直木賞のすべて
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第31回

=受賞者=
有馬頼義

=候補者=
中村八朗
白川 渥
長谷川幸延
南條範夫
沙羅双樹
広池秋子


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 昭和29年/1954年上半期
 (昭和29年/1954年7月21日決定発表/『オール讀物』昭和29年/1954年10月号選評掲載)
選考委員  川口松太郎 大佛次郎 井伏鱒二 永井龍男 木々高太郎 吉川英治 小島政二郎
選評総行数  49 42 42 18 73 48 64
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
有馬頼義 『終身未決囚』 評言 9 27 30 13 36 21 38
中村八朗 「芽吹く頃」 評言 0 0 0 0 5 0 0
白川渥 「野猿の言葉」 評言 0 0 0 0 4 0 0
長谷川幸延 「裏道」「蝶々トンボ」 評言 0 0 0 0 8 14 0
南條範夫 「水妖記」 評言 0 15 26 0 4 13 0
沙羅双樹 「帰らぬ人々」 評言 0 0 0 0 4 0 0
広池秋子 「零下の群れ」 評言 0 0 0 0 14 4 15
    欠席
書面回答
    欠席
書面回答
 
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和29年/1954年10月号)
1行当たりの文字数:15字


選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
直木賞の既成観念を排す 総行数49 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 9 「有馬君の受賞は(引用者中略)満足であり、わたし自身の好みからいえば「皇女と乳牛」が最も好きであった。」
中村八朗 全委員 0  
白川渥 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 0  
南條範夫 全委員 0  
沙羅双樹 全委員 0  
広池秋子 全委員 0  
  「「大衆小説を書こうとして勉強し初めた作家群への不満」がはっきりした形で胸へのぼった。」「われわれはもっと視野を広くする。候補作品も大衆ものの畑だけに限定したくない。」
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他の選考委員
大佛次郎
井伏鱒二
永井龍男
木々高太郎
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選考委員大佛次郎×各候補作  見方・注意点
選後評 総行数42 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 27 「失敬な挨拶かも知れぬが、仕事を続けているとうまくなるものだ、と言うのが最初の感銘であった。」「この作家は落着いた坐り方をしている。文章にも無駄がない。材料の扱い方にも屈折自在の才能が見えている。」
中村八朗 全委員 0  
白川渥 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 0  
南條範夫 全委員 15 「このひとは、これまでにない時代小説を出そうとしているらしく、将来を期待出来る。」「小さい成功よりも失敗を重ねた方がこのひとは、為に成る。」
沙羅双樹 全委員 0  
広池秋子 全委員 0  
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他の選考委員
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選考委員井伏鱒二×各候補作  見方・注意点
総行数42 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 30 「ことに女を操る手練には一貫したセオリーがあるかのごとく、その傾向に属する場面を譬えばきめだまのようにそのつど話の区切りに持って行き、感傷的に流れることを避けている。」
中村八朗 全委員 0  
白川渥 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 0  
南條範夫 全委員 26 「「水妖記」の主人公である河童は、痛み易く傷つき易い神経を持ち、もともと胎生のものでありながら卵生の動物のように純情であり、自己批判の精神を失っていない点に風趣を覚えさせられた。」
沙羅双樹 全委員 0  
広池秋子 全委員 0  
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他の選考委員
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選考委員永井龍男×各候補作  見方・注意点
寸感 総行数18 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 13 「これより他にないなと、素直に思った。「終身未決囚」一作では不安だったものが、「政変」あたりで、これなら大丈夫だろうという気になった。」
中村八朗 全委員 0  
白川渥 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 0  
南條範夫 全委員 0  
沙羅双樹 全委員 0  
広池秋子 全委員 0  
  「場馴れのした手法なぞは、直木賞の対象とはなり難い。」
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選考委員木々高太郎×各候補作  見方・注意点
待望の作家現わる 総行数73 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 36 「この人である。僕等が久しく待ったのはこの人であった。」「権威があり、批判があり、そして他人におしつけないで興味を示して自分の意見を表現する腕がある。」
中村八朗 全委員 5 「この作者のものとしてはいつもよりよい。然し医者の人道主義も古めかしく軟弱だ。」
白川渥 全委員 4 「僕には食指を動される何者もなかった。」
長谷川幸延 全委員 8 「長谷川幸延「裏道」(小説公園)と「蝶々トンボ」(オール讀物)ならば、僕は推すつもりだった。」
南條範夫 全委員 4 「僕もこの種のものではよいと思ったが、いくつかある手である。」
沙羅双樹 全委員 4 「僕には食指を動される何者もなかった。」
広池秋子 全委員 14 「よく調べてあるのに感心し、これが大衆文学の一つの必要条件と思う」「純文学の方へ向うよりも、僕等の方へ顔をむけて、どんどん書いてゆくことを希望する。」
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選考委員吉川英治×各候補作  見方・注意点
直木賞寸感 総行数48 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 21 「手ちがいで、ぼくの所へ廻された候補作品のうちに有馬氏の作品がなかった」「思いきって簡潔であり的確な敍事をすすめてゆく筆触は毎回の候補作品をふり返っても近来の異色であるとおもい、」
中村八朗 全委員 0  
白川渥 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 14 「「裏道」などは長谷川氏自体のわびしさを作中の人物に託して書いてあるとも思われ、ほかとは技巧のうまさでかけ離れているので今度推した」
南條範夫 全委員 13 「もうそろそろ安易に達者な素質が見え出して来たような気がして惜しまれた。」
沙羅双樹 全委員 0  
広池秋子 全委員 4 「一に長谷川幸延氏、二に広池秋子氏、三に南條範夫氏という順に推薦しておいた。」
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選考委員小島政二郎×各候補作  見方・注意点
総行数64 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 全委員 38 「最後の三作には構成もあり、話術もシッカリしてい、文章にも健康なリズムが打っていて、魅力があり、何か始めて理想的な直木賞の作者を発見したような喜びに私は興奮した。」
中村八朗 全委員 0  
白川渥 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 0  
南條範夫 全委員 0  
沙羅双樹 全委員 0  
広池秋子 全委員 15 「「世間胸算用」時代の丹羽文雄のような雑多紛々のリズムが打っている。私はそこに魅力を感じた。」
  「まず文学であること。笑われるかも知れないが、直木賞はこの機会にこのことをもう一度改めてハッキリと旗幟として鮮明にして置きたいと思う。」
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永井龍男
木々高太郎
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有馬頼義『終身未決囚』×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 9 「有馬君の受賞は(引用者中略)満足であり、わたし自身の好みからいえば「皇女と乳牛」が最も好きであった。」
大佛次郎 全候補 27 「失敬な挨拶かも知れぬが、仕事を続けているとうまくなるものだ、と言うのが最初の感銘であった。」「この作家は落着いた坐り方をしている。文章にも無駄がない。材料の扱い方にも屈折自在の才能が見えている。」
井伏鱒二 全候補 30 「ことに女を操る手練には一貫したセオリーがあるかのごとく、その傾向に属する場面を譬えばきめだまのようにそのつど話の区切りに持って行き、感傷的に流れることを避けている。」
永井龍男 全候補 13 「これより他にないなと、素直に思った。「終身未決囚」一作では不安だったものが、「政変」あたりで、これなら大丈夫だろうという気になった。」
木々高太郎 全候補 36 「この人である。僕等が久しく待ったのはこの人であった。」「権威があり、批判があり、そして他人におしつけないで興味を示して自分の意見を表現する腕がある。」
吉川英治 全候補 21 「手ちがいで、ぼくの所へ廻された候補作品のうちに有馬氏の作品がなかった」「思いきって簡潔であり的確な敍事をすすめてゆく筆触は毎回の候補作品をふり返っても近来の異色であるとおもい、」
小島政二郎 全候補 38 「最後の三作には構成もあり、話術もシッカリしてい、文章にも健康なリズムが打っていて、魅力があり、何か始めて理想的な直木賞の作者を発見したような喜びに私は興奮した。」
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他の候補作
中村八朗 「芽吹く頃」
白川渥 「野猿の言葉」
長谷川幸延 「裏道」「蝶々トンボ」
南條範夫 「水妖記」
沙羅双樹 「帰らぬ人々」
広池秋子 「零下の群れ」
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中村八朗「芽吹く頃」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 0  
木々高太郎 全候補 5 「この作者のものとしてはいつもよりよい。然し医者の人道主義も古めかしく軟弱だ。」
吉川英治 全候補 0  
小島政二郎 全候補 0  
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他の候補作
有馬頼義 『終身未決囚』
白川渥 「野猿の言葉」
長谷川幸延 「裏道」「蝶々トンボ」
南條範夫 「水妖記」
沙羅双樹 「帰らぬ人々」
広池秋子 「零下の群れ」
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白川渥「野猿の言葉」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 0  
木々高太郎 全候補 4 「僕には食指を動される何者もなかった。」
吉川英治 全候補 0  
小島政二郎 全候補 0  
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他の候補作
有馬頼義 『終身未決囚』
中村八朗 「芽吹く頃」
長谷川幸延 「裏道」「蝶々トンボ」
南條範夫 「水妖記」
沙羅双樹 「帰らぬ人々」
広池秋子 「零下の群れ」
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長谷川幸延「裏道」「蝶々トンボ」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 0  
木々高太郎 全候補 8 「長谷川幸延「裏道」(小説公園)と「蝶々トンボ」(オール讀物)ならば、僕は推すつもりだった。」
吉川英治 全候補 14 「「裏道」などは長谷川氏自体のわびしさを作中の人物に託して書いてあるとも思われ、ほかとは技巧のうまさでかけ離れているので今度推した」
小島政二郎 全候補 0  
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他の候補作
有馬頼義 『終身未決囚』
中村八朗 「芽吹く頃」
白川渥 「野猿の言葉」
南條範夫 「水妖記」
沙羅双樹 「帰らぬ人々」
広池秋子 「零下の群れ」
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南條範夫「水妖記」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 0  
大佛次郎 全候補 15 「このひとは、これまでにない時代小説を出そうとしているらしく、将来を期待出来る。」「小さい成功よりも失敗を重ねた方がこのひとは、為に成る。」
井伏鱒二 全候補 26 「「水妖記」の主人公である河童は、痛み易く傷つき易い神経を持ち、もともと胎生のものでありながら卵生の動物のように純情であり、自己批判の精神を失っていない点に風趣を覚えさせられた。」
永井龍男 全候補 0  
木々高太郎 全候補 4 「僕もこの種のものではよいと思ったが、いくつかある手である。」
吉川英治 全候補 13 「もうそろそろ安易に達者な素質が見え出して来たような気がして惜しまれた。」
小島政二郎 全候補 0  
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他の候補作
有馬頼義 『終身未決囚』
中村八朗 「芽吹く頃」
白川渥 「野猿の言葉」
長谷川幸延 「裏道」「蝶々トンボ」
沙羅双樹 「帰らぬ人々」
広池秋子 「零下の群れ」
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沙羅双樹「帰らぬ人々」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 0  
木々高太郎 全候補 4 「僕には食指を動される何者もなかった。」
吉川英治 全候補 0  
小島政二郎 全候補 0  
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他の候補作
有馬頼義 『終身未決囚』
中村八朗 「芽吹く頃」
白川渥 「野猿の言葉」
長谷川幸延 「裏道」「蝶々トンボ」
南條範夫 「水妖記」
広池秋子 「零下の群れ」
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広池秋子「零下の群れ」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 全候補 0  
大佛次郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 0  
木々高太郎 全候補 14 「よく調べてあるのに感心し、これが大衆文学の一つの必要条件と思う」「純文学の方へ向うよりも、僕等の方へ顔をむけて、どんどん書いてゆくことを希望する。」
吉川英治 全候補 4 「一に長谷川幸延氏、二に広池秋子氏、三に南條範夫氏という順に推薦しておいた。」
小島政二郎 全候補 15 「「世間胸算用」時代の丹羽文雄のような雑多紛々のリズムが打っている。私はそこに魅力を感じた。」
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他の候補作
有馬頼義 『終身未決囚』
中村八朗 「芽吹く頃」
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