直木賞のすべて
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第28回

=受賞者=
立野信之

=候補者=
沙羅双樹
長谷川幸延
松本清張
北条 誠
中村八朗


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 昭和27年/1952年下半期
 (昭和28年/1953年1月19日/『オール讀物』昭和28年/1953年4月号選評掲載)
選考委員  大佛次郎 川口松太郎 井伏鱒二 永井龍男 吉川英治 小島政二郎 木々高太郎
選評総行数  38 27 20 44 68 56 50
評言 評言 評言 評言 評言 評言 評言
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
立野信之 「叛乱」 評言 26 25 20 21 33 0 23
沙羅双樹 「獄門帳」 評言 0 4 0 7 18 0 6
長谷川幸延 「老残」 評言 12 0 0 9 15 42 17
松本清張 「或る『小倉日記』伝」 評言 0 0 0 8 4 10 0
北条誠 「白扇」 評言 0 0 0 5 4 0 5
中村八朗 「紋章家族」 評言 0 0 0 2 4 0 3
  欠席       欠席  
見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『オール讀物』昭和28年/1953年4月号)
1行当たりの文字数:15字


選考委員大佛次郎×各候補作  見方・注意点
立野君の受賞を喜ぶ 総行数38 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 26 「作者の物を見る目は、位置に狂いがなく、平衡を失わず冷静である。事件に関係した生存者も残っているのだから、書きにくかった仕事に違いないのを、よく成功させたものだと思う。」
沙羅双樹 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 12 「一度、型を破って見せて貰い度い、と望むのは、選者の贅沢だろうか?」「長谷川君の完成が反対に受賞の妨げに成ったような感じを不思議だと思った。」
松本清張 全委員 0  
北条誠 全委員 0  
中村八朗 全委員 0  
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他の選考委員
川口松太郎
井伏鱒二
永井龍男
吉川英治
小島政二郎
木々高太郎
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選考委員川口松太郎×各候補作  見方・注意点
選後感 総行数27 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 25 「これだけの大作を仕上げる丹精は一通りでない、作品の興味の外に、事実調査の繁雑さが加わる。」「同君の才能を知るわたしは、単なる実話作家に終らせたくないと思う心情切なるものがある。」
沙羅双樹 全委員 4 「大衆小説の本道を行く作品と考えて第一候補に押した。」
長谷川幸延 全委員 0  
松本清張 全委員 0  
北条誠 全委員 0  
中村八朗 全委員 0  
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他の選考委員
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選考委員井伏鱒二×各候補作  見方・注意点
「叛乱」を推す 総行数20 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 20 「いやみのない労作だと思ったので私はこの作品を推した。」「終始一貫、気取りのない筆致も男らしい。」
沙羅双樹 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 0  
松本清張 全委員 0  
北条誠 全委員 0  
中村八朗 全委員 0  
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小島政二郎
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選考委員永井龍男×各候補作  見方・注意点
新鮮になった直木賞 総行数44 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 21 「いろいろな批評もあろうが、山積した材料に圧されることなく、大作を仕上げた立野氏に敬意を表したい。」
沙羅双樹 全委員 7 「一作の工夫に並々ならぬものがあり、作者の野心を読みとることが出来た。」
長谷川幸延 全委員 9 「まことに完成された作品で、これ以上の手腕を望むべきではない処まで達しているが、その完成さが却って危惧を感じさせた。」
松本清張 全委員 8 「芥川賞を授賞された。直木賞委員会席上で、(引用者中略)直木賞候補に推すのは、畑違いでひいきの引き倒しであると、私は蛇足を加えたので、後にこのことを知って欣快に堪えない。」
北条誠 全委員 5 「欠席された小島委員が「この作者のものとしては、いい作品とは云えない」と云った意味の書信を寄せられていた。私も同感である。」
中村八朗 全委員 2 「中村氏の二作に就ても(引用者注:北条誠の選評と)同様のことが云えると思う。」
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小島政二郎
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選考委員吉川英治×各候補作  見方・注意点
寸感 総行数68 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 33 「圧倒的位置にあるものと初めから思った。それでもなお自分だけの買いすぎではと思い、随所を再読したりして確信をもったうえ審査員会に出むいた。」
沙羅双樹 全委員 18 「あの内容と構想をにぎったとき、もっとていねいに扱うべきではなかったかと惜まれる。せっかくの素材を一気に書きあげてしまい、少し調子づき過ぎている嫌いがある。」
長谷川幸延 全委員 15 「いつでも授賞資格にあたいする立派な作家だが、たとえば延若の晩年を寸描したこの一作などいかにも小味で、一候補作品として展列されるばあい、これだけでは力不足でつい選に洩れることになってしまう。」
松本清張 全委員 4 「芥川賞の方でとりあげられたのは、「西郷札」の作家としてどう考えているだろうか。」
北条誠 全委員 4 「毎度、愛惜を覚えながらこんどの作品は自分としては推し難かった。」
中村八朗 全委員 4 「毎度、愛惜を覚えながらこんどの作品は自分としては推し難かった。」
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選考委員小島政二郎×各候補作  見方・注意点
長谷川君のペーソス 総行数56 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 0  
沙羅双樹 全委員 0  
長谷川幸延 全委員 42 「戦争前の「直木賞」の時、もう少しで授賞作品になりそうになった「冠婚葬祭」を思い出して、(引用者中略)この作品に賞を授けて下さい。」「この作品に流れているペーソスは、これまでの長谷川君の作品の中にあった濁ったそれと違い、清純で、本当の物だと思います。」
松本清張 全委員 10 「「西郷札」の作者が、こういう「文学」を書くに到ったことは、大変な成長だと思います。私はこの作品を押したいのですが、しかし、考えて見ると、どうも「直木賞」の作品ではなさそうです。」
北条誠 全委員 0  
中村八朗 全委員 0  
  「余儀ない事情で欠席します。一回も欠席したことがないだけに、誠に残念です。」
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選考委員木々高太郎×各候補作  見方・注意点
よく調べてある 総行数50 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
立野信之 全委員 23 「史観としても主役を演ずる思想も人物もなくて、あんな大事件を起こすことがあるということを、この作品で恐ろしいほどかいている。」
沙羅双樹 全委員 6 「(引用者注:委員会で立野信之の授賞に異議がなるようなら)沙羅双樹「獄門帳」を推し度いと思って来た、」
長谷川幸延 全委員 17 「「老残」は実によく出来ているが、大衆作品としてどうも新鮮な、新生面を切り開いているというところがない。」
松本清張 全委員 0  
北条誠 全委員 5 「「紋章家族」は諷刺なら諷刺に徹底しないといけない。」
中村八朗 全委員 3 「感慨だけの小説で、これが大衆文学の悪しき一面の代表であろう。」
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他の選考委員
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川口松太郎
井伏鱒二
永井龍男
吉川英治
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立野信之「叛乱」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 26 「作者の物を見る目は、位置に狂いがなく、平衡を失わず冷静である。事件に関係した生存者も残っているのだから、書きにくかった仕事に違いないのを、よく成功させたものだと思う。」
川口松太郎 全候補 25 「これだけの大作を仕上げる丹精は一通りでない、作品の興味の外に、事実調査の繁雑さが加わる。」「同君の才能を知るわたしは、単なる実話作家に終らせたくないと思う心情切なるものがある。」
井伏鱒二 全候補 20 「いやみのない労作だと思ったので私はこの作品を推した。」「終始一貫、気取りのない筆致も男らしい。」
永井龍男 全候補 21 「いろいろな批評もあろうが、山積した材料に圧されることなく、大作を仕上げた立野氏に敬意を表したい。」
吉川英治 全候補 33 「圧倒的位置にあるものと初めから思った。それでもなお自分だけの買いすぎではと思い、随所を再読したりして確信をもったうえ審査員会に出むいた。」
小島政二郎 全候補 0  
木々高太郎 全候補 23 「史観としても主役を演ずる思想も人物もなくて、あんな大事件を起こすことがあるということを、この作品で恐ろしいほどかいている。」
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他の候補作
沙羅双樹 「獄門帳」
長谷川幸延 「老残」
松本清張 「或る『小倉日記』伝」
北条誠 「白扇」
中村八朗 「紋章家族」
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沙羅双樹「獄門帳」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 4 「大衆小説の本道を行く作品と考えて第一候補に押した。」
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 7 「一作の工夫に並々ならぬものがあり、作者の野心を読みとることが出来た。」
吉川英治 全候補 18 「あの内容と構想をにぎったとき、もっとていねいに扱うべきではなかったかと惜まれる。せっかくの素材を一気に書きあげてしまい、少し調子づき過ぎている嫌いがある。」
小島政二郎 全候補 0  
木々高太郎 全候補 6 「(引用者注:委員会で立野信之の授賞に異議がなるようなら)沙羅双樹「獄門帳」を推し度いと思って来た、」
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他の候補作
立野信之 「叛乱」
長谷川幸延 「老残」
松本清張 「或る『小倉日記』伝」
北条誠 「白扇」
中村八朗 「紋章家族」
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長谷川幸延「老残」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 12 「一度、型を破って見せて貰い度い、と望むのは、選者の贅沢だろうか?」「長谷川君の完成が反対に受賞の妨げに成ったような感じを不思議だと思った。」
川口松太郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 9 「まことに完成された作品で、これ以上の手腕を望むべきではない処まで達しているが、その完成さが却って危惧を感じさせた。」
吉川英治 全候補 15 「いつでも授賞資格にあたいする立派な作家だが、たとえば延若の晩年を寸描したこの一作などいかにも小味で、一候補作品として展列されるばあい、これだけでは力不足でつい選に洩れることになってしまう。」
小島政二郎 全候補 42 「戦争前の「直木賞」の時、もう少しで授賞作品になりそうになった「冠婚葬祭」を思い出して、(引用者中略)この作品に賞を授けて下さい。」「この作品に流れているペーソスは、これまでの長谷川君の作品の中にあった濁ったそれと違い、清純で、本当の物だと思います。」
木々高太郎 全候補 17 「「老残」は実によく出来ているが、大衆作品としてどうも新鮮な、新生面を切り開いているというところがない。」
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他の候補作
立野信之 「叛乱」
沙羅双樹 「獄門帳」
松本清張 「或る『小倉日記』伝」
北条誠 「白扇」
中村八朗 「紋章家族」
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松本清張「或る『小倉日記』伝」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 8 「芥川賞を授賞された。直木賞委員会席上で、(引用者中略)直木賞候補に推すのは、畑違いでひいきの引き倒しであると、私は蛇足を加えたので、後にこのことを知って欣快に堪えない。」
吉川英治 全候補 4 「芥川賞の方でとりあげられたのは、「西郷札」の作家としてどう考えているだろうか。」
小島政二郎 全候補 10 「「西郷札」の作者が、こういう「文学」を書くに到ったことは、大変な成長だと思います。私はこの作品を押したいのですが、しかし、考えて見ると、どうも「直木賞」の作品ではなさそうです。」
木々高太郎 全候補 0  
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他の候補作
立野信之 「叛乱」
沙羅双樹 「獄門帳」
長谷川幸延 「老残」
北条誠 「白扇」
中村八朗 「紋章家族」
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北条誠「白扇」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 5 「欠席された小島委員が「この作者のものとしては、いい作品とは云えない」と云った意味の書信を寄せられていた。私も同感である。」
吉川英治 全候補 4 「毎度、愛惜を覚えながらこんどの作品は自分としては推し難かった。」
小島政二郎 全候補 0  
木々高太郎 全候補 5 「「紋章家族」は諷刺なら諷刺に徹底しないといけない。」
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他の候補作
立野信之 「叛乱」
沙羅双樹 「獄門帳」
長谷川幸延 「老残」
松本清張 「或る『小倉日記』伝」
中村八朗 「紋章家族」
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中村八朗「紋章家族」×各選考委員  見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 全候補 0  
川口松太郎 全候補 0  
井伏鱒二 全候補 0  
永井龍男 全候補 2 「中村氏の二作に就ても(引用者注:北条誠の選評と)同様のことが云えると思う。」
吉川英治 全候補 4 「毎度、愛惜を覚えながらこんどの作品は自分としては推し難かった。」
小島政二郎 全候補 0  
木々高太郎 全候補 3 「感慨だけの小説で、これが大衆文学の悪しき一面の代表であろう。」
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他の候補作
立野信之 「叛乱」
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北条誠 「白扇」
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