直木賞のすべて
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第54回

=受賞者=
新橋遊吉
千葉治平

=候補者=
古川洋三
金川太郎
立原正秋
北川荘平
生島治郎
粂川光樹
青山光二


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 昭和40年/1965年下半期
 (昭和41年/1966年1月17日決定発表/『オール讀物』昭和41年/1966年4月号選評掲載)
選考委員  大佛次郎 海音寺潮五郎 小島政二郎 源氏鶏太 村上元三 中山義秀 木々高太郎 松本清張 今日出海 川口松太郎
選評総行数  51 91 53 52 60 27 60 46 10 10
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
新橋遊吉 「八百長」 評言 11 22 18 4 10 8 27 0 0 0
千葉治平 「虜愁記」 評言 10 27 16 6 7 9 6 0 0 0
古川洋三 「大佐日記」 評言 8 15 3 5 5 8 0 0 0 0
金川太郎 「金銀にまみれて」 評言 0 0 4 5 11 7 0 0 0 0
立原正秋 「漆の花」 評言 2 9 5 7 5 7 0 16 0 10
北川荘平 「企業の過去帳」 評言 0 0 2 5 0 0 0 0 0 0
生島治郎 『黄土の奔流』 評言 0 9 5 4 6 7 7 0 0 0
粂川光樹 「極東語学校夜話」 評言 9 0 2 5 4 0 0 0 0 0
青山光二 『修羅の人』 評言 14 11 6 21 7 7 20 0 10 0
          欠席
書面回答
    欠席
書面回答
欠席
書面回答
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年4月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員大佛次郎×各候補作  見方・注意点
妄評独語 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 11 「読むのに努力が要ったが、読み進んで見ると、爽やかで、きめもこまかく、好い気持であった。」「直木賞に選べばこれと思った。」
千葉治平 全委員 10 「まだ省略をほどこして磨きがかかると信じた。」「やや微温な、ひとりよがり(作中人物)の甘さを感じた。」
古川洋三 全委員 8 「ドライな叙述に文学の真実を感じた。人間悪のうとましさについては、もとよりである。私はこの作の良さを認める。」
金川太郎 全委員 0  
立原正秋 全委員 2 「この作家のものとして推しては気の毒である。」
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 0  
粂川光樹 全委員 9 「私の知らぬ不思議な新らしさがあり、こう言うソサイエティの日本人はこう言うものかと教えられ面白かった。」
青山光二 全委員 14 「面白く、また楽に読んだ」「ただ、この世界の人々に一種のヒロイスムが感じられたのに躓き、もう一歩作家としてのメスを冷やかに入れて欲しかったと思う。」
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他の選考委員
海音寺潮五郎
小島政二郎
源氏鶏太
村上元三
中山義秀
木々高太郎
松本清張
今日出海
川口松太郎
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選考委員海音寺潮五郎×各候補作  見方・注意点
詩情を喜ぶ 総行数91 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 22 「ぼくは認めることが出来なかった。」「帰宅してから読みなおしたが、やはりそれほどのものとは思われなかった。」
千葉治平 全委員 27 「該当作なしならそれでもよいが、出すならこれだと思ったのだ。」「肩肱張らず、おとなしい書きぶりの中にほのぼのとした詩情のあるのをうれしいと思った。」「ともあれ、想像もここまで行けば大したものだ。」
古川洋三 全委員 15 「比較的よいと思った。」「憤りは十分に同感出来るが、作者は何に憤っているのだろう。」「これほどの材料をあつかいながら、人を打つこと浅く、単なるルポルタージュでしかなくなったと思う」
金川太郎 全委員 0  
立原正秋 全委員 9 「比較的よいと思った。」「女というものをこう解釈するのは、近頃のはやりである。しかし、大へん手ぎわよく解釈されている。」「図式的にすぎるのである。」
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 9 「面白いという点では、抜群である。」「しかし、この人はこれでもう一家をなしている。こと新しく賞などあげて推薦することはいらない人である。」
粂川光樹 全委員 0  
青山光二 全委員 11 「調べの行きとどいた面白い読物であるが、作者が努力しているにかかわらず、主人公が英雄になって来る。」「文学としては未だしと、ぼくは思った。」
  「少々歪つでも、きらめくものがあれば、労苦を忘れるのだが、皆無ではつらい労役にすぎない。」
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他の選考委員
大佛次郎
小島政二郎
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中山義秀
木々高太郎
松本清張
今日出海
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選考委員小島政二郎×各候補作  見方・注意点
文学を感じた作品 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 18 「殆んど欠点がない。その上、垢が付いていない。描写もシッカリしている。」「手に汗を握らせるクライマックスの成功を称讃したい。」
千葉治平 全委員 16 「平板過ぎるのが欠点だろう。」「直木賞候補作品の中に文学を感じると、私は推薦したくなる癖がある。(引用者中略)半票を投じた所以である。」
古川洋三 全委員 3 「失礼だが、こういうものは幾ら書いても仕方がないと思う。」
金川太郎 全委員 4 「主人公の性格が分裂しているのが失敗だと思う。分裂の間隙を塗りつぶすのが小説家だろう。」
立原正秋 全委員 5 「私はこの作者の才能を買う。だから直言するが、前績に比べて堕落したと思う。堕落覚悟だと言われるなら、マンネリズムが気に掛かる。」
北川荘平 全委員 2 「最後がつまらない。」
生島治郎 全委員 5 「面白いこと無類。作者の空想の逞しさに舌を巻いた。」「但し、(引用者中略)文学だろうか。」
粂川光樹 全委員 2 「印象稀薄。」
青山光二 全委員 6 「前半面白く、後半つまらなかった。しかし、面白いこと、うまいことに掛けては、「黄土の奔流」と双峰だろう。但し、(引用者中略)文学だろうか。」
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大佛次郎
海音寺潮五郎
源氏鶏太
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中山義秀
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松本清張
今日出海
川口松太郎
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選考委員源氏鶏太×各候補作  見方・注意点
「修羅の人」を推す 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 4 「今でも多少納得がいきかねている。決して悪くはないが、まだどこかに幼稚さが残っている。」
千葉治平 全委員 6 「詩情も漂い、それだけに多少緊張感に欠ける感じもしたが、しかし、この授賞に反対する気はなかった。」
古川洋三 全委員 5 「いい味を持ちながら今一歩突き抜けたところに欠けているような気がした。」
金川太郎 全委員 5 「いい味を持ちながら今一歩突き抜けたところに欠けているような気がした。」
立原正秋 全委員 7 「実にうまい。しかし、このうまさが何んとなく古めかしく感じられたのはどういうことであろうか。」
北川荘平 全委員 5 「今となってはサラリーマン小説の常識の線を走っているし、もう一つ、花を開いた感じをあたえて貰いたかった。」
生島治郎 全委員 4 「面白いという点ではいちばんであったが、この作に限っていえば、直木賞には無縁である。」
粂川光樹 全委員 5 「いい味を持ちながら今一歩突き抜けたところに欠けているような気がした。」
青山光二 全委員 21 「登場人物の描き方は、ワキ役に至るまでよく描きわけてあり、しかも、それぞれに魅力がある。」「惜しいところで選に洩れてしまった。しかし、実力十分であるし、今後に期待したい。」
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大佛次郎
海音寺潮五郎
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中山義秀
木々高太郎
松本清張
今日出海
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選考委員村上元三×各候補作  見方・注意点
欲張りすぎる 総行数60 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 10 「わたしはそれほど買っていない。」「材料だけの面白さに過ぎない。」
千葉治平 全委員 7 「宗家の人々が、なぜ「私」をはじめ日本の兵隊をこれほど信頼するのか、そこのところを、もっと突っ込んで書いて欲しかった。」
古川洋三 全委員 5 「もう珍しくもない材料だし、(引用者中略)わたしにはどうしても、こういう傾向の作品が好きにはなれない。」
金川太郎 全委員 11 「むしろ荻原彦次郎が勘定奉行の荻原近江守になってからのほうに、もっとスペースを費したほうが、作品が分厚くなり、幅がひろくなったのではなかろうか。」
立原正秋 全委員 5 「練達な筆だが、材料が陳腐だし、今からこういう世界にあぐらをかいていては、どうなるのだろう、と心配になる。」
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 6 「どうせ反対されると思ったが、わたしには面白かった。こういう野放図な作品が、直木賞の対象になって悪いとは思えない。」
粂川光樹 全委員 4 「面白い材料を扱っていながら、突っ込みが不足している。」
青山光二 全委員 7 「最後まで押したが、主人公と扱った世界が直木賞に向かない、という理由で反対され、わずかの差で破れた。しかし、この作家には大きな期待を寄せているし、次作を待ちたい。」
  「こんどの候補作は、すば抜けたものがなかった。」
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他の選考委員
大佛次郎
海音寺潮五郎
小島政二郎
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中山義秀
木々高太郎
松本清張
今日出海
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選考委員中山義秀×各候補作  見方・注意点
選評 総行数27 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 8 「読後共感をよぶ感情の快い豊富さがただよっている。」
千葉治平 全委員 9 「私はこの「虜愁記」と「大佐日記」とを推した。」「読後共感をよぶ感情の快い豊富さがただよっている。」
古川洋三 全委員 8 「候補作品中人物の性格が描かれ、作品として体裁のととのっているのは、「大佐日記」が一番であろう。入選を逸したのは作品の底流に感情の暢びを欠いているためかと想われる。」
金川太郎 全委員 7 「面白く読まれたが、結末が痩せている。」
立原正秋 全委員 7 「面白く読まれたが、結末が痩せている。」
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 7 「面白く読まれたが、結末が痩せている。」
粂川光樹 全委員 0  
青山光二 全委員 7 「読み物としては(引用者注:「虜愁記」より)面白く、登場人物の姿態も鮮明であるが、文学的な味わいと抒情性からいえば「虜愁記」におよばない。」
  「病中選考会に出席できなかった」
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海音寺潮五郎
小島政二郎
源氏鶏太
村上元三
木々高太郎
松本清張
今日出海
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選考委員木々高太郎×各候補作  見方・注意点
時には冒険を 総行数60 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 27 「若い、前歴の少ない新橋遊吉に賞を出すのは、考えなければならぬ、ということは誰しも考えたが、」「私もいつもはコンサーヴァティブの方なのだが、然し今回は時には少々冒険をしてもよいという考えが心のどこかにあったものだから、自分としては珍しく、かなり強く主張した。」
千葉治平 全委員 6 「私は本来戦争ものは嫌いである。然し、この戦記はちょっと変っている。それでやっと満足した。」
古川洋三 全委員 0  
金川太郎 全委員 0  
立原正秋 全委員 0  
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 7 「面白くて息もつがせぬ点では図抜けている。然しよみ終って凡てがうそである、凡てがむなしい、という感じが勝つ。」
粂川光樹 全委員 0  
青山光二 全委員 20 「私はこれをとれない。よたもん、やくざの世界をよたもん、やくざとして書くのでは文学ではない。」
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他の選考委員
大佛次郎
海音寺潮五郎
小島政二郎
源氏鶏太
村上元三
中山義秀
松本清張
今日出海
川口松太郎
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選考委員松本清張×各候補作  見方・注意点
少数派の言 総行数46 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 0  
千葉治平 全委員 0  
古川洋三 全委員 0  
金川太郎 全委員 0  
立原正秋 全委員 16 「佳作だと思う。抑制のきいた文章は適度の感情を訴え、描写も的確である。構成もしっかりして緊密を感じる。」
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 0  
粂川光樹 全委員 0  
青山光二 全委員 0  
  「このへんで、賞を与えて活躍できる人、いや、受賞が噴射となってさらに飛躍できる人の出現を望みたい。」「すでにある程度の評価を得ている新進作家に賞を与えるのが最もよろこばしいと思う。」
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選考委員今日出海×各候補作  見方・注意点
将来性というもの 総行数10 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 0  
千葉治平 全委員 0  
古川洋三 全委員 0  
金川太郎 全委員 0  
立原正秋 全委員 0  
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 0  
粂川光樹 全委員 0  
青山光二 全委員 10 「一番筆力もあるし、彼の長い文学修業というものが積み重なって一層危げのない人だろうと思う。」
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選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
「漆の花」に 総行数10 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
新橋遊吉 全委員 0  
千葉治平 全委員 0  
古川洋三 全委員 0  
金川太郎 全委員 0  
立原正秋 全委員 10 「ズバぬけていました。この人は前にも芥川賞の候補に上っているし、大衆作家としてものびて行く力があります。私は是非推したい!」
北川荘平 全委員 0  
生島治郎 全委員 0  
粂川光樹 全委員 0  
青山光二 全委員 0  
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他の選考委員
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海音寺潮五郎
小島政二郎
源氏鶏太
村上元三
中山義秀
木々高太郎
松本清張
今日出海
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新橋遊吉「八百長」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 11 「読むのに努力が要ったが、読み進んで見ると、爽やかで、きめもこまかく、好い気持であった。」「直木賞に選べばこれと思った。」
海音寺潮五郎 全候補 22 「ぼくは認めることが出来なかった。」「帰宅してから読みなおしたが、やはりそれほどのものとは思われなかった。」
小島政二郎 全候補 18 「殆んど欠点がない。その上、垢が付いていない。描写もシッカリしている。」「手に汗を握らせるクライマックスの成功を称讃したい。」
源氏鶏太 全候補 4 「今でも多少納得がいきかねている。決して悪くはないが、まだどこかに幼稚さが残っている。」
村上元三 全候補 10 「わたしはそれほど買っていない。」「材料だけの面白さに過ぎない。」
中山義秀 全候補 8 「読後共感をよぶ感情の快い豊富さがただよっている。」
木々高太郎 全候補 27 「若い、前歴の少ない新橋遊吉に賞を出すのは、考えなければならぬ、ということは誰しも考えたが、」「私もいつもはコンサーヴァティブの方なのだが、然し今回は時には少々冒険をしてもよいという考えが心のどこかにあったものだから、自分としては珍しく、かなり強く主張した。」
松本清張 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
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他の候補作
千葉治平 「虜愁記」
古川洋三 「大佐日記」
金川太郎 「金銀にまみれて」
立原正秋 「漆の花」
北川荘平 「企業の過去帳」
生島治郎 『黄土の奔流』
粂川光樹 「極東語学校夜話」
青山光二 『修羅の人』
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千葉治平「虜愁記」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 10 「まだ省略をほどこして磨きがかかると信じた。」「やや微温な、ひとりよがり(作中人物)の甘さを感じた。」
海音寺潮五郎 全候補 27 「該当作なしならそれでもよいが、出すならこれだと思ったのだ。」「肩肱張らず、おとなしい書きぶりの中にほのぼのとした詩情のあるのをうれしいと思った。」「ともあれ、想像もここまで行けば大したものだ。」
小島政二郎 全候補 16 「平板過ぎるのが欠点だろう。」「直木賞候補作品の中に文学を感じると、私は推薦したくなる癖がある。(引用者中略)半票を投じた所以である。」
源氏鶏太 全候補 6 「詩情も漂い、それだけに多少緊張感に欠ける感じもしたが、しかし、この授賞に反対する気はなかった。」
村上元三 全候補 7 「宗家の人々が、なぜ「私」をはじめ日本の兵隊をこれほど信頼するのか、そこのところを、もっと突っ込んで書いて欲しかった。」
中山義秀 全候補 9 「私はこの「虜愁記」と「大佐日記」とを推した。」「読後共感をよぶ感情の快い豊富さがただよっている。」
木々高太郎 全候補 6 「私は本来戦争ものは嫌いである。然し、この戦記はちょっと変っている。それでやっと満足した。」
松本清張 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
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他の候補作
新橋遊吉 「八百長」
古川洋三 「大佐日記」
金川太郎 「金銀にまみれて」
立原正秋 「漆の花」
北川荘平 「企業の過去帳」
生島治郎 『黄土の奔流』
粂川光樹 「極東語学校夜話」
青山光二 『修羅の人』
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古川洋三「大佐日記」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 8 「ドライな叙述に文学の真実を感じた。人間悪のうとましさについては、もとよりである。私はこの作の良さを認める。」
海音寺潮五郎 全候補 15 「比較的よいと思った。」「憤りは十分に同感出来るが、作者は何に憤っているのだろう。」「これほどの材料をあつかいながら、人を打つこと浅く、単なるルポルタージュでしかなくなったと思う」
小島政二郎 全候補 3 「失礼だが、こういうものは幾ら書いても仕方がないと思う。」
源氏鶏太 全候補 5 「いい味を持ちながら今一歩突き抜けたところに欠けているような気がした。」
村上元三 全候補 5 「もう珍しくもない材料だし、(引用者中略)わたしにはどうしても、こういう傾向の作品が好きにはなれない。」
中山義秀 全候補 8 「候補作品中人物の性格が描かれ、作品として体裁のととのっているのは、「大佐日記」が一番であろう。入選を逸したのは作品の底流に感情の暢びを欠いているためかと想われる。」
木々高太郎 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
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他の候補作
新橋遊吉 「八百長」
千葉治平 「虜愁記」
金川太郎 「金銀にまみれて」
立原正秋 「漆の花」
北川荘平 「企業の過去帳」
生島治郎 『黄土の奔流』
粂川光樹 「極東語学校夜話」
青山光二 『修羅の人』
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金川太郎「金銀にまみれて」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
海音寺潮五郎 全候補 0  
小島政二郎 全候補 4 「主人公の性格が分裂しているのが失敗だと思う。分裂の間隙を塗りつぶすのが小説家だろう。」
源氏鶏太 全候補 5 「いい味を持ちながら今一歩突き抜けたところに欠けているような気がした。」
村上元三 全候補 11 「むしろ荻原彦次郎が勘定奉行の荻原近江守になってからのほうに、もっとスペースを費したほうが、作品が分厚くなり、幅がひろくなったのではなかろうか。」
中山義秀 全候補 7 「面白く読まれたが、結末が痩せている。」
木々高太郎 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
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他の候補作
新橋遊吉 「八百長」
千葉治平 「虜愁記」
古川洋三 「大佐日記」
立原正秋 「漆の花」
北川荘平 「企業の過去帳」
生島治郎 『黄土の奔流』
粂川光樹 「極東語学校夜話」
青山光二 『修羅の人』
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立原正秋「漆の花」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 2 「この作家のものとして推しては気の毒である。」
海音寺潮五郎 全候補 9 「比較的よいと思った。」「女というものをこう解釈するのは、近頃のはやりである。しかし、大へん手ぎわよく解釈されている。」「図式的にすぎるのである。」
小島政二郎 全候補 5 「私はこの作者の才能を買う。だから直言するが、前績に比べて堕落したと思う。堕落覚悟だと言われるなら、マンネリズムが気に掛かる。」
源氏鶏太 全候補 7 「実にうまい。しかし、このうまさが何んとなく古めかしく感じられたのはどういうことであろうか。」
村上元三 全候補 5 「練達な筆だが、材料が陳腐だし、今からこういう世界にあぐらをかいていては、どうなるのだろう、と心配になる。」
中山義秀 全候補 7 「面白く読まれたが、結末が痩せている。」
木々高太郎 全候補 0  
松本清張 全候補 16 「佳作だと思う。抑制のきいた文章は適度の感情を訴え、描写も的確である。構成もしっかりして緊密を感じる。」
今日出海 全候補 0  
川口松太郎 全候補 10 「ズバぬけていました。この人は前にも芥川賞の候補に上っているし、大衆作家としてものびて行く力があります。私は是非推したい!」
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他の候補作
新橋遊吉 「八百長」
千葉治平 「虜愁記」
古川洋三 「大佐日記」
金川太郎 「金銀にまみれて」
北川荘平 「企業の過去帳」
生島治郎 『黄土の奔流』
粂川光樹 「極東語学校夜話」
青山光二 『修羅の人』
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北川荘平「企業の過去帳」×各選考委員