直木賞のすべて
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第46回

=受賞者=
伊藤桂一

=候補者=
来水明子
笹沢左保
林 青梧
杜山 悠
陳 舜臣
各務秀雄


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 昭和36年/1961年下半期
 (昭和37年/1962年1月23日決定発表/『オール讀物』昭和37年/1962年4月号選評掲載)
選考委員  木々高太郎 源氏鶏太 中山義秀 大佛次郎 川口松太郎 海音寺潮五郎 今日出海 松本清張 村上元三 小島政二郎 吉川英治
選評総行数  63 49 26 43 38 90 53 58 64 47  
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言 選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
伊藤桂一 「螢の河」 評言 7 17 8 19 15 5 8 20 10 17    
来水明子 『背教者』 評言 16 8 14 19 12 17 20 0 10 7    
笹沢左保 『空白の起点』 評言 9 3 0 0 0 0 0 9 4 4    
林青梧 「仁王」 評言 3 3 4 0 0 0 0 7 6 1    
杜山悠 「粟井宿の人足」 評言 6 14 4 6 8 19 12 11 12 10    
陳舜臣 『枯草の根』 評言 11 5 0 0 0 0 0 7 7 5    
各務秀雄 「そこからの出発」 評言 3 6 0 0 0 0 0 0 6 2    
                    欠席
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員木々高太郎×各候補作  見方・注意点
はじめは「なし」だった 総行数63 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 7 「珍しく決選投票までやって、「螢の河」(伊藤桂一)ときまった。」「僕も最後には「螢の河」に投じた。」
来水明子 全委員 16 「よみづらい書き方で、僕は数日をかけた。」「内容は、僕も嫌いではない。」「この作家は、いいものを持っているのだから、この際書き方を一変してみたらどうか。」
笹沢左保 全委員 9 「内容が、とに角殺せばよい、殺したものをつきとめればよい、ということで、結局よみ終って空白を感ずる。」
林青梧 全委員 3 「むきになりすぎてはいまいか、」
杜山悠 全委員 6 「むきになりすぎてはいまいか、」「材料精細だが、これは二三度オールに書かせれば、よくなると思う。」
陳舜臣 全委員 11 「内容は笹沢のより断然すぐれており、人間の隠れた欲望を描こうとしている。」「然し、乱歩賞のような相当な賞をうけているのに直木賞を重ねるとあれば、古今の名作が要求されよう。」
各務秀雄 全委員 3 「組合運動をかいて珍しいが、おちる。」
  「今度の予選作品は七つとも、いずれもよし、そしてとり立ててよいものなし、という感じだったので、私は今年は受賞該当者なしというつもりで出た。」
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他の選考委員
源氏鶏太
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今日出海
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選考委員源氏鶏太×各候補作  見方・注意点
清冽な泉の後味 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 17 「何か清冽な泉を感じさせるような後味があり、これは、近頃のどぎつい大衆文芸に欠けているものである。」
来水明子 全委員 8 「この努力には、頭を下げた。」「私がそれほどに高く評価出来なかったのは、この物語文学の形式が、成功していると思われなかったからである。」
笹沢左保 全委員 3 「登場人物にもうすこしの魅力を盛り上げて貰いたかった。」
林青梧 全委員 3 「各務氏についていったこととおんなじである。(引用者注:感動があったものの文学的な感動とは違っていたこと)」
杜山悠 全委員 14 「調べたことを残らず書いてあるという難はあるが、しかし、下層階級のたくさんの登場人物の感情の動きを鮮明に描いている。」
陳舜臣 全委員 5 「面白かったのだが、よけいなものが目立ち過ぎ、そのために、せっかくの作品の風格を落しているような気がした。」
各務秀雄 全委員 6 「ある感動を持って読んだことはたしかである。しかし、この感動は、文学的な感動とは、ちょっと違っていた。」
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選考委員中山義秀×各候補作  見方・注意点
救い 総行数26 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 8 「「螢の河」には救いがある。」「しかしむせかえるばかり密集した螢の描写や黄色い花の幻想は、詩集の諸篇などの優麗さをしめしていない。」
来水明子 全委員 14 「これは読者を苛立たせるための労作かと、怪しまれるまわりくどさに辟易した。」「史実の調査に遺漏はなくそのひたむきな努力に敬意を表して、私はこの作品に最後の一票を投じた」
笹沢左保 全委員 0  
林青梧 全委員 4 「救いが感じられない。そのため折角の力作を効果の弱いものにしてしまった憾みがある。」
杜山悠 全委員 4 「救いが感じられない。そのため折角の力作を効果の弱いものにしてしまった憾みがある。」
陳舜臣 全委員 0  
各務秀雄 全委員 0  
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選考委員大佛次郎×各候補作  見方・注意点
背教者 総行数43 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 19 「「螢の河」の作者の戦争ものは、明るくて淡々としていて、素直なのが感じがよい。」「久振りで素直にヒュウマンな作品を得た。」
来水明子 全委員 19 「「背教者」の内容に一番感心した。女のひとだから繊細すぎて読者を疲れさせる欠点はあるが、コンポジションがしっかりして面白いし、とにかく調べたもので、月並に物を書く努力ではない。」
笹沢左保 全委員 0  
林青梧 全委員 0  
杜山悠 全委員 6 「前回の作品の方がよかった。同じ暗くとも非情なところが、線がきっぱりしていた。今度のは、どこか汚れがある。」
陳舜臣 全委員 0  
各務秀雄 全委員 0  
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選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
ケレン味のない作品 総行数38 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 15 「従軍中の実験を淡淡と描いてケレン味がなく、叙情的にまとめた好短篇が清潔好きの源氏君他委員たちに好感をもたれたのであろう。」
来水明子 全委員 12 「主題にがっちり喰い下って丹念に描いて行くねばりの強さには感服した。最後まで力を抜かず息切れもせず調子をくずさなかった筆力は将来のある人と思い次回作を期待する。」
笹沢左保 全委員 0  
林青梧 全委員 0  
杜山悠 全委員 8 「直木賞作品としては暗すぎるので毎回すれすれの線まで行きながら当選しないのは惜しい。」「もう一つ視野を広げて努力される事を希望したい。」
陳舜臣 全委員 0  
各務秀雄 全委員 0  
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選考委員海音寺潮五郎×各候補作  見方・注意点
日なたと日かげ 総行数90 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 5 「近頃の若い人のものにはめずらしく詩のあるのがうれしかった。」
来水明子 全委員 17 「ぼくはこの作品を買わなかった。」「何よりも、読みにくかった。(引用者中略)人間の書きわけがないためだと思った。」「小説というものを、根本からじっくりと考えなおしていただきたい。」
笹沢左保 全委員 0  
林青梧 全委員 0  
杜山悠 全委員 19 「この前の作品がよいという意見が多かったが、ぼくには今度の方がよいと思われた。」
陳舜臣 全委員 0  
各務秀雄 全委員 0  
  「ぼくは、(引用者注:直木賞委員会のことを)「この人は可能性がありそうですよ」と、世間に推薦するだけの機関だと思っている。だから、推薦された人は、その可能性を見せる努力をしていただきたい。」
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選考委員今日出海×各候補作  見方・注意点
技術的にうまい 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 8 「他の作品と異るところは無難無瑕な点だろう。」「それほど文学的な香気があるとも思えなかった。」
来水明子 全委員 20 「文章も確りしている。」「訥々と語って真に迫るのならわかるが、まことによく喋りすぎて真から離れるのは惜しい気がする。しかしこれだけの物語をよく調べて書ける実力は他日必ず大成する人に違いない。」
笹沢左保 全委員 0  
林青梧 全委員 0  
杜山悠 全委員 12 「読みごたえはあるが、読み終えた後の陰惨さは拭い切れない。それに調べが綿密すぎて却て鼻にもつく。」
陳舜臣 全委員 0  
各務秀雄 全委員 0  
  「いまでも今期は受賞作なしと主張した私の意見を変える気はしない。」
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選考委員松本清張×各候補作  見方・注意点
淡彩の佳さ 総行数58 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 20 「その巧緻な文章で抒情を盛り上げた佳品であることで認めたい。」「直木賞の性格としては、もっとエネルギーのあるものを取りたい。」
来水明子 全委員 0  
笹沢左保 全委員 9 「可能性の犯罪トリックに無理がある。」「直木賞に推すには力不足といったところだ。もっとユニークなものが欲しい。」
林青梧 全委員 7 「私は「仁王」をわりと買っていたほうだ。このテーマは新聞で読んだことがあるが、作者がそれからヒントを取ってここまで小説にした技術を買いたい。」
杜山悠 全委員 11 「この作者が克明に資料を調べている態度には好感がもてるし、藩の小役人と、百姓、人足といった最下級の庶民の群れとの対立を追及している一貫した作業に好意をもっている。」
陳舜臣 全委員 7 「犯罪の点となると、案外に古めかしいトリックなどが使われて、現実性が失われたのは惜しい。」
各務秀雄 全委員 0  
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海音寺潮五郎
今日出海
村上元三
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選考委員村上元三×各候補作  見方・注意点
やはり出したい 総行数64 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 10 「うまい小品だが、ただそれだけのもの、という印象しか受けなかった。」「ほかの伊藤氏の作品を参照にするというのなら、選考方法を考え直す必要がある、とわたしは思う。」
来水明子 全委員 10 「文章や語句に対する神経の使い方は細かく行き届いているが、それがかえって平板な印象を与える。」「作者の説く哲学は甘くて、文学少女的な感じを受ける。」
笹沢左保 全委員 4 「人間を描こうとしている努力は認められるものの、推理小説としての骨組は平凡。」
林青梧 全委員 6 「主人公とその妻、弟子たちとの関係が月並すぎるし、製作過程の描写も、ただ調べて書いているというだけで、一向に目の前へ浮び上って来ない。」
杜山悠 全委員 12 「この作者の大衆文学に対する考え方を、ここらで一度、改めたほうがいいと思う。しかし、こんどの候補作品の中で、わたしはこの作品を第一位に推した。」
陳舜臣 全委員 7 「推理小説としてはトリックも平凡だし、人が人をなぜ殺さなければならなかったか、という肝腎な点がぼやけてしまっている。」
各務秀雄 全委員 6 「物々しい文章を使っているが、生硬で素人くさい。」
  「とくにすぐれているものがなくて、少々がっかりした。」
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他の選考委員
木々高太郎
源氏鶏太
中山義秀
大佛次郎
川口松太郎
海音寺潮五郎
今日出海
松本清張
小島政二郎
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選考委員小島政二郎×各候補作  見方・注意点
少くとも文学 総行数47 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 全委員 17 「少くともこれは文学だ。しかし、受賞作品としてはいかにも弱い。」「最後のところが、短篇の構成上一番大事のところだ。その肝腎のところが、あれではイージイ・ゴーイングだ。」
来水明子 全委員 7 「人間が書けていないので、人間が紙にベットリくっついたまま浮き上って来ないので、退屈で退屈で参った。」
笹沢左保 全委員 4 「推理小説家というものは、面白い題を付けるものだと思った。これが文学だろうか。」
林青梧 全委員 1 「新鮮味がない。」
杜山悠 全委員 10 「惜しいことにテーマが分裂している。その点、作品の説得力を稀薄にしている。」「この作者の文章は、いい意味の低い調子でなかなかいい。」
陳舜臣 全委員 5 「何もかも都合よく出来ていて、人間小説の読者である私には興味が持てなかった。」
各務秀雄 全委員 2 「もっと整理すべきだろう。」
  「今度は受賞作品なし。そういう腹で家を出た。」
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他の選考委員
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源氏鶏太
中山義秀
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川口松太郎
海音寺潮五郎
今日出海
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伊藤桂一「螢の河」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 7 「珍しく決選投票までやって、「螢の河」(伊藤桂一)ときまった。」「僕も最後には「螢の河」に投じた。」
源氏鶏太 全候補 17 「何か清冽な泉を感じさせるような後味があり、これは、近頃のどぎつい大衆文芸に欠けているものである。」
中山義秀 全候補 8 「「螢の河」には救いがある。」「しかしむせかえるばかり密集した螢の描写や黄色い花の幻想は、詩集の諸篇などの優麗さをしめしていない。」
大佛次郎 全候補 19 「「螢の河」の作者の戦争ものは、明るくて淡々としていて、素直なのが感じがよい。」「久振りで素直にヒュウマンな作品を得た。」
川口松太郎 全候補 15 「従軍中の実験を淡淡と描いてケレン味がなく、叙情的にまとめた好短篇が清潔好きの源氏君他委員たちに好感をもたれたのであろう。」
海音寺潮五郎 全候補 5 「近頃の若い人のものにはめずらしく詩のあるのがうれしかった。」
今日出海 全候補 8 「他の作品と異るところは無難無瑕な点だろう。」「それほど文学的な香気があるとも思えなかった。」
松本清張 全候補 20 「その巧緻な文章で抒情を盛り上げた佳品であることで認めたい。」「直木賞の性格としては、もっとエネルギーのあるものを取りたい。」
村上元三 全候補 10 「うまい小品だが、ただそれだけのもの、という印象しか受けなかった。」「ほかの伊藤氏の作品を参照にするというのなら、選考方法を考え直す必要がある、とわたしは思う。」
小島政二郎 全候補 17 「少くともこれは文学だ。しかし、受賞作品としてはいかにも弱い。」「最後のところが、短篇の構成上一番大事のところだ。その肝腎のところが、あれではイージイ・ゴーイングだ。」
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他の候補作
来水明子 『背教者』
笹沢左保 『空白の起点』
林青梧 「仁王」
杜山悠 「粟井宿の人足」
陳舜臣 『枯草の根』
各務秀雄 「そこからの出発」
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来水明子『背教者』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 16 「よみづらい書き方で、僕は数日をかけた。」「内容は、僕も嫌いではない。」「この作家は、いいものを持っているのだから、この際書き方を一変してみたらどうか。」
源氏鶏太 全候補 8 「この努力には、頭を下げた。」「私がそれほどに高く評価出来なかったのは、この物語文学の形式が、成功していると思われなかったからである。」
中山義秀 全候補 14 「これは読者を苛立たせるための労作かと、怪しまれるまわりくどさに辟易した。」「史実の調査に遺漏はなくそのひたむきな努力に敬意を表して、私はこの作品に最後の一票を投じた」
大佛次郎 全候補 19 「「背教者」の内容に一番感心した。女のひとだから繊細すぎて読者を疲れさせる欠点はあるが、コンポジションがしっかりして面白いし、とにかく調べたもので、月並に物を書く努力ではない。」
川口松太郎 全候補 12 「主題にがっちり喰い下って丹念に描いて行くねばりの強さには感服した。最後まで力を抜かず息切れもせず調子をくずさなかった筆力は将来のある人と思い次回作を期待する。」
海音寺潮五郎 全候補 17 「ぼくはこの作品を買わなかった。」「何よりも、読みにくかった。(引用者中略)人間の書きわけがないためだと思った。」「小説というものを、根本からじっくりと考えなおしていただきたい。」
今日出海 全候補 20 「文章も確りしている。」「訥々と語って真に迫るのならわかるが、まことによく喋りすぎて真から離れるのは惜しい気がする。しかしこれだけの物語をよく調べて書ける実力は他日必ず大成する人に違いない。」
松本清張 全候補 0  
村上元三 全候補 10 「文章や語句に対する神経の使い方は細かく行き届いているが、それがかえって平板な印象を与える。」「作者の説く哲学は甘くて、文学少女的な感じを受ける。」
小島政二郎 全候補 7 「人間が書けていないので、人間が紙にベットリくっついたまま浮き上って来ないので、退屈で退屈で参った。」
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他の候補作
伊藤桂一 「螢の河」
笹沢左保 『空白の起点』
林青梧 「仁王」
杜山悠 「粟井宿の人足」
陳舜臣 『枯草の根』
各務秀雄 「そこからの出発」
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笹沢左保『空白の起点』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 9 「内容が、とに角殺せばよい、殺したものをつきとめればよい、ということで、結局よみ終って空白を感ずる。」
源氏鶏太 全候補 3 「登場人物にもうすこしの魅力を盛り上げて貰いたかった。」
中山義秀 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
海音寺潮五郎 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 9 「可能性の犯罪トリックに無理がある。」「直木賞に推すには力不足といったところだ。もっとユニークなものが欲しい。」
村上元三 全候補 4 「人間を描こうとしている努力は認められるものの、推理小説としての骨組は平凡。」
小島政二郎 全候補 4 「推理小説家というものは、面白い題を付けるものだと思った。これが文学だろうか。」
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他の候補作
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来水明子 『背教者』
林青梧 「仁王」
杜山悠 「粟井宿の人足」
陳舜臣 『枯草の根』
各務秀雄 「そこからの出発」
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林青梧「仁王」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 3 「むきになりすぎてはいまいか、」
源氏鶏太 全候補 3 「各務氏についていったこととおんなじである。(引用者注:感動があったものの文学的な感動とは違っていたこと)」
中山義秀 全候補 4 「救いが感じられない。そのため折角の力作を効果の弱いものにしてしまった憾みがある。」
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
海音寺潮五郎 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 7 「私は「仁王」をわりと買っていたほうだ。このテーマは新聞で読んだことがあるが、作者がそれからヒントを取ってここまで小説にした技術を買いたい。」
村上元三 全候補 6 「主人公とその妻、弟子たちとの関係が月並すぎるし、製作過程の描写も、ただ調べて書いているというだけで、一向に目の前へ浮び上って来ない。」
小島政二郎 全候補 1 「新鮮味がない。」
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他の候補作
伊藤桂一 「螢の河」
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杜山悠「粟井宿の人足」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 6 「むきになりすぎてはいまいか、」「材料精細だが、これは二三度オールに書かせれば、よくなると思う。」
源氏鶏太 全候補 14 「調べたことを残らず書いてあるという難はあるが、しかし、下層階級のたくさんの登場人物の感情の動きを鮮明に描いている。」
中山義秀 全候補 4 「救いが感じられない。そのため折角の力作を効果の弱いものにしてしまった憾みがある。」
大佛次郎 全候補 6 「前回の作品の方がよかった。同じ暗くとも非情なところが、線がきっぱりしていた。今度のは、どこか汚れがある。」
川口松太郎 全候補 8 「直木賞作品としては暗すぎるので毎回すれすれの線まで行きながら当選しないのは惜しい。」「もう一つ視野を広げて努力される事を希望したい。」
海音寺潮五郎 全候補 19 「この前の作品がよいという意見が多かったが、ぼくには今度の方がよいと思われた。」
今日出海 全候補 12 「読みごたえはあるが、読み終えた後の陰惨さは拭い切れない。それに調べが綿密すぎて却て鼻にもつく。」
松本清張 全候補 11 「この作者が克明に資料を調べている態度には好感がもてるし、藩の小役人と、百姓、人足といった最下級の庶民の群れとの対立を追及している一貫した作業に好意をもっている。」
村上元三 全候補 12 「この作者の大衆文学に対する考え方を、ここらで一度、改めたほうがいいと思う。しかし、こんどの候補作品の中で、わたしはこの作品を第一位に推した。」
小島政二郎 全候補 10 「惜しいことにテーマが分裂している。その点、作品の説得力を稀薄にしている。」「この作者の文章は、いい意味の低い調子でなかなかいい。」
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他の候補作
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笹沢左保 『空白の起点』
林青梧 「仁王」
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各務秀雄 「そこからの出発」
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陳舜臣『枯草の根』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 11 「内容は笹沢のより断然すぐれており、人間の隠れた欲望を描こうとしている。」「然し、乱歩賞のような相当な賞をうけているのに直木賞を重ねるとあれば、古今の名作が要求されよう。」
源氏鶏太 全候補 5 「面白かったのだが、よけいなものが目立ち過ぎ、そのために、せっかくの作品の風格を落しているような気がした。」
中山義秀 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
海音寺潮五郎 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 7 「犯罪の点となると、案外に古めかしいトリックなどが使われて、現実性が失われたのは惜しい。」
村上元三 全候補 7 「推理小説としてはトリックも平凡だし、人が人をなぜ殺さなければならなかったか、という肝腎な点がぼやけてしまっている。」
小島政二郎 全候補 5 「何もかも都合よく出来ていて、人間小説の読者である私には興味が持てなかった。」
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他の候補作
伊藤桂一 「螢の河」
来水明子 『背教者』
笹沢左保 『空白の起点』
林青梧 「仁王」
杜山悠 「粟井宿の人足」
各務秀雄 「そこからの出発」
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各務秀雄「そこからの出発」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 全候補 3 「組合運動をかいて珍しいが、おちる。」
源氏鶏太 全候補 6 「ある感動を持って読んだことはたしかである。しかし、この感動は、文学的な感動とは、ちょっと違っていた。」
中山義秀 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
海音寺潮五郎 全候補 0  
今日出海 全候補 0  
松本清張 全候補 0  
村上元三 全候補 6 「物々しい文章を使っているが、生硬で素人くさい。」
小島政二郎 全候補 2 「もっと整理すべきだろう。」
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他の候補作
伊藤桂一 「螢の河」
来水明子 『背教者』
笹沢左保 『空白の起点』
林青梧 「仁王」
杜山悠 「粟井宿の人足」
陳舜臣 『枯草の根』
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