直木賞のすべて
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選評の概要
3940.
4142434445.
4647484950.
5152535455.
5657585960.
6162636465.
6667686970.
7172737475.
7677787980.
8182838485.
8687888990.
9192.

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源氏鶏太
Genji Keita
生没年月日【注】 明治45年/1912年4月19日〜昭和60年/1985年9月12日
在任期間 第39回〜第92回(通算27年・54回)
在任年齢 46歳2ヶ月〜72歳8ヶ月
経歴 本名=田中富雄。富山県生まれ。富山商業学校卒。
受賞歴 第17回サンデー毎日大衆文芸選外佳作(昭和10年/1935年)「あすも青空」
第5回吉川英治文学賞(昭和46年/1971年)『口紅と鏡』『幽霊になった男』
紫綬褒章(昭和51年/1976年)
勲三等瑞宝章(昭和58年/1983年)
処女作 「村の代表選手」(昭和9年/1934年)
直木賞候補歴 第23回候補 「随行さん」(『オール讀物』昭和25年/1950年6月号)
第24回候補 「木石に非ず」(『週刊朝日』昭和25年/1950年秋の増刊号[8月5日])
第25回受賞 「英語屋さん」(『週刊朝日』昭和26年/1951年夏期増刊号[6月12日])その他
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part5
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
7件/最新は平成20年/2008年4月20日記事(このページの下部にリンクあり)
備考 『三等重役』などサラリーマン小説の第一人者として活躍。
高度経済成長へと向かう会社社会の時代を感じさせます。
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

直木賞 39 昭和33年/1958年上半期   一覧へ
選評の概要 通らなかった三篇について 総行数36 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
草川俊 9 「構成その他に、多少の難があるが、重厚な味があって、しかも、登場人物が描きわけられていて、面白かった。」
棟田博 14 「人間の運命が、戦時を中心にして、過去、現在、未来にわたり、文字通り、生と死の間に描かれていて、戦争文学というと、徒らに反戦的な作品の多い中で、異色の作と思った。」
多岐川恭 8 「推理小説としてでなく、普通の文学作品として読んで、悪くなかった。」
榛葉英治 6 「かりに、「赤い雪」が選ばれなかったとしたら、私にとって、ひどく、後味の悪いものになったであろう。」
山崎豊子 3  
選評出典:『オール讀物』昭和33年/1958年10月号
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直木賞 40 昭和33年/1958年下半期   一覧へ
選評の概要 「二つの虹」を 総行数40 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
野口冨士男 12 「最も推した。」「山陰地方の雨の季節のいんうつさが、この作品で、見事に生かされていた。登場人物も、それぞれ、個性があって、申し分がない。とにかく、うまい。」
深田祐介 6 「読んでいて、たのしかった。」「が、作者の今後に期待する意味で、残された。」
多岐川恭 7 「前回の候補作「氷柱」の方がいい。」「私は「氷柱」を記憶していたので、最後の決戦投票には、これに投じた。」
城山三郎 6 「文句なしに面白かった。が、この面白さに、私は、一抹の疑義を感じたので、積極的に推すことをためらった。」
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年4月号
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直木賞 41 昭和34年/1959年上半期   一覧へ
選評の概要 「馬淵川」を推す 総行数32 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
渡辺喜恵子 15 「候補作品の中で抜群のように思った。」「人間の生涯ということについて、あらためて考えさせられる。」「敢て、この作品を推したのは、直木賞を得ることによって、この作品は、永く光りを失わないだろうと思い、そうなってほしかったからである。」
池波正太郎 7 「この小説の主人公には魅力があり、そのように爽やかに描かれてあり、人間の裏と表が、嫌味なく描かれてあり、直木賞には落ちたが、私は、それを惜しいと思っている。」
平岩弓枝 4 「うまいけれども、人情話に終っているように思われた。どこか古風で、若い作家らしくない。」
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年10月号
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直木賞 42 昭和34年/1959年下半期   一覧へ
選評の概要 「梟の城」のロマン 総行数39 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
司馬遼太郎 12 「「梟の城」一本のつもりで、選考会に出席した。」「近頃の大衆小説が忘れているロマンというものを強く描き出している点で、直木賞にふさわしいと思った。」
杉森久英 11 「今も佳作と信じている。この作品は、もっと重く書いてあれば、もっと点を得たかもわからない。しかし、この軽さが貴重なのだ、と思っている。」
戸板康二 5 「推理小説としての面白さはあるけれども、一種の遊戯に終っているような気がして、まだ、直木賞ではなかったと感じている。」
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年4月号
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直木賞 43 昭和35年/1960年上半期   一覧へ
選評の概要 黒岩氏を推す 総行数50 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
黒岩重吾 12 「いちばんよかったように思う。」「登場人物の一人一人が魅力あるように描かれていて、推理小説でありながら再読に値いする。伏線の張り方も見事だし、殺人の必然性も感じられる。」
北川荘平 11 「一種のサラリーマン小説であり、同じくサラリーマン小説を書く私が面白かったのだが、他の選者には面白くなかったようだ。」
佐野洋 6 「私には面白かったのだ。その面白さとは、推理小説でありながら、すうっと入っていけるところにあったのだが、賛成者がすくなかった。」
池波正太郎 4 「この人の過去に、もっといい作品があった。一種の努力賞であろう。」
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年10月号
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直木賞 44 昭和35年/1960年下半期   一覧へ
選評の概要 新人らしい力作感 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
黒岩重吾 10 「一気に読ませる面白さに満ちていた。」「真正面から取り組んでいて、如何にも新人らしい力作感に溢れていた。」
寺内大吉 10 「読んでいて胸のすくような面白さを感じさせられた。」「かりに難をいえば、シリーズ物になっているために、尼さんである秀蓮さんに注ぐべき力が軽くなっていることであろう。」
畷文兵 4 「空想力を私は高く買ったのだが、他の委員たちの賛同を得られなくて残念であった。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年4月号
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直木賞 45 昭和36年/1961年上半期   一覧へ
選評の概要 惜しかった永岡氏 総行数45 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
永岡慶之助 17 「いいと思った。」「水上氏の授賞がきまりかけたとき、他にもう一人、文壇に新風を吹き込む意味からも永岡氏を強く推した」「実に丹念に描いてあって、気持よかった。」
水上勉 5 「いいと思った。」
永井路子 9 「いいと思った。」「登場人物がそれぞれ生きていて、味わいが深かった。ちゃんとした小説になっているのに、想ったほど票が集まらなかったのは意外であった。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年10月号
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直木賞 46 昭和36年/1961年下半期   一覧へ
選評の概要 清冽な泉の後味 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
伊藤桂一 17 「何か清冽な泉を感じさせるような後味があり、これは、近頃のどぎつい大衆文芸に欠けているものである。」
杜山悠 14 「調べたことを残らず書いてあるという難はあるが、しかし、下層階級のたくさんの登場人物の感情の動きを鮮明に描いている。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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直木賞 47 昭和37年/1962年上半期   一覧へ
選評の概要 「乱世詩人伝」を推す 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
野村尚吾 14 「多少パンチに欠けるうらみもあるが、歴史上でも有名な詩人たちの姿を、作者の有情の目を以て描いて、そこに人生というものをいろいろと考えさせてくれる」「今でも佳作である、と信じている。」
金子明彦 5 「私は、相当高く買った。最後の「無罪の意である」との一語が、この残酷物語をぐっと引きしめている。」
杉森久英 11 「島田清次郎を刻明に調べた努力には敬服した。」「伝記としては上等であっても、小説としては、どうであろうか。」
  「今回は、授賞作品なしということになるのではないか、と思った。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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直木賞 48 昭和37年/1962年下半期   一覧へ
選評の概要 堂々たる「孤愁の岸」 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
杉本苑子 13 「こんどはこれだな、と思った。堂々たる労作であり、個々の人物の描き方も優れている。」「今後、省略ということを頭に入れて書いたら、印象が更に鮮やかになりそうに思った。」
山口瞳 10 「新鮮さを感じた。」「私は、小説というよりも、気の利いた随筆として読んだ。こういう才能が、今後どのように展開していくか興味がある。」
笹沢左保 9 「私は、高点をつけた。格調の高い好短篇になっていると思ったからである。が、笹沢氏は、あまりにも有名になり過ぎていて、それで損をしたようなところもないでなかったようだ。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年4月号
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直木賞 49 昭和38年/1963年上半期   一覧へ
選評の概要 この一作だけで 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
佐藤得二 20 「私は、この作者が今後職業作家として、かりに立っていけなくても、この一作のために、そして、この作品の名を残しておくためにも直木賞をあげたいと思った。」「長い間、この人生をじっくり眺めて来た人だけが書き得る小説であろう。」
梶山季之 20 「なかなかの力作で一気に読んだ。最後にいたって、ややつくり物という気にさせられたが、しかし、致命的な欠点でもなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年10月号
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直木賞 50 昭和38年/1963年下半期   一覧へ
選評の概要 惜しかった「廓育ち」 総行数55 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
和田芳恵 12 「和田さんの小説は、私ははじめて読んだのだがそのうまいのにおどろいた。文句のつけようがない。」
川野彰子 6 「高く評価した。ちゃんと芯が通っていて立派だと思った。古いという評もあったが、私は、そう思っていない、」
安藤鶴夫 33 「安藤鶴夫さんは、有名過ぎる程の人であり、(引用者中略)そういう人を候補者にすることは、却って失礼に当りはせぬか、ということでもあった。私もその説に賛成であった。」
選評出典:『オール讀物』昭和39年/1964年4月号
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直木賞 51 昭和39年/1964年上半期   一覧へ
選評の概要 もっと新風を 総行数50 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
林青梧 23 「力作である。よく調べてあり、そこに敬意を表するが、しかし、小説的な部分がどうもうまく描けていないので、そこに敢て推し切れなかった弱味があるような気がした。」
  「私は、とにかく誰かにやるべきだと主張した一人であり、(引用者注:林青梧、宮地佐一郎、真木桂之助のいずれかの作品なら)授賞作としても必ずしも恥かしくないと思った。」
選評出典:『オール讀物』昭和39年/1964年10月号
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直木賞 52 昭和39年/1964年下半期   一覧へ
選評の概要 気力充実 総行数55 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
永井路子 16 「作者の気力が充実している。授賞の時期があるとすれば、今だと思った。」「面白さにも申し分がなかった。が、この作者は、次にどこへ行くか、であろう。」
安西篤子 12 「これは一種独特の香気に満ちたロマンで、読者を夢幻の世界に遊ばせてくれる。才能を感じさせる。最後を失敗とする意見も出たが、私は、逆であった。」
選評出典:『オール讀物』昭和40年/1965年4月号
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直木賞 53 昭和40年/1965年上半期   一覧へ
選評の概要 「虹」に思う 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
藤井重夫 14 「いわゆるユーモアとペーソスがあって、多少甘い。選考会の席上、この甘さが問題になった。しかし、私は、この程度の甘さこそ必要なのであると思っている。幕切れも読者を十分に満足させるに違いない。」「勿論、この作者は、やがてこの境地を突き抜けて、もっと強い世界へ出て行くだろう。」
柴田道司 8 「(引用者注:「虹」の)次に私が感心した」「作者の力量を十分に見た。」「一所懸命に書いてあるのが気持よい。しかし、過去の直木賞作品に匹敵するところまでは、まだいっていないようである。」
三好文夫 8 「(引用者注:「虹」の)次に私が感心した」「作者の力量を十分に見た。」「一所懸命に書いてあるのが気持よい。しかし、過去の直木賞作品に匹敵するところまでは、まだいっていないようである。」
  「読者に軽蔑されぬ面白さを作品の中に盛り込むことは難かしいに違いないだろうが、直木賞作品は、そうであって貰いたいのである。」
選評出典:『オール讀物』昭和40年/1965年10月号
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直木賞 54 昭和40年/1965年下半期   一覧へ
選評の概要 「修羅の人」を推す 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
青山光二 21 「登場人物の描き方は、ワキ役に至るまでよく描きわけてあり、しかも、それぞれに魅力がある。」「惜しいところで選に洩れてしまった。しかし、実力十分であるし、今後に期待したい。」
千葉治平 6 「詩情も漂い、それだけに多少緊張感に欠ける感じもしたが、しかし、この授賞に反対する気はなかった。」
新橋遊吉 4 「今でも多少納得がいきかねている。決して悪くはないが、まだどこかに幼稚さが残っている。」
選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年4月号
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直木賞 55 昭和41年/1966年上半期   一覧へ
選評の概要 五木寛之氏を推す 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
五木寛之 13 「私は、その新鮮さと才能について、五木寛之氏の「さらば、モスクワ愚連隊」を推したかった。」「勿論、この一作だけなら推さなかったろう。が、その第二作も読んで感心しているので間違いのない作家だと信じたのである。」
井出孫六 4 「席上あまり問題にされなかったが、私は、作者の眼を感じ、これはこれでよいと思った。」
立原正秋 21 「この人の力量からいえば、今まで受賞していなかったことが不思議なくらいである。ただ、こんどの作品についてもいえることだが、この作品の面白さは、果して直木賞的であろうか、という疑問である。」
選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年10月号
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直木賞 56 昭和41年/1966年下半期   一覧へ
選評の概要 新鮮な五木氏 総行数48 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
五木寛之 14 「筋の面白さもさることながら、新鮮でかつ、パンチが利いている。」「直木賞は、久し振りで、会心の新人を得たという気がする。」
  「予選のとき満票を得たのは、「蒼ざめた馬を見よ」と「風塵地帯」であった。満票が二編もあるというのは珍しい。」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年4月号
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直木賞 57 昭和42年/1967年上半期   一覧へ
選評の概要 「シュロン耕地」を 総行数48 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
斎藤芳樹 14 「私が最も高く買ったのは、「シュロン耕地」であった。」「骨格の逞しい力作である。」「かつての奄美大島の悲惨さと、土地の人間関係がうまく捉えてある。」
生島治郎 9 「文句なしに面白かった。私はこの人の前の候補作「黄土の奔流」につき、その文学性を云々したことを覚えているが、この作品は、そういう必要を感じさせなかった。」
  「一時は、今期は受賞作なし、という話が出て、大勢を占めかけた。しかし、私は、あり、の方にまわった。」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年10月号
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直木賞 58 昭和42年/1967年下半期   一覧へ
選評の概要 二人に賛成 総行数76 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
野坂昭如 11 「今回の二作については文句のつけようがなかった。」「私の感じからいうと今回の授賞は、はじめから野坂氏に決っていたような雰囲気であった。」
三好徹 17 「今がちょうど授賞の潮どきであり、」「一種の風格がそなわって来て、従来の推理小説から抜け出る意欲が見えているし、現代風俗を巧みにとらえている。」
早乙女貢 15 「前々回の候補作より非常な進歩である。」「登場人物も生きているし、一種の推理小説めいた興味も感じられた。」「が、この作家の今後に希望したいことは、もっと読みやすく、ということでなかろうか。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年4月号
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直木賞 59 昭和43年/1968年上半期   一覧へ
選評の概要 惜しかった「小船の上で」 総行数71 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
宮原昭夫 13 「最も感心した。なかなかの才筆で、読んでいて何回か声を出して笑った。」「ここには独特の世界があって、それはまぎれもなく小説の世界である。」「最後まで推したのは中山さんと私だけだった。今でも自分が間違っていなかったと思っている。」
井上武彦 7 「一種の感動をもって読んだ。特殊潜航艇に乗せられる二人とその周囲の人人の心理の過程が、しつっこいと思われるほど克明に描いてあり、読者の胸を打つものがこの作品の中にある。」
  「今回は概してレベルが低いという声が多かったけれども、私は、それほどに思っていなかった。ただ直木賞の場合、ある程度の実績が必要であり、最後にしぼられた二、三人には、それが欠けているうらみもあったことが、授賞作なしと決定された一つの原因になっているのではないかと思ったりしている。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年10月号
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直木賞 60 昭和43年/1968年下半期   一覧へ
選評の概要 堂堂と二本 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
陳舜臣 8 「(引用者注:二作授賞に)堂堂と二本、という意味で積極的に賛成した。」「終始興味深く読んだ。すでにベテランの味である。が強いて難をいえば、読み終ってからこのテーマは、それほど目新しいものでないと思わせられたことであろうか。」
早乙女貢 10 「(引用者注:二作授賞に)堂堂と二本、という意味で積極的に賛成した。」「長い間、懸命に茨の道を歩こうと努力して来て、それが見事に花を開いた感がある。以前に比較して、よほど読みやすくなったのも文章の苦心をしたせいのようだ。」
原田八束 5 「雄大で、詩情の豊かな作品である。私は、好感をいだいたが、西域物でない作品を見たいとの声が強かった。」
  「選考委員会では最終的に早乙女氏と陳氏にしぼられた。二人にするか一人にするかで論議されたが、殆んど全員一致で二人にということに決った。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年4月号
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直木賞 61 昭和44年/1969年上半期   一覧へ
選評の概要 上質のユウモア 総行数52 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
佐藤愛子 10 「上質のユウモア(引用者中略)を高く評価していたので、そのことを主張した。」「もう一人前の作家になっているという感じで、これを機に一段の飛躍が期待される。」
藤本義一 10 「構成力を高く評価していたので、そのことを主張した。」「描写が柔軟なのがいい。力まないで全力投球をしているといった感じである。今も授賞に値いするのではなかったのか、と思っている。」
阿部牧郎 8 「感心して読んだ。殊に前半がよかった。」「元海軍兵学校生徒の戦死を狙って果さぬ幕切れのあたりが爽やかである。」
  「こんどはずば抜けた作品がなく、そのために授賞作なしという話も出たほどであった。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年10月号
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直木賞 62 昭和44年/1969年下半期   一覧へ
選評の概要 残念だが 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
河村健太郎 9 「終始面白く読んだし、登場人物も活き活きと描かれており、殊に母親がよかった。うまいと思った。が、もうひとつパンチがほしかった。」
  「いつでも授賞作なしには積極的に反対して来た私だが、賛成側にまわってしまった。傑出した候補作品がなかったし、過去の直木賞作品に匹敵する作品がないというのが大方の感想であったようである。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年4月号
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直木賞 63 昭和45年/1970年上半期   一覧へ
選評の概要 異色な軍隊物 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
結城昌治 14 「選考委員会の空気は初めから結城昌治氏については問題がないというようであった。」「旧軍隊の最も暗い面を描いたものであるが、従来のそれをあばきたてるという手法でなく、冷静に寧ろ悲しんでいるようであった。」「文章は申し分がない。」
渡辺淳一 11 「確実に腕を上げて来ているという点が大いに買われた。」「私にはもう一つ迫ってくるものが欲しかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年10月号
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直木賞 64 昭和45年/1970年下半期   一覧へ
選評の概要 「長良川」の感動 総行数53 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
豊田穣 12 「一作ならこの作品をと決めて選考委員会に出席した。」「私は、感動した。この感動は、日を経てもかわることがなかった。私小説的であるが、私小説ではない。文章も重厚である。」
阿部牧郎 9 「荒荒しいが、微笑ましい青春が感じさせられる。私は、久し振りに愉しい青春小説を読んだ気がして、強く推した。しかし、強く推したが、(引用者注:「長良川」との)二作に授賞の場合は、という前提に立ってであった。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
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直木賞 65 昭和46年/1971年上半期   一覧へ
選評の概要 惜しかった笹沢氏 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
笹沢左保 18 「私は実に面白かった。西部劇を真似ているとか意外性があり過ぎるとの批評もあったが、私には苦にならなかった。寧ろ長所に想えた。」「結局、笹沢氏に受賞さるべきであったと今も思っている。」
阿部牧郎 9 「この作品の面白さは、大衆文芸的でないようだ。私の好きな作品であったが、笹沢氏と二人で最後まで残り、授賞なしと冷酷に決った。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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直木賞 66 昭和46年/1971年下半期   一覧へ
選評の概要 「襤褸」を推す 総行数50 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
木野工 16 「もし授賞作を選ぶとすれば、「自動巻時計の一日」と「襤褸」のどちらか、であろうと思って選考会に出席した」「今でも「襤褸」が惜しかったと思っている。」「必ずしも器用でないし、省略すべき点もいろいろあるが、全身をぶっつけるようにして書いてある。濃度がある。」
田中小実昌 12 「もし授賞作を選ぶとすれば、「自動巻時計の一日」と「襤褸」のどちらか、であろうと思って選考会に出席した」「ユーモアがあって、ある種の才能をはっきりと感じさせる作品であるが、田中小実昌氏の本来の才能は、もっと別のところにあったように思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年4月号
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直木賞 67 昭和47年/1972年上半期   一覧へ
選評の概要 惜しい「残酷な蜜月」 総行数47 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
阿部牧郎 5 「高く評価して出席したのだが大方の賛同を得られなくて残念であった。これはちゃんとした小説だし、殊に最後が印象的であった。」
筒井康隆 4 「テレパスを通じて人間の醜悪な面がよく現われていた。「亡母渇仰」と「日曜画家」には感心した。」
綱淵謙錠 8 「重厚な力作であった。」「ただ私にはいちばん凄い筈の最後の自分の弟を斬るところに嘘が感じられた。」
井上ひさし 7 「面白いがもっと面白くなっていい作品という気がした。」「栄次郎の人間がうまく出ていない。いつもの軽妙さが欲しかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年10月号
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直木賞 68 昭和47年/1972年下半期   一覧へ
選評の概要 「仲秋十五日」のこと 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
滝口康彦 35 「この作家は、二十年間同じ傾向の作品しか書いていないという説があった。それは非難に類する言葉かとも思えたが、私は、だからこそ立派だといいたかった。」「どの作品にも情感が満ちていて、よくひねりが利いていた。立派なプロで通る。」
太田俊夫 4 「八方破れに書いてあったのは、「暗雲」であった。その力量は買っていい。こういう分野での作品をもっと書いて貰いたい。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年4月号
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直木賞 69 昭和48年/1973年上半期   一覧へ
選評の概要 幸運だった両氏 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
赤江瀑 10 「二回読んで、二回目の方が面白かったという力作であった。」「私は、この作品を最有力候補の一つとして考えていたのだが、それを力説する前の段階で、他の委員にその気のないことを思い知らされてしまった。」
長部日出雄 18 「近頃、こういうきっちりと、しかも、余分の物を省いて書いてある小説は珍しくなっている。この小説の成功は、津軽方言を見事に活かしたユウモアにあろう。そのくせ、題材は決して明るくはないのだが、ちゃんと「花」をそなえていた。」
藤沢周平 19 「この一作よりも過去の実績を買われたと見るべきであろう。藤沢氏の小説は、たいてい安心して読むことが出来る。しかし、その反面、どの作品も額縁にはまったような印象をあたえていた。」「今度は、もっと八方破れに書いて、新しい魅力を出して貰いたい」
  「今回の選考委員会の雰囲気は、前回が授賞作無しであったせいか、始めから授賞作を出そうという気配が流れていたようだ。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年10月号
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直木賞 70 昭和48年/1973年下半期   一覧へ
選評の概要 「冬の花」を推す 総行数50 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
植草圭之助 18 「その後、選考委員会のあった夜のことを思い出して、どうしてもっと「冬の花」について強くいわなかったのだと残念に思っている。」「植草氏にとっての不幸は、第一作であること、一生に一度の大経験を書いたのだから、ということであったろう。私は、清冽な恋愛小説として読み、今もその印象が深く残っている。」
戸部新十郎 7 「私は、高い点をつけた。が、他の人物が比較的よく描けているのに、肝腎の主人公は、頭の中ででっち上げた人物になっていて、終始、それに振りまわされている感じである。」
安達征一郎 5 「凄い小説だと思った。特にラストが凄い。あるいは芥川賞向きであったのだろうか。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年4月号
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直木賞 71 昭和49年/1974年上半期   一覧へ
選評の概要 読み返す毎に高点に 総行数56 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
藤本義一 19 「ちょっと達者過ぎないかと思われるほど、世にも凄じい落語家の話が次から次へと描かれていて、強いての欲をいえば、多少の余裕がほしかった。」「明治の末頃の大阪での「芸」の意味について司馬遼太郎氏からの詳しい説明があって、私は、更に「鬼の詩」を高く評価する気になった。」
白石一郎 6 「私には面白かった。大友宗麟について、よくここまでまとめて描いたと思ったのだが、それについての反対意見がすくなくなかった。」
素九鬼子 5 「私の好きな作品であった。このままで忘れ去られるには惜しい作品と、今でも思っている。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年10月号
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直木賞 72 昭和49年/1974年下半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数61 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
井出孫六 8 「よく調べてあって、それが実っている。ただ、私なりに納得しがたいところがあったり、どこかに無理が感じられたが、しかし、明治の初期の怖さがよく出ていて、積極的に推した。」
栗山良八郎 14 「今でも候補作品七篇のうち最も強く印象に残っている」「パンチの利いた短篇であった。」「海軍の下士官を描いた小説として残しておきたい作品であった。」
半村良 5 「今一つ積極的になれなかったのは、すでに実力十分の同氏に、もっといい作品で受賞して貰いたかったからである。」
選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年4月号
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直木賞 73 昭和50年/1975年上半期   一覧へ
選評の概要 後味の悪さ 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
武田八洲満 16 「大方の意見は、要するに資料の寄せ集めであり、小説になっていないし、資料を見る眼に疑問があるということで落ちた。」「私は、ちゃんとした小説として読んだし、それなら資料について、それほど大袈裟にいう必要があるのだろうかと思った。」「選考委員会は、資料についての選考会でないのだと、今でもその後味の悪さを感じている。」
選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年10月号
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