直木賞のすべて
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第57回

=受賞者=
生島治郎

=候補者=
中田浩作
斎藤芳樹
滝口康彦
平井信作
鬼頭恭而
野坂昭如
三好 徹
渡辺淳一


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 昭和42年/1967年上半期
 (昭和42年/1967年7月21日決定発表/『オール讀物』昭和42年/1967年10月号選評掲載)
選考委員  石坂洋次郎 川口松太郎 源氏鶏太 村上元三 海音寺潮五郎 今日出海 中山義秀 柴田錬三郎 水上勉 松本清張 大佛次郎
選評総行数  52 40 48 57 103 56 17 50 48 56  
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
生島治郎 『追いつめる』 評言 10 7 9 9 31 6 0 20 10 17    
中田浩作 「ホタルの里」 評言 17 0 5 7 0 0 0 4 0 0    
斎藤芳樹 『シュロン耕地』 評言 0 0 14 7 26 15 0 4 5 0    
滝口康彦 「霧の底から」 評言 0 0 0 5 13 0 0 0 0 0    
平井信作 「生柿吾三郎の税金闘争」 評言 12 0 0 4 0 0 0 0 0 12    
鬼頭恭而 「回向文」 評言 0 0 4 5 0 0 0 2 4 0    
野坂昭如 「受胎旅行」 評言 6 24 11 5 19 0 0 3 32 13    
三好徹 『閃光の遺産』 評言 0 0 6 7 0 8 0 7 0 7    
渡辺淳一 「霙」 評言 0 8 0 5 17 0 0 0 0 0    
                    欠席
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年10月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員石坂洋次郎×各候補作  見方・注意点
はじめて審査に参加して 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 10 「十点が満点で、(引用者中略)八点をつけ、(引用者中略)出席した。」「手慣れた書き方で、暴力団を追及する元刑事を描いた生島治郎「追いつめる」が(引用者中略)選ばれた。おめでとう。」
中田浩作 全委員 17 「十点が満点で、(引用者中略)八点をつけ、(引用者中略)出席した。」「私自身は「ホタルの里」が好きだったが、(引用者中略)むしろ、あの青年教師を主人公にして描くべきではなかったかと思った。」
斎藤芳樹 全委員 0  
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 12 「十点が満点で、(引用者中略)八点をつけ、(引用者中略)出席した。」「細かい文学的センスなどにこだわらず、体当りで題材にとり組んでいるのがいい。同郷人の平井君が今度の選に洩れたのは残念。」
鬼頭恭而 全委員 0  
野坂昭如 全委員 6 「達者な筆でよく主題をまとめてあると思ったが、この人などいまさら直木賞でもあるまいと思って、点を入れなかった。」
三好徹 全委員 0  
渡辺淳一 全委員 0  
  「少し迷ったあげく、量にこだわらず、読んで自分がひかれた作品をひろい上げることにした。じっさいの審査会に出席してみると各審査員とも、質本位で作品を選んでいることが分ってホッとした。」
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他の選考委員
川口松太郎
源氏鶏太
村上元三
海音寺潮五郎
今日出海
中山義秀
柴田錬三郎
水上勉
松本清張
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選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
傑作のない年度 総行数40 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 7 「入選者の幸運を喜び、いい作家になってくれる日を待つ。」
中田浩作 全委員 0  
斎藤芳樹 全委員 0  
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 0  
野坂昭如 全委員 24 「文体が新鮮でイキがいい。他の作品は何処かで一度お目にかかったような模倣性を感ずるが、受胎旅行はこの作家だけの独自の文章を持っている。」「この作家は作家として大成する意気をもって取り組んでいるかどうか疑わしいような悪名声がある。」
三好徹 全委員 0  
渡辺淳一 全委員 8 「霙の作家は医者だからあの世界が書けるので、他の材料を扱った時にどうだろうという意見があった。この一作を受賞作に推すほどのものでもないので次回作を期待する事にした。」
  「ズバぬけていいものもない代りによめないような愚作もなかった。」「自分は今回は受賞作なしを主張した」
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他の選考委員
石坂洋次郎
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選考委員源氏鶏太×各候補作  見方・注意点
「シュロン耕地」を 総行数48 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 9 「文句なしに面白かった。私はこの人の前の候補作「黄土の奔流」につき、その文学性を云々したことを覚えているが、この作品は、そういう必要を感じさせなかった。」
中田浩作 全委員 5 「高く評価した作品である。人の胸を打つ作品であるが、何んとしても暗い。」
斎藤芳樹 全委員 14 「私が最も高く買ったのは、「シュロン耕地」であった。」「骨格の逞しい力作である。」「かつての奄美大島の悲惨さと、土地の人間関係がうまく捉えてある。」
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 4 「豊かな才能を感じた。しかし、読み辛い。そこらにもう一工夫がほしいところである。」
野坂昭如 全委員 11 「新しい才能を認める人と、文学に無縁の才能と主張する人の二派にわかれた。私自身とまどった。今もとまどっている。」
三好徹 全委員 6 「別に「追いつめる」があったので損をしたようだ。力量からいって直木賞を貰っておかしくない作品である。」
渡辺淳一 全委員 0  
  「一時は、今期は受賞作なし、という話が出て、大勢を占めかけた。しかし、私は、あり、の方にまわった。」
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海音寺潮五郎
今日出海
中山義秀
柴田錬三郎
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選考委員村上元三×各候補作  見方・注意点
続けて候補に 総行数57 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 9 「面白かった。社会悪をあばくなどということにこだわらずに、たとえばチャンドラーのような型の作品をこの作家に期待しても、かまわないと思う。」
中田浩作 全委員 7 「きれいな小説だが、最後の日記のところでわたしはこだわった。自分の妻が強姦されるのを、そのまま見過して逃げた教師の気持が、もっとはっきり描いてあれば、と思う。」
斎藤芳樹 全委員 7 「作者自身が奄美大島の風物や習慣を面白がりすぎたうらみがある。」
滝口康彦 全委員 5 「この作者のいつもの作品から抜きん出ていないし、もうそろそろ新しい傾向の作品が生れてもいいのではなかろうか。」
平井信作 全委員 4 「これだけのもので、小説として論ずるとなると、話はべつになる。」
鬼頭恭而 全委員 5 「短篇の集大成のようで、一つひとつのエピソードには面白いものがあった。」
野坂昭如 全委員 5 「この作品より「娼婦焼身」のほうが面白かった。この作品からは、すれているという感じしか受けなかった。」
三好徹 全委員 7 「導入部のうまさなどは感服した。しかし、遺産をうける候補者が三人になるあたりから、少し混迷している。」
渡辺淳一 全委員 5 「こういう題材を扱うのなら、もっと鮮烈に作者の訴えたい主題を正面に押出したほうがよかったのではなかったろうか。」
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海音寺潮五郎
今日出海
中山義秀
柴田錬三郎
水上勉
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選考委員海音寺潮五郎×各候補作  見方・注意点
方言のかねあい 総行数103 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 31 「一番おもしろく読めた。テンポのはやい、さわやかな文体だ。題材もおもしろい。」「難は人物の描出法だ。」「会話にも動作にも、少しも個性の裏打ちがない。」
中田浩作 全委員 0  
斎藤芳樹 全委員 26 「題材がすでに奇である。書き方また奇である。詩情あふるるものがある。ここまでは大いによいのだが、地の文章にまで方言が入っていて、大へん読みにくいものになっているのがマイナスになった。」
滝口康彦 全委員 13 「この人は古い大衆小説のテクニックが身につきすぎている。」「一ぺん思いきり型を忘れて、人間の本性の中にもぐりこんでみたらどうだろう。」
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 0  
野坂昭如 全委員 19 「予選係の人々に考えてもらいたいことがある。(引用者中略)なぜ予選通過作品にしたか、ぼくには合点が行かない。野坂氏のようにすでに一家をなして活躍している人のものを選ぶなら、よほどによい作品を選ぶべきで、少々いいくらいの作品ならあげないのが礼儀であろう。」「候補になっただけでもプラスというのは、これから世に出ようという人々のことである。」
三好徹 全委員 0  
渡辺淳一 全委員 17 「身体不自由児の保護施設という最もシリアスなことを題材にして、その筆はそれが単なるヒューマニズムでは片付かないところまで掘下げている。作者の人間性を見る目は深い。」
  「今期はやめようという提議があったら、賛成するつもりで出た。提議はあったが、賛成者少数で否決された。」
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選考委員今日出海×各候補作  見方・注意点
ドライな追及の筆 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 6 「モデルの興味よりも、やはり作者のドライな追及の筆、執念の熱意が貫いて一編をなしているところが買われたようだ。」
中田浩作 全委員 0  
斎藤芳樹 全委員 15 「面白く読んだ。」「神話が現実生活に生きていて、その混淆が独特の世界をつくっているのは興味を覚えた。」「特異すぎて、選に漏れたのは残念である。」
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 0  
野坂昭如 全委員 0  
三好徹 全委員 8 「前作の「風塵地帯」の方が新鮮だったように思う。多作家は時に結構に弛みを見せることがある。その辺を選者は指摘するのではないだろうか。」
渡辺淳一 全委員 0  
  「どれとって甲乙はつけ難い。」「今回の他の作品が受賞作に比して見劣りのするものではなかったことを附言したい。」
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他の選考委員
石坂洋次郎
川口松太郎
源氏鶏太
村上元三
海音寺潮五郎
中山義秀
柴田錬三郎
水上勉
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選考委員中山義秀×各候補作  見方・注意点
撰者の反省 総行数17 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 0  
中田浩作 全委員 0  
斎藤芳樹 全委員 0  
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 0  
野坂昭如 全委員 0  
三好徹 全委員 0  
渡辺淳一 全委員 0  
  「これと思われるほど、卓れたものもない。」「作品は表現につきる。いろいろと趣向のこらされた面白い読み物とあれば、それでよいのか、文芸作品といった考え方は問題にしなくてもよいのか、」
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海音寺潮五郎
今日出海
柴田錬三郎
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選考委員柴田錬三郎×各候補作  見方・注意点
つけ焼刃ではない 総行数50 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 20 「ハードボイルド調は、つけ焼刃でないことは、みとめる。」「ただ、いかにも、文章が荒っぽい。ストーリイの展開に、性急なあまり、文章の推敲がおろそかになった。」
中田浩作 全委員 4 「題材はいいのだが、いかにも、稚い表現力である。しかし、こん後の期待はできる人である。」
斎藤芳樹 全委員 4 「全く読みにくい。こんなに読みにくく書く必要がどこにあったか。」
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 2 「努力を買う。」
野坂昭如 全委員 3 「この作家のために採らない。きっと良い作品が書ける人である。」
三好徹 全委員 7 「この作者は、前回候補作の方が、はるかによかった。もし、「風塵地帯」が今回であったら、あるいは受賞していたかも知れない。」
渡辺淳一 全委員 0  
  「一篇のみ、頭抜けている、という作品は、なかった。」「しかし、「ナシ」よりも、なんとか新人に世間的な評価を与える方が、意義がある、と思いかえして、」
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他の選考委員
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選考委員水上勉×各候補作  見方・注意点
野坂氏を推す 総行数48 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 10 「文章もキメがこまかく、安心な点はあるけれども、主人公がスーパーマンすぎることが気にかかった。」「受賞作としていくらか、点数があまいという声もあったのはたしかである。」
中田浩作 全委員 0  
斎藤芳樹 全委員 5 「真摯さは買われても、わかりにくいところがある。」
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 0  
鬼頭恭而 全委員 4 「真摯さは買われても、わかりにくいところがある。」
野坂昭如 全委員 32 「古い文体だが、奇妙な味がある。文体が現代の風俗、人間を描くに適しているように思われて、氏の才能を認めずにはおれなかった。」「あくまで野坂氏一本でゆく決心であった。」
三好徹 全委員 0  
渡辺淳一 全委員 0  
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他の選考委員
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川口松太郎
源氏鶏太
村上元三
海音寺潮五郎
今日出海
中山義秀
柴田錬三郎
松本清張
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選考委員松本清張×各候補作  見方・注意点
上質なハードボイルド 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
生島治郎 全委員 17 「この作のテーマになった事件の裏側は私も知らないではないので、多少の不満(たとえば組織が描かれてない)もあるが、上質なハードボイルドで、読んで文句なしに面白い。直木賞も運不運があって、有力な対抗馬がないときはどうしてもトクをする。」
中田浩作 全委員 0  
斎藤芳樹 全委員 0  
滝口康彦 全委員 0  
平井信作 全委員 12 「はじめのうち、これも私は支持したのだが、もちろん授賞作にあたるものではない。これは作者の経験である。(引用者中略)将来、この作者がフィクションとしてこの程度のものを書かなければ作家としての素質に信が措けない。」
鬼頭恭而 全委員 0  
野坂昭如 全委員 13 「この作家は自分の文体を持ち、それを武器に、とにかく現代の一面を描いている。他人にないそのユニーク性を私は買う。」「よけいなことだが、テレビなどの雑業を整理し、新フォームの小説開拓に専念されることを望みたい。」
三好徹 全委員 7 「前回の候補作よりもいい。ただ、トリックとはいえ、人名の人間関係が複雑すぎた。」「三好氏は一作ごとに仕事がていねいになっている。」
渡辺淳一 全委員 0  
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他の選考委員
石坂洋次郎
川口松太郎
源氏鶏太
村上元三
海音寺潮五郎
今日出海
中山義秀
柴田錬三郎
水上勉
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生島治郎『追いつめる』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 全候補 10 「十点が満点で、(引用者中略)八点をつけ、(引用者中略)出席した。」「手慣れた書き方で、暴力団を追及する元刑事を描いた生島治郎「追いつめる」が(引用者中略)選ばれた。おめでとう。」
川口松太郎 全候補 7 「入選者の幸運を喜び、いい作家になってくれる日を待つ。」
源氏鶏太 全候補 9 「文句なしに面白かった。私はこの人の前の候補作「黄土の奔流」につき、その文学性を云々したことを覚えているが、この作品は、そういう必要を感じさせなかった。」
村上元三 全候補 9 「面白かった。社会悪をあばくなどということにこだわらずに、たとえばチャンドラーのような型の作品をこの作家に期待しても、かまわないと思う。」
海音寺潮五郎 全候補 31 「一番おもしろく読めた。テンポのはやい、さわやかな文体だ。題材もおもしろい。」「難は人物の描出法だ。」「会話にも動作にも、少しも個性の裏打ちがない。」
今日出海 全候補 6 「モデルの興味よりも、やはり作者のドライな追及の筆、執念の熱意が貫いて一編をなしているところが買われたようだ。」
中山義秀 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 20 「ハードボイルド調は、つけ焼刃でないことは、みとめる。」「ただ、いかにも、文章が荒っぽい。ストーリイの展開に、性急なあまり、文章の推敲がおろそかになった。」
水上勉 全候補 10 「文章もキメがこまかく、安心な点はあるけれども、主人公がスーパーマンすぎることが気にかかった。」「受賞作としていくらか、点数があまいという声もあったのはたしかである。」
松本清張 全候補 17 「この作のテーマになった事件の裏側は私も知らないではないので、多少の不満(たとえば組織が描かれてない)もあるが、上質なハードボイルドで、読んで文句なしに面白い。直木賞も運不運があって、有力な対抗馬がないときはどうしてもトクをする。」
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他の候補作
中田浩作 「ホタルの里」
斎藤芳樹 『シュロン耕地』
滝口康彦 「霧の底から」
平井信作 「生柿吾三郎の税金闘争」
鬼頭恭而 「回向文」
野坂昭如 「受胎旅行」
三好徹 『閃光の遺産』
渡辺淳一 「霙」
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中田浩作「ホタルの里」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 全候補 17 「十点が満点で、(引用者中略)八点をつけ、(引用者中略)出席した。」「私自身は「ホタルの里」が好きだったが、(引用者中略)むしろ、あの青年教師を主人公にして描くべきではなかったかと思った。」
川口松太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 5 「高く評価した作品である。人の胸を打つ作品であるが、何んとしても暗い。」
村上元三 全候補 7 「きれいな小説だが、最後の日記のところでわたしはこだわった。自分の妻が強姦されるのを、そのまま見過して逃げた教師の気持が、もっとはっきり描いてあれば、と思う。」
海音寺潮五郎 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
中山義秀 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 4 「題材はいいのだが、いかにも、稚い表現力である。しかし、こん後の期待はできる人である。」
水上勉 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
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他の候補作
生島治郎 『追いつめる』
斎藤芳樹 『シュロン耕地』
滝口康彦 「霧の底から」
平井信作 「生柿吾三郎の税金闘争」
鬼頭恭而 「回向文」
野坂昭如 「受胎旅行」
三好徹 『閃光の遺産』
渡辺淳一 「霙」
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斎藤芳樹『シュロン耕地』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 14 「私が最も高く買ったのは、「シュロン耕地」であった。」「骨格の逞しい力作である。」「かつての奄美大島の悲惨さと、土地の人間関係がうまく捉えてある。」
村上元三 全候補 7 「作者自身が奄美大島の風物や習慣を面白がりすぎたうらみがある。」
海音寺潮五郎 全候補 26 「題材がすでに奇である。書き方また奇である。詩情あふるるものがある。ここまでは大いによいのだが、地の文章にまで方言が入っていて、大へん読みにくいものになっているのがマイナスになった。」
今日出海 全候補 15 「面白く読んだ。」「神話が現実生活に生きていて、その混淆が独特の世界をつくっているのは興味を覚えた。」「特異すぎて、選に漏れたのは残念である。」
中山義秀 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 4 「全く読みにくい。こんなに読みにくく書く必要がどこにあったか。」
水上勉 全候補 5 「真摯さは買われても、わかりにくいところがある。」
松本清張 全候補 0  
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他の候補作
生島治郎 『追いつめる』
中田浩作 「ホタルの里」
滝口康彦 「霧の底から」
平井信作 「生柿吾三郎の税金闘争」
鬼頭恭而 「回向文」
野坂昭如 「受胎旅行」
三好徹 『閃光の遺産』
渡辺淳一 「霙」
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滝口康彦「霧の底から」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 0  
村上元三 全候補 5 「この作者のいつもの作品から抜きん出ていないし、もうそろそろ新しい傾向の作品が生れてもいいのではなかろうか。」
海音寺潮五郎 全候補 13 「この人は古い大衆小説のテクニックが身につきすぎている。」「一ぺん思いきり型を忘れて、人間の本性の中にもぐりこんでみたらどうだろう。」
今日出海 全候補 0  
中山義秀 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
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他の候補作
生島治郎 『追いつめる』
中田浩作 「ホタルの里」
斎藤芳樹 『シュロン耕地』
平井信作 「生柿吾三郎の税金闘争」
鬼頭恭而 「回向文」
野坂昭如 「受胎旅行」
三好徹 『閃光の遺産』
渡辺淳一 「霙」
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平井信作「生柿吾三郎の税金闘争」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 全候補 12 「十点が満点で、(引用者中略)八点をつけ、(引用者中略)出席した。」「細かい文学的センスなどにこだわらず、体当りで題材にとり組んでいるのがいい。同郷人の平井君が今度の選に洩れたのは残念。」
川口松太郎 全候補 0  
源氏鶏太 全候補 0  
村上元三 全候補 4 「これだけのもので、小説として論ずるとなると、話はべつになる。」
海音寺潮五郎 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
中山義秀 全候補 0  
柴田錬三郎 全候補 0  
水上勉 全候補 0  
松本清張 全候補 12 「はじめのうち、これも私は支持したのだが、もちろん授賞作にあたるものではない。これは作者の経験である。(引用者中略)将来、この作者がフィクションとしてこの程度のものを書かなければ作家としての素質に信が措けない。」
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他の候補作
生島治郎 『追いつめる』
中田浩作 「ホタルの里」