直木賞のすべて
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第68回

=候補者=
滝口康彦
藤沢周平
堀 勇蔵
難波利三
武田八洲満
小久保 均
太田俊夫


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 昭和47年/1972年下半期
 (昭和48年/1973年1月18日決定発表/『オール讀物』昭和48年/1973年4月号選評掲載)
選考委員  大佛次郎 源氏鶏太 石坂洋次郎 司馬遼太郎 川口松太郎 水上勉 村上元三 今日出海 柴田錬三郎 松本清張
選評総行数  74 54 51 60 40 49 51 42 52 52
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
滝口康彦 『仲秋十五日』 評言 24 35 7 16 23 36 26 6 35 15
藤沢周平 「黒い繩」 評言 0 7 4 16 0 0 7 0 0 10
堀勇蔵 「去年、国道3号線で」 評言 0 0 5 7 0 0 3 0 0 0
難波利三 「雑魚の棲む路地」 評言 26 0 6 16 0 10 5 0 0 0
武田八洲満 『信虎』 評言 0 4 3 8 0 0 6 0 0 19
小久保均 「折れた八月」 評言 0 0 3 6 0 0 0 0 0 0
太田俊夫 「暗雲」 評言 0 4 8 10 0 0 5 0 0 0
        欠席
書面回答
         
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年4月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員大佛次郎×各候補作  見方・注意点
思うままに 総行数74 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 24 「文章がよく洗い出されて、整った結晶を見るように感ぜられるものでも――私は最後まで熱心にこの作者の一群の作品に授賞を主張したのだが――形が整い過ぎて、ある弱さがあるのを否定出来なかった。しかし、このひとは自分が固めて来た道を進むより他はないようである。」
藤沢周平 全委員 0  
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 26 「同じ作者が前に露店商人の生活を書いたのが、不思議と頭に残っていた。どちらも埃っぽく、野生の人間の体臭がムンムンしていた。」「しかし直木賞の作品の場合には、あるまとまりや、筋の輪郭の線が明瞭でないと、読者の注意が散漫となる。」
武田八洲満 全委員 0  
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 0  
  「これはと、目を輝かすような新しいものがなかった。」「七十六歳で老弱で、今回限りで直木賞の委員を辞退する決心を固めた。」
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選考委員源氏鶏太×各候補作  見方・注意点
「仲秋十五日」のこと 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 35 「この作家は、二十年間同じ傾向の作品しか書いていないという説があった。それは非難に類する言葉かとも思えたが、私は、だからこそ立派だといいたかった。」「どの作品にも情感が満ちていて、よくひねりが利いていた。立派なプロで通る。」
藤沢周平 全委員 7 「私の好きな作品であったが、また、この作者は、確実に腕を上げて来ているが、欲をいえばもっと新鮮味があって貰いたかった。」
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 0  
武田八洲満 全委員 4 「案外不評であったのは、どうも力作に過ぎて読み辛いところに原因があったようだ。」
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 4 「八方破れに書いてあったのは、「暗雲」であった。その力量は買っていい。こういう分野での作品をもっと書いて貰いたい。」
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選考委員石坂洋次郎×各候補作  見方・注意点
今回はさみしかった 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 7 「支持者も多かったが、私には環境のせいで歪められた武士気質にどうしても溶けこめないものがあった。」
藤沢周平 全委員 4 「狙い所がはっきりせず、」
堀勇蔵 全委員 5 「作者が題材にもっと責任を負うべき」
難波利三 全委員 6 「いまひと息レアリティーが不足だと思った。」
武田八洲満 全委員 3 「長すぎると思った。」
小久保均 全委員 3 「軍隊生活を知らない私には興味うすく、」
太田俊夫 全委員 8 「こういうものなりに、敲いて手ごたえのある筋金が欲しかった。」
  「今回は入賞作品なしというのが、私の第一印象であった。」
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選考委員司馬遼太郎×各候補作  見方・注意点
何物かという点 総行数60 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 16 「他の候補作にくらべて文章に気品があり、技倆も堅牢である。しかしこの作品が背負っている何物かが、目をおどろかすような新鮮さがないという致命的なことで難があった。」
藤沢周平 全委員 16 「じつに達者な職業作家の作品で、その点では過不足はない。ただ厄介なことは、賞に値するためには作品に何物かがなければならないということである。」
堀勇蔵 全委員 7 「ことさら深読みすれば、どちらもなにか豊潤なものをその才質に秘めておられる気配が感じられるが、しかし作品にそれが出るにいたっていない。」
難波利三 全委員 16 「じつに達者な職業作家の作品で、その点では過不足はない。ただ厄介なことは、賞に値するためには作品に何物かがなければならないということである。」
武田八洲満 全委員 8 「おそらくご自分の「何物」かを問うてみたくて書かれた作品であろう。しかし問うがための姿勢が前面に出て、技倆がうしろへひっこみ、ひどく貧困なものになった。」
小久保均 全委員 6 「ことさら深読みすれば、どちらもなにか豊潤なものをその才質に秘めておられる気配が感じられるが、しかし作品にそれが出るにいたっていない。」
太田俊夫 全委員 10 「一巻の絵物語をみるようにめまぐるしく場面が、それも絵画的に変ってゆく。泥くさい魅力があるが、残念なことにそれだけという感じもある。」
  「席上、多少の議論もあった。もっとも甲論乙駁というような議論でなく、なんとか受賞者が出せないものかという焦りによるところの、いわば血圧の低いぼやきで、そのあげくのはて異例の無記名投票までおこなわれ、今回はなしということになった。」
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選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
出直せ 総行数40 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 23 「これだけがやや纏った短篇で、武士の生活をよく描いている。」「ただ残念な事にこの短篇集に納めた他の作品が悉くつまらない。」「この人は今後よい作品を書く下地だけ持っているが、まだ小説を組み立てる構成を知らず、良い材料を掴みながら材料流れに終っている。」
藤沢周平 全委員 0  
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 0  
武田八洲満 全委員 0  
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 0  
  「今回にしても目ぼしい作品はついになく」「大部分がもう中年の人ばかりだけに、この年でいてこの程度のものより書けぬとすると心細い。」
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選考委員水上勉×各候補作  見方・注意点
感想 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 36 「氏の簡素な文体は叙事の妙を得ており、こころにくいところがあった。すでに自分の世界、せまくてもこれを持つことは大したことではないか、と思ったりして、迷った末に授賞組にまわったのである。」
藤沢周平 全委員 0  
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 10 「この作家独自の世界で、好感がもてた。だが仕上りは前回「地虫」より落ちた、と思う。」「庶民の物哀しさはよく出ている。だが、もう一つ人物たちに類型の域を出ないところが気になる。」
武田八洲満 全委員 0  
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 0  
  「今回の候補作は低調に思えた。」
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選考委員村上元三×各候補作  見方・注意点
二転、三転したが 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 26 「「仲秋十五日」に一票を入れるべきかどうか、銓衡会場でわたしの気持は二転三転した。」「これまで同じようなテーマの作品をいくつも読んで、正直なところ、いささか倦きた。」「直木賞というのには、最後にためらいが起り、反対票を入れた。」
藤沢周平 全委員 7 「背広に丁髷を乗せたような作品で、会話にも現代語がやたらに出てくる。現代語がいけないというのではないが、不自然さを感じさせるところ、やはり作者の不用意であろう。」
堀勇蔵 全委員 3 「テレビ映画的な面白さが、途中まではあった。」
難波利三 全委員 5 「前回の「地虫」よりも劣るが、達者だし、この人はこのまま職業作家としてやって行けるだろう。」
武田八洲満 全委員 6 「構成に難がある。それぞれ人間はよく描かれているが、途中、何べんも前へ戻って読み返さないと、人間関係が雑然としてわからず、読みにくかった。」
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 5 「材料が面白いのに、書いてある事柄が、一向に立体化されていない。文章のまずさも、致命的であった。」
  「直木賞は銓衡委員すべてか、あるいはそれに近い同意を得た作品を選んだほうが、わたしたちも気持がいい。」
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選考委員今日出海×各候補作  見方・注意点
直木賞の性格 総行数42 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 6 「委員全体が最後まで討論した力作であるが、それだけの資格のある真面目な作品であることを附記して、今後の努力を期待する。」
藤沢周平 全委員 0  
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 0  
武田八洲満 全委員 0  
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 0  
  「何がなんでも去年下半期の作品から比較的いいものを選んで、必ず授賞しなければならぬということはない。」「やはり傑出していることが最大の条件である。」
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選考委員柴田錬三郎×各候補作  見方・注意点
運不運 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 35 「一頭地を抜いた秀作ならば、文句はないところであった。(引用者中略)多少過酷な云いかたをすれば、この作家は、将来、われわれを納得させるだけの仕事をするかどうか、疑問であった。将来に可能性の薄い作家を、つよく推薦する気にはなれなかった。」
藤沢周平 全委員 0  
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 0  
武田八洲満 全委員 0  
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 0  
  「今回は不作、とはいわぬまでも、辛うじて水準に達している感をまぬがれがたかった。」「印象としては、ますます、直木賞にあたいする秀作が現れ難くなった感がある。」
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選考委員松本清張×各候補作  見方・注意点
近来の低調 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 全委員 15 「内容は氏のこれまでの域を出ていない。」「「忠義道徳」と人間性との間に潰れてゆく「個」が描けていない。描いたつもりで抽象的である。」「氏に「発見」を望みたい。」
藤沢周平 全委員 10 「いわゆる好箇の短篇というべきだろうが、あまりに文章に凝りすぎてしんを弱くさせている。」「内容はこれまで他の作家によって書かれたものとあまり変ってなく、実体も弱い。山本周五郎氏の雰囲気に抵抗しなければ独自性は出ない。」
堀勇蔵 全委員 0  
難波利三 全委員 0  
武田八洲満 全委員 19 「信虎が人間的にまったく描けていない。」「子の信玄との間も、両方を体裁よくしようとしてか性格があいまいになっている。信虎・信玄とも個性が強いのだからこれでは困る。百姓の困苦も観念的な書き方だ。」
小久保均 全委員 0  
太田俊夫 全委員 0  
  「委員会に出る前に、候補作を努力なしに片端から消してゆくと「そして誰もいなくなった」結果になった。こういうのを抱えて出席するのは寂しい。」
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今日出海
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滝口康彦『仲秋十五日』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 24 「文章がよく洗い出されて、整った結晶を見るように感ぜられるものでも――私は最後まで熱心にこの作者の一群の作品に授賞を主張したのだが――形が整い過ぎて、ある弱さがあるのを否定出来なかった。しかし、このひとは自分が固めて来た道を進むより他はないようである。」
源氏鶏太 全候補 35 「この作家は、二十年間同じ傾向の作品しか書いていないという説があった。それは非難に類する言葉かとも思えたが、私は、だからこそ立派だといいたかった。」「どの作品にも情感が満ちていて、よくひねりが利いていた。立派なプロで通る。」
石坂洋次郎 全候補 7 「支持者も多かったが、私には環境のせいで歪められた武士気質にどうしても溶けこめないものがあった。」
司馬遼太郎 全候補 16 「他の候補作にくらべて文章に気品があり、技倆も堅牢である。しかしこの作品が背負っている何物かが、目をおどろかすような新鮮さがないという致命的なことで難があった。」
川口松太郎 全候補 23 「これだけがやや纏った短篇で、武士の生活をよく描いている。」「ただ残念な事にこの短篇集に納めた他の作品が悉くつまらない。」「この人は今後よい作品を書く下地だけ持っているが、まだ小説を組み立てる構成を知らず、良い材料を掴みながら材料流れに終っている。」
水上勉 全候補 36 「氏の簡素な文体は叙事の妙を得ており、こころにくいところがあった。すでに自分の世界、せまくてもこれを持つことは大したことではないか、と思ったりして、迷った末に授賞組にまわったのである。」
村上元三 全候補 26 「「仲秋十五日」に一票を入れるべきかどうか、銓衡会場でわたしの気持は二転三転した。」「これまで同じようなテーマの作品をいくつも読んで、正直なところ、いささか倦きた。」「直木賞というのには、最後にためらいが起り、反対票を入れた。」
今日出海 全候補 6 「委員全体が最後まで討論した力作であるが、それだけの資格のある真面目な作品であることを附記して、今後の努力を期待する。」
柴田錬三郎 全候補 35 「一頭地を抜いた秀作ならば、文句はないところであった。(引用者中略)多少過酷な云いかたをすれば、この作家は、将来、われわれを納得させるだけの仕事をするかどうか、疑問であった。将来に可能性の薄い作家を、つよく推薦する気にはなれなかった。」
松本清張 全候補 15 「内容は氏のこれまでの域を出ていない。」「「忠義道徳」と人間性との間に潰れてゆく「個」が描けていない。描いたつもりで抽象的である。」「氏に「発見」を望みたい。」
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他の候補作
藤沢周平 「黒い繩」
堀勇蔵 「去年、国道3号線で」
難波利三 「雑魚の棲む路地」
武田八洲満 『信虎』
小久保均 「折れた八月」
太田俊夫 「暗雲」
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藤沢周平「黒い繩」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 7 「私の好きな作品であったが、また、この作者は、確実に腕を上げて来ているが、欲をいえばもっと新鮮味があって貰いたかった。」
石坂洋次郎 全候補 4 「狙い所がはっきりせず、」
司馬遼太郎 全候補 16 「じつに達者な職業作家の作品で、その点では過不足はない。ただ厄介なことは、賞に値するためには作品に何物かがなければならないということである。」
川口松太郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
村上元三 全候補 7 「背広に丁髷を乗せたような作品で、会話にも現代語がやたらに出てくる。現代語がいけないというのではないが、不自然さを感じさせるところ、やはり作者の不用意であろう。」
今日出海 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
松本清張 全候補 10 「いわゆる好箇の短篇というべきだろうが、あまりに文章に凝りすぎてしんを弱くさせている。」「内容はこれまで他の作家によって書かれたものとあまり変ってなく、実体も弱い。山本周五郎氏の雰囲気に抵抗しなければ独自性は出ない。」
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他の候補作
滝口康彦 『仲秋十五日』
堀勇蔵 「去年、国道3号線で」
難波利三 「雑魚の棲む路地」
武田八洲満 『信虎』
小久保均 「折れた八月」
太田俊夫 「暗雲」
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堀勇蔵「去年、国道3号線で」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 0  
石坂洋次郎 全候補 5 「作者が題材にもっと責任を負うべき」
司馬遼太郎 全候補 7 「ことさら深読みすれば、どちらもなにか豊潤なものをその才質に秘めておられる気配が感じられるが、しかし作品にそれが出るにいたっていない。」
川口松太郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
村上元三 全候補 3 「テレビ映画的な面白さが、途中まではあった。」
今日出海 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
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他の候補作
滝口康彦 『仲秋十五日』
藤沢周平 「黒い繩」
難波利三 「雑魚の棲む路地」
武田八洲満 『信虎』
小久保均 「折れた八月」
太田俊夫 「暗雲」
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難波利三「雑魚の棲む路地」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 26 「同じ作者が前に露店商人の生活を書いたのが、不思議と頭に残っていた。どちらも埃っぽく、野生の人間の体臭がムンムンしていた。」「しかし直木賞の作品の場合には、あるまとまりや、筋の輪郭の線が明瞭でないと、読者の注意が散漫となる。」
源氏鶏太 全候補 0  
石坂洋次郎 全候補 6 「いまひと息レアリティーが不足だと思った。」
司馬遼太郎 全候補 16 「じつに達者な職業作家の作品で、その点では過不足はない。ただ厄介なことは、賞に値するためには作品に何物かがなければならないということである。」
川口松太郎 全候補 0  
水上勉 全候補 10 「この作家独自の世界で、好感がもてた。だが仕上りは前回「地虫」より落ちた、と思う。」「庶民の物哀しさはよく出ている。だが、もう一つ人物たちに類型の域を出ないところが気になる。」
村上元三 全候補 5 「前回の「地虫」よりも劣るが、達者だし、この人はこのまま職業作家としてやって行けるだろう。」
今日出海 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
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他の候補作
滝口康彦 『仲秋十五日』
藤沢周平 「黒い繩」
堀勇蔵 「去年、国道3号線で」
武田八洲満 『信虎』
小久保均 「折れた八月」
太田俊夫 「暗雲」
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武田八洲満『信虎』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 4 「案外不評であったのは、どうも力作に過ぎて読み辛いところに原因があったようだ。」
石坂洋次郎 全候補 3 「長すぎると思った。」
司馬遼太郎 全候補 8 「おそらくご自分の「何物」かを問うてみたくて書かれた作品であろう。しかし問うがための姿勢が前面に出て、技倆がうしろへひっこみ、ひどく貧困なものになった。」
川口松太郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
村上元三 全候補 6 「構成に難がある。それぞれ人間はよく描かれているが、途中、何べんも前へ戻って読み返さないと、人間関係が雑然としてわからず、読みにくかった。」
今日出海 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
松本清張 全候補 19 「信虎が人間的にまったく描けていない。」「子の信玄との間も、両方を体裁よくしようとしてか性格があいまいになっている。信虎・信玄とも個性が強いのだからこれでは困る。百姓の困苦も観念的な書き方だ。」
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他の候補作
滝口康彦 『仲秋十五日』
藤沢周平 「黒い繩」
堀勇蔵 「去年、国道3号線で」
難波利三 「雑魚の棲む路地」
小久保均 「折れた八月」
太田俊夫 「暗雲」
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小久保均「折れた八月」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 0  
石坂洋次郎 全候補 3 「軍隊生活を知らない私には興味うすく、」
司馬遼太郎 全候補 6 「ことさら深読みすれば、どちらもなにか豊潤なものをその才質に秘めておられる気配が感じられるが、しかし作品にそれが出るにいたっていない。」
川口松太郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
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柴田錬三郎 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
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他の候補作
滝口康彦 『仲秋十五日』
藤沢周平 「黒い繩」
堀勇蔵 「去年、国道3号線で」
難波利三 「雑魚の棲む路地」
武田八洲満 『信虎』
太田俊夫 「暗雲」
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太田俊夫「暗雲」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 4 「八方破れに書いてあったのは、「暗雲」であった。その力量は買っていい。こういう分野での作品をもっと書いて貰いたい。」
石坂洋次郎 全候補 8 「こういうものなりに、敲いて手ごたえのある筋金が欲しかった。」
司馬遼太郎 全候補 10 「一巻の絵物語をみるようにめまぐるしく場面が、それも絵画的に変ってゆく。泥くさい魅力があるが、残念なことにそれだけという感じもある。」
川口松太郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
村上元三 全候補 5 「材料が面白いのに、書いてある事柄が、一向に立体化されていない。文章のまずさも、致命的であった。」
今日出海