直木賞のすべて
直木賞のすべて

第77回

=候補者=
谷 恒生
青山光二
井口恵之
色川武大
西村寿行
松代達生
平田 敬
楢山芙二夫


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 昭和52年/1977年上半期
 (昭和52年/1977年7月14日決定発表/『オール讀物』昭和52年/1977年10月号選評掲載)
選考委員  水上勉 今日出海 松本清張 司馬遼太郎 源氏鶏太 村上元三 石坂洋次郎 柴田錬三郎 川口松太郎
選評総行数  63 45 56 66 55 52 47 55 38
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
谷恒生 『喜望峰』 評言 0 0 0 0 5 9 0 8 10
青山光二 「竹生島心中」 評言 13 16 5 0 10 6 4 3 10
井口恵之 「つゆ」 評言 26 18 12 0 7 4 4 6 10
色川武大 『怪しい来客簿』 評言 39 0 18 0 21 8 0 7 10
西村寿行 「魔笛が聴こえる」 評言 0 0 12 0 4 4 0 9 10
松代達生 「飛べない天使」 評言 0 0 0 0 4 3 23 0 0
平田敬 『喝采の谷』 評言 0 0 0 0 4 7 0 0 0
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』 評言 0 0 6 0 5 0 0 10 0
                欠席
書面回答
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年10月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員水上勉×各候補作  見方・注意点
描写と視線の妙 総行数63 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 0  
青山光二 全委員 13 「少し前半がながすぎた。後半にきて面白くなる。誠実な筆致はわかるが、そこまでつよくひきずってゆく力がよわい。」
井口恵之 全委員 26 「簡潔な文体のなかに、よく今日の庶民の哀歓がにじみ、古いようでも新しいところが見えるのに感心していた。」「ところどころ光る描写、器用にたたきこむ手腕は、充分にこの世界なら、いくらも書ける力を感じさせた。」
色川武大 全委員 39 「身辺の何でもないことを書いても、視線の妙が光る。「墓」などまことにいい。授賞してもいい作品だと思うが、これも反対者が多く、票数で敗けた。」「この文集も、二どと書けない作者にとって大切なことが刻まれていた。」
西村寿行 全委員 0  
松代達生 全委員 0  
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 0  
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他の選考委員
今日出海
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村上元三
石坂洋次郎
柴田錬三郎
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選考委員今日出海×各候補作  見方・注意点
惜しい作品 総行数45 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 0  
青山光二 全委員 16 「作家修業の長い青山光二氏の作品などは今回の候補作品では秀れていた。また作家としての腕もあり、その生活や人生観の特異性ではやはり魅力のある作家であり、作品だと思う。」
井口恵之 全委員 18 「捨て難い作品である。」「独自性はあり、私なども引かれる作品であったことは否めない。」
色川武大 全委員 0  
西村寿行 全委員 0  
松代達生 全委員 0  
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 0  
  「候補作品に優秀作がなかったとは必ずしも言えぬ。粒は揃っていたが、出来ばえがどれにも一長一短という微妙な相異があり、甲論乙駁を続けた揚句、授賞作なしという結果になったのである。」
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水上勉
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選考委員松本清張×各候補作  見方・注意点
井口氏に期待する 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 0  
青山光二 全委員 5 「これ(引用者注:「つゆ」)にくらべるとおなじ心中ものでも(引用者中略)やはり旧時代のものという感じをまぬがれ得なかった。」
井口恵之 全委員 12 「場末の小さな印刷所の状態がよくかけているし、情死の原因も借金に苦しむ男に女が同情するという乾いたもので現代風俗が出ている。」「ただ、これ一作だけで直木賞とするにはためらう。」
色川武大 全委員 18 「義務的に読ませられるという感じでなしにたのしく読んだ」「達意の文章で、身辺雑記ふうでありながら脚色も入って面白い読みものになっている。だが、あまりに断片挿話の寄せあつめ式で、連作とみるには一貫性がない。」
西村寿行 全委員 12 「前候補作よりも見劣りがする。」「プロットの無理と、パターンのマンネリ化と、文章の粗雑さと、騒々しさだけが伝わる。」「多忙という理由は、読者にむけては理由にならないのである。」
松代達生 全委員 0  
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 6 「同じ世界をつづけて書くにしても、そのたびに新鮮なおどろきを与えるものでなければなるまい。」
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選考委員司馬遼太郎×各候補作  見方・注意点
「偏私」と「公平」 総行数66 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 0  
青山光二 全委員 0  
井口恵之 全委員 0  
色川武大 全委員 0  
西村寿行 全委員 0  
松代達生 全委員 0  
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 0  
  「私はこの賞を頂いたから、恩返しのつもりで選考委員の一人をつとめてきたが、どうも自分の性格からみて、こういう仕事に適合しているとは思えない。」「自分が推さなかった作品を他の委員がつよく推した場合、そういうこともあるのかと驚いてしまい、これは今後何年も残るな、とその瞬間から思い、気持が暗くなってしまう。」「このたびは、私は最初から受賞作がないと思っていたから、個々の選評は勝手ながら省かせて頂く。」
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選考委員源氏鶏太×各候補作  見方・注意点
青山氏と色川氏 総行数55 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 5 「どの人物も類型的であることが物足りなかった。映画的な面白さに満ちていたが、それがマイナスと感じられた。」
青山光二 全委員 10 「ひたむきに書き上げた労作であり、日露戦争の頃の時代色をよく描いていて青山氏の小説づくりのたしかさが出ていた。」
井口恵之 全委員 7 「私は、二度読み返したが、授賞の水準にはやや遠いとしか思えなかった。」
色川武大 全委員 21 「いささか玉石混淆の感がないでもなかったが、薄気味悪かったり、ユーモラスであったり、かと思うと大真面目であったり、その才能を十分に感じさせた。」「ただここで作者は過去のすべてを吐き出してしまっていて、今後はどうなるかとの危惧が授賞を見送られた原因の一つになっていた。」
西村寿行 全委員 4 「その集団の狂気の描き方は見事であったが、それだけで終っていた。」
松代達生 全委員 4 「小説というよりも作文に終っていて、せっかくの材料が活かし切れなかった。」
平田敬 全委員 4 「この材料では長過ぎた。ホテルでの情事も不用でなかったろうか。」
楢山芙二夫 全委員 5 「麻薬を扱ってアメリカの現代風俗を新鮮に描いているようだが、その実感は何か貧しかった。」
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村上元三
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柴田錬三郎
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選考委員村上元三×各候補作  見方・注意点
気が重い 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 9 「主人公の稲村という一等航海士の行動は無責任で、ヒロイズムとは縁が遠い。南ア問題に引っかかって、日本船の乗組員全部が死んでしまい、女ひとり助かるというのも、どうも安っぽくて、後味もよくない。」
青山光二 全委員 6 「衛戌病院の部分が長すぎる。古い作家歴を持っている人なのに、この作者は、読みやすい文章を書くということを忘れてしまったのだろうか。」
井口恵之 全委員 4 「小品として筆力は買うが、次の作品を読ませてもらってからでいいと思う。」
色川武大 全委員 8 「随筆集だと思うし銓衡に入る前、候補から外すべきだと言ったが、これを買う委員も多く、そのまま候補になった。あとで読み返しても、わたしはこれを小説とは思えなかった。」
西村寿行 全委員 4 「極彩色の劇画を見るような感じで、それなりに面白いが、エピローグでがっかりした。」
松代達生 全委員 3 「作者の甘えには、どうしてもついて行けない。」
平田敬 全委員 7 「シロニーが谷を渡るのに成功する、とわかっていながら、ここまで読ませる筆力は認めたい。ただ、いかにも無駄を書きすぎる。」
楢山芙二夫 全委員 0  
  「こんどは、候補になった八篇の中に、これはと思う作品がなかった。」
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今日出海
松本清張
司馬遼太郎
源氏鶏太
石坂洋次郎
柴田錬三郎
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選考委員石坂洋次郎×各候補作  見方・注意点
次回を待つ 総行数47 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 0  
青山光二 全委員 4 「私はこの作品とかぎらず、心中物が好きでないので、推さなかった。」
井口恵之 全委員 4 「心中と言えば、やはり同じ出来事を扱った「つゆ」も、話題にはのぼったが、審査をパス出来なかった。」
色川武大 全委員 0  
西村寿行 全委員 0  
松代達生 全委員 23 「抜群に面白いと思ったが、会議の席上では下位の作品だということにされた。」「考え直してみると、私がこの作品にひきつけられたのは、まじめな勤人である夫は元・高校教師、堅実な主婦であるその妻はかつての教え子、健全な兄息子、不具者の二男、などという人物構成だったことによるもののようだ。」「私は大学を出てから、十三、四年間、東北地方の中等学校で教師を勤めていた。だから、理屈なしに「飛べない天使」にひきつけられたのであろう。」
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 0  
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源氏鶏太
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柴田錬三郎
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選考委員柴田錬三郎×各候補作  見方・注意点
もっと面白さを 総行数55 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 8 「アメリカ製二世のスパイ・アクション的題材(引用者中略)の方が、(引用者注:「つゆ」や「竹生島心中」よりも)面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
青山光二 全委員 3 「(引用者注:「魔笛が聴こえる」「喜望峰」「マンハッタンのバラード」の方が)「竹生島心中」(青山光二)よりも、面白かった。」
井口恵之 全委員 6 「私の読後感は、きわめてひくい点数しか、与えなかった。」
色川武大 全委員 7 「私は、おそらく、この作家が、生涯に一冊しか書けないであろう「怪しい来客簿」(色川武大)が、もし受賞するならば、敢えて反対するつもりはない、という考えで選考会に臨んだ。」
西村寿行 全委員 9 「おそろしく乱暴な、荒唐無稽なストーリイ(引用者中略)の方が、(引用者注:「つゆ」や「竹生島心中」よりも)面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
松代達生 全委員 0  
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 10 「ニューヨークの片隅でうごめく、淫売婦と麻薬とホモの黒人と浮浪の日本人青年のくりひろげる今日的風俗の方が、(引用者注:「つゆ」や「竹生島心中」よりも)面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
  「「直木賞」を与えるべき小説は、あくまでも、面白いエンターテイメントでなければならない、という気持を、このたびの候補作を読んで、ますます、深くした。」「結果は、ナシであった。当然であった、という思いがのこっている。」
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水上勉
今日出海
松本清張
司馬遼太郎
源氏鶏太
村上元三
石坂洋次郎
川口松太郎
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選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
選評 総行数38 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
谷恒生 全委員 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「欠点がありすぎる。」
青山光二 全委員 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「小説としては「竹生島心中」が首尾一貫していたが、それもやや古さが目立つ。」
井口恵之 全委員 10 「あまり重きを置かなかった二作(引用者注:「つゆ」と「怪しい来客簿」)が最後まで残ったと聞いて意外な気がした。」
色川武大 全委員 10 「あまり重きを置かなかった二作(引用者注:「つゆ」と「怪しい来客簿」)が最後まで残ったと聞いて意外な気がした。」
西村寿行 全委員 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「欠点がありすぎる。」
松代達生 全委員 0  
平田敬 全委員 0  
楢山芙二夫 全委員 0  
  「現実に私は委員中の最高年齢に達してしまった。年の哀れはもうどうしようもない。」「今や文壇最高の登龍門ともいえる直木賞の委員に長くとどまるべきではない、という気がして来たのだ。」
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他の選考委員
水上勉
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司馬遼太郎
源氏鶏太
村上元三
石坂洋次郎
柴田錬三郎
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谷恒生『喜望峰』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 5 「どの人物も類型的であることが物足りなかった。映画的な面白さに満ちていたが、それがマイナスと感じられた。」
村上元三 全候補 9 「主人公の稲村という一等航海士の行動は無責任で、ヒロイズムとは縁が遠い。南ア問題に引っかかって、日本船の乗組員全部が死んでしまい、女ひとり助かるというのも、どうも安っぽくて、後味もよくない。」
石坂洋次郎 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 8 「アメリカ製二世のスパイ・アクション的題材(引用者中略)の方が、(引用者注:「つゆ」や「竹生島心中」よりも)面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
川口松太郎 全候補 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「欠点がありすぎる。」
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他の候補作
青山光二 「竹生島心中」
井口恵之 「つゆ」
色川武大 『怪しい来客簿』
西村寿行 「魔笛が聴こえる」
松代達生 「飛べない天使」
平田敬 『喝采の谷』
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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青山光二「竹生島心中」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 13 「少し前半がながすぎた。後半にきて面白くなる。誠実な筆致はわかるが、そこまでつよくひきずってゆく力がよわい。」
今日出海 全候補 16 「作家修業の長い青山光二氏の作品などは今回の候補作品では秀れていた。また作家としての腕もあり、その生活や人生観の特異性ではやはり魅力のある作家であり、作品だと思う。」
松本清張 全候補 5 「これ(引用者注:「つゆ」)にくらべるとおなじ心中ものでも(引用者中略)やはり旧時代のものという感じをまぬがれ得なかった。」
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 10 「ひたむきに書き上げた労作であり、日露戦争の頃の時代色をよく描いていて青山氏の小説づくりのたしかさが出ていた。」
村上元三 全候補 6 「衛戌病院の部分が長すぎる。古い作家歴を持っている人なのに、この作者は、読みやすい文章を書くということを忘れてしまったのだろうか。」
石坂洋次郎 全候補 4 「私はこの作品とかぎらず、心中物が好きでないので、推さなかった。」
柴田錬三郎 全候補 3 「(引用者注:「魔笛が聴こえる」「喜望峰」「マンハッタンのバラード」の方が)「竹生島心中」(青山光二)よりも、面白かった。」
川口松太郎 全候補 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「小説としては「竹生島心中」が首尾一貫していたが、それもやや古さが目立つ。」
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他の候補作
谷恒生 『喜望峰』
井口恵之 「つゆ」
色川武大 『怪しい来客簿』
西村寿行 「魔笛が聴こえる」
松代達生 「飛べない天使」
平田敬 『喝采の谷』
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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井口恵之「つゆ」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 26 「簡潔な文体のなかに、よく今日の庶民の哀歓がにじみ、古いようでも新しいところが見えるのに感心していた。」「ところどころ光る描写、器用にたたきこむ手腕は、充分にこの世界なら、いくらも書ける力を感じさせた。」
今日出海 全候補 18 「捨て難い作品である。」「独自性はあり、私なども引かれる作品であったことは否めない。」
松本清張 全候補 12 「場末の小さな印刷所の状態がよくかけているし、情死の原因も借金に苦しむ男に女が同情するという乾いたもので現代風俗が出ている。」「ただ、これ一作だけで直木賞とするにはためらう。」
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 7 「私は、二度読み返したが、授賞の水準にはやや遠いとしか思えなかった。」
村上元三 全候補 4 「小品として筆力は買うが、次の作品を読ませてもらってからでいいと思う。」
石坂洋次郎 全候補 4 「心中と言えば、やはり同じ出来事を扱った「つゆ」も、話題にはのぼったが、審査をパス出来なかった。」
柴田錬三郎 全候補 6 「私の読後感は、きわめてひくい点数しか、与えなかった。」
川口松太郎 全候補 10 「あまり重きを置かなかった二作(引用者注:「つゆ」と「怪しい来客簿」)が最後まで残ったと聞いて意外な気がした。」
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他の候補作
谷恒生 『喜望峰』
青山光二 「竹生島心中」
色川武大 『怪しい来客簿』
西村寿行 「魔笛が聴こえる」
松代達生 「飛べない天使」
平田敬 『喝采の谷』
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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色川武大『怪しい来客簿』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 39 「身辺の何でもないことを書いても、視線の妙が光る。「墓」などまことにいい。授賞してもいい作品だと思うが、これも反対者が多く、票数で敗けた。」「この文集も、二どと書けない作者にとって大切なことが刻まれていた。」
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 18 「義務的に読ませられるという感じでなしにたのしく読んだ」「達意の文章で、身辺雑記ふうでありながら脚色も入って面白い読みものになっている。だが、あまりに断片挿話の寄せあつめ式で、連作とみるには一貫性がない。」
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 21 「いささか玉石混淆の感がないでもなかったが、薄気味悪かったり、ユーモラスであったり、かと思うと大真面目であったり、その才能を十分に感じさせた。」「ただここで作者は過去のすべてを吐き出してしまっていて、今後はどうなるかとの危惧が授賞を見送られた原因の一つになっていた。」
村上元三 全候補 8 「随筆集だと思うし銓衡に入る前、候補から外すべきだと言ったが、これを買う委員も多く、そのまま候補になった。あとで読み返しても、わたしはこれを小説とは思えなかった。」
石坂洋次郎 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 7 「私は、おそらく、この作家が、生涯に一冊しか書けないであろう「怪しい来客簿」(色川武大)が、もし受賞するならば、敢えて反対するつもりはない、という考えで選考会に臨んだ。」
川口松太郎 全候補 10 「あまり重きを置かなかった二作(引用者注:「つゆ」と「怪しい来客簿」)が最後まで残ったと聞いて意外な気がした。」
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他の候補作
谷恒生 『喜望峰』
青山光二 「竹生島心中」
井口恵之 「つゆ」
西村寿行 「魔笛が聴こえる」
松代達生 「飛べない天使」
平田敬 『喝采の谷』
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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西村寿行「魔笛が聴こえる」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 12 「前候補作よりも見劣りがする。」「プロットの無理と、パターンのマンネリ化と、文章の粗雑さと、騒々しさだけが伝わる。」「多忙という理由は、読者にむけては理由にならないのである。」
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 4 「その集団の狂気の描き方は見事であったが、それだけで終っていた。」
村上元三 全候補 4 「極彩色の劇画を見るような感じで、それなりに面白いが、エピローグでがっかりした。」
石坂洋次郎 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 9 「おそろしく乱暴な、荒唐無稽なストーリイ(引用者中略)の方が、(引用者注:「つゆ」や「竹生島心中」よりも)面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
川口松太郎 全候補 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「欠点がありすぎる。」
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他の候補作
谷恒生 『喜望峰』
青山光二 「竹生島心中」
井口恵之 「つゆ」
色川武大 『怪しい来客簿』
松代達生 「飛べない天使」
平田敬 『喝采の谷』
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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松代達生「飛べない天使」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 4 「小説というよりも作文に終っていて、せっかくの材料が活かし切れなかった。」
村上元三 全候補 3 「作者の甘えには、どうしてもついて行けない。」
石坂洋次郎 全候補 23 「抜群に面白いと思ったが、会議の席上では下位の作品だということにされた。」「考え直してみると、私がこの作品にひきつけられたのは、まじめな勤人である夫は元・高校教師、堅実な主婦であるその妻はかつての教え子、健全な兄息子、不具者の二男、などという人物構成だったことによるもののようだ。」「私は大学を出てから、十三、四年間、東北地方の中等学校で教師を勤めていた。だから、理屈なしに「飛べない天使」にひきつけられたのであろう。」
柴田錬三郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
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他の候補作
谷恒生 『喜望峰』
青山光二 「竹生島心中」
井口恵之 「つゆ」
色川武大 『怪しい来客簿』
西村寿行 「魔笛が聴こえる」
平田敬 『喝采の谷』
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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平田敬『喝采の谷』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 4 「この材料では長過ぎた。ホテルでの情事も不用でなかったろうか。」
村上元三 全候補 7 「シロニーが谷を渡るのに成功する、とわかっていながら、ここまで読ませる筆力は認めたい。ただ、いかにも無駄を書きすぎる。」
石坂洋次郎 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
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他の候補作
谷恒生 『喜望峰』
青山光二 「竹生島心中」
井口恵之 「つゆ」
色川武大 『怪しい来客簿』
西村寿行 「魔笛が聴こえる」
松代達生 「飛べない天使」
楢山芙二夫 『マンハッタンのバラード』
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楢山芙二夫『マンハッタンのバラード』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 6 「同じ世界をつづけて書くにしても、そのたびに新鮮なおどろきを与えるものでなければなるまい。」
司馬遼太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補