしては欠点が多く、そのあたりの緻密さが課題となるが、期待すること大である。」
高橋克彦 全候補 7 「(引用者注:「深川恋物語」と)おなじ江戸ものという意味では一番に諸田玲子さんが割を食うこととなった。どうしても、どちらか、という判断を強いられる。こういう賞には運不運がつきものだ。」
林真理子 全候補 0  
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他の候補作
宇江佐真理 『深川恋物語』
奥田英朗 『最悪』
貴志祐介 『青の炎』
京極夏彦 『百鬼夜行―陰』
火坂雅志 『全宗』
福井晴敏 『亡国のイージス』
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