直木賞のすべて
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第2回

吉川英治文学新人賞

=受賞者=
栗本 薫
南原幹雄

=候補者=
赤江 瀑
赤川次郎
泡坂妻夫
高杉 良
山田正紀


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Last Update[H20]2008/1/5

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 昭和55年/1980年度
 (昭和56年/1981年3月16日決定発表)
選考委員  井上ひさし 尾崎秀樹 佐野洋 野坂昭如 半村良
選評総行数  27 29 28 31 32
評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
栗本薫 『絃の聖域』 評言 12 19 14 8 17
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』 評言 11 12 0 6 15
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』 評言 0 0 0 7 0
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』 評言 0 0 8 0 0
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』 評言 4 8 7 6 0
高杉良 『大逆転!』 評言 0 0 0 4 0
山田正紀 『ツングース特命隊』 評言 0 0 0 4 0
         
見方・注意点

このページの選評出典:『群像』昭和56年/1981年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員井上ひさし×各候補作  見方・注意点
選評 総行数27 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
栗本薫 全委員 12 「最後まで平板だった。厚く塗れば塗るほどすべてが空回りする。だが、最後の最後に至って、にわかに惹きつけられた。作者の才能が、探偵と真犯人との形而上的対決に、一気に集結する。」「もじりの器用さにおいても決して凡手ではないが、しかし書きたいとおもうことを必死に書いた個所が光を放つ。」
南原幹雄 全委員 11 「作者の勉強ぶりには舌をまく。」「そのことには敬意は惜しまないが、小説技術には不満を抱いた。」「ただ、これらは作者の小説への情熱とおのが職業への創意工夫で、ほとんどあらためられるときがくるにちがいない、それもごく近い時期に。」「きっと「化けて」いただきたい。」
赤江瀑 全委員 0  
赤川次郎 全委員 0  
泡坂妻夫 全委員 4 「極端な人工性に好意をもった。これは大逆転の連続する『レベッカ』だが、惜しくも、前半ではとくに、ヒロインの心理の描写が放擲されすぎた。」
高杉良 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
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他の選考委員
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員尾崎秀樹×各候補作  見方・注意点
新人らしい意欲 総行数29 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
栗本薫 全委員 19 「私は最終的に(引用者中略・注:「花嫁のさけび」「絃の聖域」「闇と影の百年戦争」の)三篇の中から選びたいと考えた。」「栗本薫はその才筆と可能性に期待することになる。」「横溝正史の味を意識的にとり入れたところにひとつのポイントが感じられた。」
南原幹雄 全委員 12 「私は最終的に(引用者中略・注:「花嫁のさけび」「絃の聖域」「闇と影の百年戦争」の)三篇の中から選びたいと考えた。」「伝奇性にも富んでおり、その新人らしい意欲を評価したいと思った。」
赤江瀑 全委員 0  
赤川次郎 全委員 0  
泡坂妻夫 全委員 8 「私は最終的に(引用者中略・注:「花嫁のさけび」「絃の聖域」「闇と影の百年戦争」の)三篇の中から選びたいと考えた。」「泡坂の場合はつくられた魅力とひたむきさを買いたかった」
高杉良 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
  「吉川英治文学新人賞の選考の基準には、エンターテインメントとしてのおもしろさと、新人らしい意欲をおきたいと考えてきた。」
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他の選考委員
井上ひさし
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員佐野洋×各候補作  見方・注意点
推理小説三篇について 総行数28 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
栗本薫 全委員 14 「この賞が推理小説のみを対象にするものであったなら、私は、賞を贈ることに絶対反対という立場をとったであろう。」「将来性という面では、栗本氏に疑問を挟む余地はないし、他の委員の強力な推挙もあったので賛成にまわった。しかし、私は、栗本氏がなんでも器用にこなしてしまうことに不安を持っている。」
南原幹雄 全委員 0  
赤江瀑 全委員 0  
赤川次郎 全委員 8 「推理小説としてのあらが目立ち過ぎる。そして、それは設定自身に無理があるため、と思われてならない。赤川氏も当然それに気づいておられるだろうが……。」
泡坂妻夫 全委員 7 「作者が一つの難題に挑戦した、という意味でその意欲は評価したい。しかし、読み終って、アンフェアーだという感じは拭い去ることができず、結局は失敗作だったのではないか。」
高杉良 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
  「候補作七篇中推理小説が三篇あった。(引用者中略)三篇とも強力に推す気にはなれなかった。」
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
野坂昭如
半村良
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選考委員野坂昭如×各候補作  見方・注意点
選評 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
栗本薫 全委員 8 「すでにしてケレンが芸になっている。」「邦楽の世界のかもし出す、化性というか業といえばいいか、糸のみちびく妖かしの世界に、作者は、本気でのめりこんでいる、その迫力がこの作品の花、総浚えの楽屋の描写、商売人のしゃべりっぷり、まことに上手。」
南原幹雄 全委員 6 「結末がいかにも間に合わせ、せめて一人の興味ある人物を創り出していればと、注文は多いけれども、時代小説払底の折しも、この腰のすえ方を買う。」
赤江瀑 全委員 7 「作者は袋小路に入りこんでいる、絢爛豪奢とは似て非なる空疎退化の美文まがい、もってまわったいいまわし、いわくありげなこしらえ、麻雀劇画ではないか。」
赤川次郎 全委員 0  
泡坂妻夫 全委員 6 「いかにトリック重視といっても、いくらかは人間らしいふるまい、会話がなけりゃ、小説にもお話にも無理。」「ぼくは泡坂氏の愛読者だが、この作品はいただけぬ。」
高杉良 全委員 4 「ちっとも逆転していない、水の低きにつく如く、事態は元の鞘に戻ったとしか読みとれないのは、こっちの知識不足だろうか、人物が類型に流れている。」
山田正紀 全委員 4 「出だし順調、中ほど快調、後半に至って乱調ならいいのだが、落丁といった感じ、のめりこませてくれなきゃSFほどつまらぬ小説もない。」
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
半村良
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選考委員半村良×各候補作  見方・注意点
選評 総行数32 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
栗本薫 全委員 17 「もちろん面白い小説で受賞に異議はないのだが、選考会の席で私ははじめ少し反対した。」「ちょっと姿勢に不自然なところを感じたからだ。なつかしい探偵小説時代の雰囲気を再現させてやろうというサービス精神は判るのだが、栗本さんの才気とそれがからみ合ってうわついた感じが出てしまっている。」
南原幹雄 全委員 15 「まず材料がいい。」「欲を言えばこの三倍くらいの長さに仕立ててれば、波瀾万丈の時代小説で、しかも経済小説の分野にまたがる新しいひろがりが確実にひらけたことだろう。いずれにせよ、面白い小説だった。」
赤江瀑 全委員 0  
赤川次郎 全委員 0  
泡坂妻夫 全委員 0  
高杉良 全委員 0  
山田正紀 全委員 0  
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
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栗本薫『絃の聖域』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 12 「最後まで平板だった。厚く塗れば塗るほどすべてが空回りする。だが、最後の最後に至って、にわかに惹きつけられた。作者の才能が、探偵と真犯人との形而上的対決に、一気に集結する。」「もじりの器用さにおいても決して凡手ではないが、しかし書きたいとおもうことを必死に書いた個所が光を放つ。」
尾崎秀樹 全候補 19 「私は最終的に(引用者中略・注:「花嫁のさけび」「絃の聖域」「闇と影の百年戦争」の)三篇の中から選びたいと考えた。」「栗本薫はその才筆と可能性に期待することになる。」「横溝正史の味を意識的にとり入れたところにひとつのポイントが感じられた。」
佐野洋 全候補 14 「この賞が推理小説のみを対象にするものであったなら、私は、賞を贈ることに絶対反対という立場をとったであろう。」「将来性という面では、栗本氏に疑問を挟む余地はないし、他の委員の強力な推挙もあったので賛成にまわった。しかし、私は、栗本氏がなんでも器用にこなしてしまうことに不安を持っている。」
野坂昭如 全候補 8 「すでにしてケレンが芸になっている。」「邦楽の世界のかもし出す、化性というか業といえばいいか、糸のみちびく妖かしの世界に、作者は、本気でのめりこんでいる、その迫力がこの作品の花、総浚えの楽屋の描写、商売人のしゃべりっぷり、まことに上手。」
半村良 全候補 17 「もちろん面白い小説で受賞に異議はないのだが、選考会の席で私ははじめ少し反対した。」「ちょっと姿勢に不自然なところを感じたからだ。なつかしい探偵小説時代の雰囲気を再現させてやろうというサービス精神は判るのだが、栗本さんの才気とそれがからみ合ってうわついた感じが出てしまっている。」
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他の候補作
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』
高杉良 『大逆転!』
山田正紀 『ツングース特命隊』
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南原幹雄『闇と影の百年戦争』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 11 「作者の勉強ぶりには舌をまく。」「そのことには敬意は惜しまないが、小説技術には不満を抱いた。」「ただ、これらは作者の小説への情熱とおのが職業への創意工夫で、ほとんどあらためられるときがくるにちがいない、それもごく近い時期に。」「きっと「化けて」いただきたい。」
尾崎秀樹 全候補 12 「私は最終的に(引用者中略・注:「花嫁のさけび」「絃の聖域」「闇と影の百年戦争」の)三篇の中から選びたいと考えた。」「伝奇性にも富んでおり、その新人らしい意欲を評価したいと思った。」
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 6 「結末がいかにも間に合わせ、せめて一人の興味ある人物を創り出していればと、注文は多いけれども、時代小説払底の折しも、この腰のすえ方を買う。」
半村良 全候補 15 「まず材料がいい。」「欲を言えばこの三倍くらいの長さに仕立ててれば、波瀾万丈の時代小説で、しかも経済小説の分野にまたがる新しいひろがりが確実にひらけたことだろう。いずれにせよ、面白い小説だった。」
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他の候補作
栗本薫 『絃の聖域』
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』
高杉良 『大逆転!』
山田正紀 『ツングース特命隊』
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赤江瀑『アンダルシア幻花祭』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 0  
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 7 「作者は袋小路に入りこんでいる、絢爛豪奢とは似て非なる空疎退化の美文まがい、もってまわったいいまわし、いわくありげなこしらえ、麻雀劇画ではないか。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
栗本薫 『絃の聖域』
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』
高杉良 『大逆転!』
山田正紀 『ツングース特命隊』
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赤川次郎『三毛猫ホームズの怪談』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 0  
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 8 「推理小説としてのあらが目立ち過ぎる。そして、それは設定自身に無理があるため、と思われてならない。赤川氏も当然それに気づいておられるだろうが……。」
野坂昭如 全候補 0  
半村良 全候補 0  
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他の候補作
栗本薫 『絃の聖域』
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』
高杉良 『大逆転!』
山田正紀 『ツングース特命隊』
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泡坂妻夫『花嫁のさけび』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 4 「極端な人工性に好意をもった。これは大逆転の連続する『レベッカ』だが、惜しくも、前半ではとくに、ヒロインの心理の描写が放擲されすぎた。」
尾崎秀樹 全候補 8 「私は最終的に(引用者中略・注:「花嫁のさけび」「絃の聖域」「闇と影の百年戦争」の)三篇の中から選びたいと考えた。」「泡坂の場合はつくられた魅力とひたむきさを買いたかった」
佐野洋 全候補 7 「作者が一つの難題に挑戦した、という意味でその意欲は評価したい。しかし、読み終って、アンフェアーだという感じは拭い去ることができず、結局は失敗作だったのではないか。」
野坂昭如 全候補 6 「いかにトリック重視といっても、いくらかは人間らしいふるまい、会話がなけりゃ、小説にもお話にも無理。」「ぼくは泡坂氏の愛読者だが、この作品はいただけぬ。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
栗本薫 『絃の聖域』
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』
高杉良 『大逆転!』
山田正紀 『ツングース特命隊』
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高杉良『大逆転!』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 0  
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 4 「ちっとも逆転していない、水の低きにつく如く、事態は元の鞘に戻ったとしか読みとれないのは、こっちの知識不足だろうか、人物が類型に流れている。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
栗本薫 『絃の聖域』
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』
山田正紀 『ツングース特命隊』
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山田正紀『ツングース特命隊』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 全候補 0  
尾崎秀樹 全候補 0  
佐野洋 全候補 0  
野坂昭如 全候補 4 「出だし順調、中ほど快調、後半に至って乱調ならいいのだが、落丁といった感じ、のめりこませてくれなきゃSFほどつまらぬ小説もない。」
半村良 全候補 0  
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他の候補作
栗本薫 『絃の聖域』
南原幹雄 『闇と影の百年戦争』
赤江瀑 『アンダルシア幻花祭』
赤川次郎 『三毛猫ホームズの怪談』
泡坂妻夫 『花嫁のさけび』
高杉良 『大逆転!』
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