直木賞のすべて
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選評の概要
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Last Update[H20]2008/2/23

司馬遼太郎
Shiba Ryotaro
生没年月日【注】 大正12年/1923年8月7日〜平成8年/1996年2月12日
在任期間 第62回〜第82回(通算10.5年・21回)
在任年齢 46歳4ヶ月〜56歳4ヶ月
経歴 本名=福田定一。大阪府生まれ。大阪外国語大学モンゴル語科卒。
受賞歴 第8回講談倶楽部賞(昭和31年/1956年)「ペルシャの幻術師」
第14回菊池寛賞(昭和41年/1966年)『竜馬がゆく』『国盗り物語』
大阪芸術賞(昭和42年/1967年)
第9回毎日芸術賞(昭和43年/1968年)『殉死』
第30回文藝春秋読者賞(昭和43年/1968年)『歴史を紀行する』
第3回新風賞(昭和43年/1968年)『竜馬がゆく』
第6回吉川英治文学賞(昭和47年/1972年)『世に棲む日日』
第32回恩賜賞・日本藝術院賞[文芸/小説・戯曲](昭和50年/1975年)
第33回読売文学賞小説賞(昭和56年/1981年)『ひとびとの跫音』
朝日賞(昭和57年/1982年)「歴史小説の革新」
第37回NHK放送文化賞(昭和60年/1985年度)
第16回日本文学大賞[学芸部門](昭和59年/1984年)『街道をゆく――南蛮のみち』
第38回読売文学賞随筆・紀行賞(昭和61年/1986年)『ロシアについて』
第15回大佛次郎賞(昭和63年/1988年)『韃靼疾風録』
明治村賞(昭和63年/1988年)
文化功労者(平成3年/1991年)
文化勲章(平成5年/1993年)
東大阪市名誉市民(平成8年/1996年)
第1回井原西鶴賞(平成8年/1996年)
処女作 「ペルシャの幻術師」(昭和31年/1956年)
個人全集 『司馬遼太郎全集』全50巻(昭和56年/1981年12月〜昭和59年/1984年9月・文藝春秋刊)
直木賞候補歴 第42回受賞 『梟の城』(昭和34年/1959年9月・講談社刊)
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

直木賞 62 昭和44年/1969年下半期   一覧へ
選評の概要 わるい時期 総行数59 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
河村健太郎 23 「どれかをえらばねばならぬとしたら、河村健太郎氏の「おたまじゃくしは蛙の子」だろうかと思った。」「男の筆者が女の作り声で書いてみごとな芸になっているという達者さに驚嘆した。」「(引用者注:最後に「藤田嗣治」と残ったとき)強く推すほどの気持が、私にはなかった。」「しかし、いまでもこの作品が受賞してもよかったのではないかという気持が、かすかにのこっている。」
  「直木賞的な分野にあたらしい小説がおこることは、ここしばらくないかもしれないと悲観的な、というより絶望的な予想をもっていたやさき、皮肉にも審査員の末席につらなることになった。」「わるい時期に顔を出したと思っている。」「こんどの候補作品には、賞にあたいするようなものがなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年4月号
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直木賞 63 昭和45年/1970年上半期   一覧へ
選評の概要 二作を推す 総行数61 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
結城昌治 6 「候補作を読みおわって、結城昌治氏の「軍旗はためく下に」が他より数等卓れていた。」
渡辺淳一 12 「感服した。軍人というのはときに精神医学の対象になりうる職業で、その特有の出世欲がなにかの条件で絶たれざるをえなくなるばあい、他の職業人にないヒステリー症状をおこす症例が古くからヨーロッパで観察されているそうだが、この作品を読んでそのことを思い出した。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年10月号
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直木賞 64 昭和45年/1970年下半期   一覧へ
選評の概要 ナシが本音だが 総行数59 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
広瀬正 16 「一読者として一番面白かった」「この人の空想能力と空想構築の堅牢さにおどろいた。」「七分目がた、これを推した。が、どうもぶ(原文傍点)がわるく、ぶ(原文傍点)の悪い理由もよくわかるから、途中で推しつづける根気をうしなった。」
豊田穣 7 「受賞作なしというのが本音だったが、石坂委員が、努力して掬いあげるべきです、といわれたのに発奮し、作品になじみのふかい豊田穣氏「長良川」に過不足無さを感じ、これを推した。」
  「こんどはいわば不作で、どの作品を推していいのかわからないままに出席した。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
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直木賞 65 昭和46年/1971年上半期   一覧へ
選評の概要 怨みと志 総行数57 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「とにかく今回はなしということになった。淋しくはあったが正直なところ、ほっとする気持もあった。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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直木賞 66 昭和46年/1971年下半期   一覧へ
選評の概要 二つの作品 総行数58 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
広瀬正 32 「私は広瀬正氏の「エロス」を推した。」「この小説の設定につかわれた人間も空間も時間も、フラスコや試験管といったふうの実験器具として組みあわされ、作者自身は白い実験衣を着た進行係にすぎず、実験の進められようが非現実的であっても、遊戯としてわりきってしまえばじつにおもしろい。」「才能(広瀬氏のは従来の文学的才能ではなさそうである)という点では、私は三作(引用者注:「エロス」と前候補作二つ)とも頭がさがった。」
田中小実昌 17 「脈搏と血の温度を感じさせる文体によっていかがわしいほどにナマな現実の世界に誘い入れてくれた。」「読みやめることを許さない力をもっていたのは、(引用者中略)生きものくさい臭気や体温の懐しさについつい誘われつづけてしまったせいであるにちがいない。」
  「事務局がどうにか水準以上の候補作をさがすのに苦心惨憺しているような印象で、気の早い言い方で恐縮だが、この賞の小説世界の電圧が一般に低下しているのではないかと思ったりする。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年4月号
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直木賞 67 昭和47年/1972年上半期   一覧へ
選評の概要 三つの作品について 総行数64 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
綱淵謙錠 35 「作品以前の創作態度の重厚さが、作品のなかにまで露わなほどに出ていて、読後いい作品に接したよろこびよりも、いまの世にこういう大真面目な創作態度をもつひとがいたのかという感動のほうが大きかった。」
井上ひさし 24 「うそのあざやかさには目をみはるおもいがした。作品そのものには多少の瑕瑾を指摘できるし、「斬」のように残るものではないであろう。しかしこれを書いた才腕の前には、たれもが叩頭せざるをえないのではないか。」
  「こんどは粒がそろっていた。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年10月号
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直木賞 68 昭和47年/1972年下半期   一覧へ
選評の概要 何物かという点 総行数60 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「席上、多少の議論もあった。もっとも甲論乙駁というような議論でなく、なんとか受賞者が出せないものかという焦りによるところの、いわば血圧の低いぼやきで、そのあげくのはて異例の無記名投票までおこなわれ、今回はなしということになった。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年4月号
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直木賞 69 昭和48年/1973年上半期   一覧へ
選評の概要 必ずしも優れぬが 総行数65 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
長部日出雄 52 「『もも』の天才がみごとに描写されていたし、その天才による昂揚と、その後にくるすさまじい失落が、いまも影絵のように私の心の中で動いている。ただ文章のキメの粗さが気になり、最初から推してはみたものの受賞まで漕ぎつけるかどうか、不安だった。」「かつて次点になった作品群よりこれらがすぐれているとは、かならずしもいえない。」
藤沢周平 18 「この作品は、いわばただの時代小説である。」「ただ端正につくった上手物の焼物という感じだが、ともかくも膚質のきれいさがすてがたいというところがあった。」「かつて次点になった作品群よりこれらがすぐれているとは、かならずしもいえない。」
  「前回に受賞作がなかったことが、すこし標的を大きくする気分が働いたともいえるかもしれない。今回も、目を見はるような作品はなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年10月号
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直木賞 70 昭和48年/1973年下半期   一覧へ
選評の概要 “凄味”の欠如 総行数55 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「これはごく通常の周期なのだろうが、目をみはらされるような作品がない。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年4月号
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直木賞 71 昭和49年/1974年上半期   一覧へ
選評の概要 「鬼の詩」を 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
藤本義一 35 「候補七編のうち、(引用者中略)ぬきん出た作品だった。」「初代春団治もまかりまちがえばこの作品の主人公のようなバケモノになりかねない所があったが、春団治の天才性がそれを救った。この主人公には十分な才能がなかったために、春団治にはなれずにバケモノになってしまった。その人間の問題のきわどさが、この作品によってよくわかるような気がした。」
半村良 3 「おもしろかったし、作者の才能の豊かさを感じさせた。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年10月号
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直木賞 72 昭和49年/1974年下半期   一覧へ
選評の概要 包丁芸のうまさ 総行数81 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
半村良 26 「手だれの料理人が、目の前で、軽い素材ながらあざやかに一品料理を作ってみせたような包丁芸のうまさがあり、この作家のすぐれた資質を感じさせた。作品は軽いものだけに受賞に値するかどうかの不安があったが、私も推し、幸い最後まで残った。」
井出孫六 32 「話の筋さえうまくつかむことができず、読んでいてもその世界に酔うことができなかった。」「自分にはこの作品の理解力がなさそうですからといって、良否についての発言はしなかった。」
  「今回は、昂奮させられるような作品にめぐまれなかったのではないか。」
選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年4月号
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直木賞 74 昭和50年/1975年下半期   一覧へ
選評の概要 あたらしい方法 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
田中光二 20 「読者としては、田中光二氏「大いなる逃亡」がおもしろかった。頭から大うその世界へ入ってゆける楽しみは大げさにいえば心が躍るようである。」「が、私だけが面白がっていることが賞になるのかということになると、疑問を感じてしまう。」「受賞しないということも、ある意味ではこの種の娯楽性の高い作品にとって一つの名誉であるとも思った。」
佐木隆三 30 「娯楽で読む人はすくないにちがいない。」「人間の形をした「空白」をのぞきこんだとき、ごく一般的な作法によるなまなかな饒舌よりも人間のぶきみさについて、はるかに内容の深い何事かを感じさせる。」
  「こういう選考というのは私には苦手で、経験を経るに従って迷いの振幅が大きくなってくる。」
選評出典:『オール讀物』昭和51年/1976年4月号
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直木賞 75 昭和51年/1976年上半期   一覧へ
選評の概要 人間の希薄さ 総行数66 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「このように不作の季節に出くわすと、気が滅入ってしまう。」
選評出典:『オール讀物』昭和51年/1976年9月号
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直木賞 76 昭和51年/1976年下半期   一覧へ
選評の概要 こども・おとな 総行数65 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三好京三 15 「小説としての完成度も高く、何賞であれ、十分受賞に値する作品とおもわれた。」
三浦浩 31 「事件が、ナチの残党の再建への欲望というひどく古典的な核によって成立しているのもおもしろい。」「(引用者注:このような)小説は子供っぽい想像性から創造されるだけに、高い知性と文章力が必要とされる」「私は(引用者注:「子育てごっこ」と「さらば静かなる時」の)両作品を推したのだが、「さらば……」は多くの賛成は得なかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年4月号
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直木賞 77 昭和52年/1977年上半期   一覧へ
選評の概要 「偏私」と「公平」 総行数66 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「私はこの賞を頂いたから、恩返しのつもりで選考委員の一人をつとめてきたが、どうも自分の性格からみて、こういう仕事に適合しているとは思えない。」「自分が推さなかった作品を他の委員がつよく推した場合、そういうこともあるのかと驚いてしまい、これは今後何年も残るな、とその瞬間から思い、気持が暗くなってしまう。」「このたびは、私は最初から受賞作がないと思っていたから、個々の選評は勝手ながら省かせて頂く。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年10月号
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直木賞 78 昭和52年/1977年下半期   一覧へ
選評の概要 読後感 総行数70 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「どの作品についても推す委員が不足で、推すといってもとくにこれを受賞作にという発言がなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和53年/1978年4月号
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直木賞 79 昭和53年/1978年上半期   一覧へ
選評の概要 ふしぎな精神 総行数67 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
色川武大 12 「べつに生きたくて生きているわけでもない――といって格別な厭世観をもっているわけでもない――男女をさりげなく短編世界に生かしてしまっている。腕もさることながら、作者のふしぎな精神のほうにつよい傾斜を感じた。」
津本陽 14 「上手な小説でもないが、主題への骨太い実直さと、それと無縁ではない現実感のおびただしい累積が、ロシアの画家の不器用なデッサンを見るような迫力を感じさせた。」
深田祐介 6 「登場人物を作者のすぐれた才気でてきぱきと造形化しつつ、ビジネスの社会を喜劇化してみせた手練は容易なものではない。」
選評出典:『オール讀物』昭和53年/1978年10月号
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ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
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