直木賞のすべて
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選評の概要
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Last Update[H19]2007/9/20

川口松太郎
Kawaguchi Matsutaro
生没年月日【注】 明治32年/1899年10月1日〜昭和60年/1985年6月9日
在任期間 第21回〜第80回(通算30年・60回)
在任年齢 49歳9ヶ月〜79歳3ヶ月
経歴 東京府東京市浅草区(現・東京都台東区)生まれ。今戸小学校卒。
受賞歴 第11回毎日演劇賞[脚本](昭和33年/1958年)「銀座馬鹿」
第11回菊池寛賞(昭和38年/1963年)
第3回吉川英治文学賞(昭和44年/1969年)『しぐれ茶屋おりく』
文化功労者(昭和48年/1973年)
処女作 「流罪人藤助」(『講談雑誌』大正5年/1916年)
「大安寺大饗応」(『週刊朝日』大正15年/1926年10月号)
個人全集 『川口松太郎全集』全16巻(昭和42年/1967年〜昭和44年/1969年・講談社刊)
直木賞候補歴 第1回受賞 「鶴八鶴次郎」(『オール讀物』昭和9年/1934年10月号)その他
第1回受賞 「風流深川唄」(『オール讀物』昭和10年/1935年1月号〜4月号)その他
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
1件/最新は平成19年/2007年10月14日記事(このページの下部にリンクあり)
備考 栄えある第1回の受賞者は、今からすれば「大衆文芸の賞」にふさわしい
といえる、芸人一家のこの人です。息子は、昔、テレビの秘境探検番組で
名を馳せた(?)俳優の川口浩さんです。

ちなみに第1回受賞作として「明治一代女」という作品も含めて紹介している文献が、
ネット上にも結構あるのですが、ワタクシが現在まで調べた限りでは、
「明治一代女」の初出は『オール讀物』昭和10年/1935年9月号〜12月号で、
受賞決定後に発表された作品だと思われるので、
当サイトでは、受賞作とはしていません。あしからずご了承ください。
(2007.2.6記)

ホームページをご覧の方より
「風流深川唄」の収録単行本の情報をいただき、
追加させていただきました。
ありがとうございます。
(2007.3.25記)

さらに「風流深川唄」の収録単行本の情報(京北書房版)をいただきました。
ありがとうございます。
(2007.6.16記)
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

直木賞 21 昭和24年/1949年上半期   一覧へ
選評の概要 総行数21 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
富田常雄 15 「富田常雄君に決めようという説が、全委員を通じての異論のない決定となった。」「何分にも戦後初の直木賞としての方針もあるというので、富田君に決定したわけである。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『文藝讀物』昭和24年/1949年9月号)
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直木賞 22 昭和24年/1949年下半期   一覧へ
選評の概要 既成作家にも 総行数33 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
今日出海 5 「今日出海君の「山中放浪」を推薦した。つまり今君の場合は、直木賞を重からしめるという趣旨には適当だと考えたからである。」
山田克郎 10 「直木賞の趣旨が、どこまでも新人発見というところに重点をおくとすれば、(引用者中略)山田克郎君が最も有力者であり、」「前期で候補として挙げられた「海は紅」と思い合わせて先ず妥当な受賞だと思った。」
  「今後の直木賞の在り方として僕の希望を述べれば、既成作家でも新鮮で、この賞に値する人があれば直木賞をやりたいと考える。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『文藝讀物』昭和25年/1950年6月号)
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直木賞 25 昭和26年/1951年上半期   一覧へ
選評の概要 飽まで新人を 総行数24 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
源氏鶏太 15 「源氏君の作品は味だけなので、ペーソスには富んでいるが、大衆小説の本道からは少し外れたところに位しているように思う。(引用者中略)あの味に濃度の高いストオリイを配し得たら、本格的作家の地位は易々たるものだ。」
  「新人がいないと、大家の中でよい仕事をした人に授賞しようという案も出る。然し、僕は反対だ。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『オール讀物』昭和26年/1951年9月号)
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直木賞 26 昭和26年/1951年下半期   一覧へ
選評の概要 将来に期待を 総行数18 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
柴田錬三郎 11 「新人発見の直木賞が、評価の定まった人の与えられる傾向はよくないと思っていた。その意味で柴田君を推した。」「新人は誰にしてもカンペキというわけにはいかない。幾分の欠点は仕方がないので、将来に期待が持てればよいのである。」
久生十蘭 8 「既に大家で、今更直木賞でもないように思う。然しこの受賞がもし久生君の創作活動を刺戟すれば文壇のために有意義である。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『オール讀物』昭和27年/1952年4月号)
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直木賞 27 昭和27年/1952年上半期   一覧へ
選評の概要 大衆小説の脊骨 総行数32 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
藤原審爾 12 「作品としてはむしろ、「秋津温泉」前後の諸作の方が優れていると思うが、今回は他に適当な作品もなく、同君の精進を望む意味の授賞になった。」
  「直木賞授賞作は、職業作家として大成する作風が前提条件になっている。にもかかわらず、授賞後の行動のはっきりしない作家が出るのは淋しい。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『オール讀物』昭和27年/1952年10月号)
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直木賞 28 昭和27年/1952年下半期   一覧へ
選評の概要 選後感 総行数27 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
沙羅双樹 4 「大衆小説の本道を行く作品と考えて第一候補に押した。」
立野信之 25 「これだけの大作を仕上げる丹精は一通りでない、作品の興味の外に、事実調査の繁雑さが加わる。」「同君の才能を知るわたしは、単なる実話作家に終らせたくないと思う心情切なるものがある。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年1月号再録(初出:『オール讀物』昭和28年/1953年4月号)
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直木賞 30 昭和28年/1953年下半期   一覧へ
選評の概要 精進を望む 総行数41 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
白藤茂 13 「構成力の巧みな作家に、描写の勉強をさせるのが早く成功しそうな気がして白藤君を押した」
  「今回の候補作品は委員の力を出し切らせて、意見をまとめるだけのものがなかった。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和29年/1954年4月号)
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直木賞 31 昭和29年/1954年上半期   一覧へ
選評の概要 直木賞の既成観念を排す 総行数49 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
有馬頼義 9 「有馬君の受賞は(引用者中略)満足であり、わたし自身の好みからいえば「皇女と乳牛」が最も好きであった。」
  「「大衆小説を書こうとして勉強し初めた作家群への不満」がはっきりした形で胸へのぼった。」「われわれはもっと視野を広くする。候補作品も大衆ものの畑だけに限定したくない。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和29年/1954年10月号)
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直木賞 32 昭和29年/1954年下半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数22 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
中村八朗 9 「大きな材料と取組んで正面からぶつかっている態度がよかったし、従来の作品にくらべても進歩があると思った」
梅崎春生 7 「梅崎君は直木賞を貰って苦笑しているんじゃないか。彼はもうベテランでありすぎる。」
戸川幸夫 11 「手がたくまとまった作品で描写力もすぐれ、材料も面白かったが、特殊な材料の面白さは、一作品の成功にとどまる危険も多い。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和30年/1955年4月号)
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直木賞 33 昭和30年/1955年上半期   一覧へ
選評の概要 叱り置く 総行数18 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
  「全委員が同音に推挙し得る一作品が見つからぬとは、結局後進の不勉強だろう。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和30年/1955年10月号)
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直木賞 34 昭和30年/1955年下半期   一覧へ
選評の概要 議論をつくす 総行数25 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
新田次郎 14 「私は強力に推した。」「必ずしも名文とは思わないが、主題を正確につかんで、盛り上げて行く才腕は相当の筆力だと思った。」
邱永漢 11 「肝心なものが不足しているし、突っ込んで書くところを省いて、無用なところで手間取っているような気がする。」「くどくもいうが直木賞受賞作家は、職業作家として大成してほしい。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和31年/1956年4月号)
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直木賞 35 昭和31年/1956年上半期   一覧へ
選評の概要 賞の意義 総行数19 (1行=15字)
候補 評価 行数 評言
南條範夫 9 「大衆作家すぎると不安がられその欠点を指摘されつつ授賞された。」「両君の努力を望みたい」
今官一 9 「大衆作家として成功するかどうかあやぶまれ、(引用者中略)その欠点を指摘されつつ授賞された。」「両君の努力を望みたい」
  「この期間中という条件の中で授賞して欲しいと極力主張して今君と南條君になった。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和31年/1956年10月号)
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直木賞 36 昭和31年/1956年下半期   一覧へ
選評の概要 今東光の再精進を祈って 総行数41 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
今東光 41 「今となっては東光を知る者も少なく、新人同様の地位であり、再出発の「お吟さま」も棄て難い作品だと思った。」「東光よ。旧友の幸福を念ずる愛情を率直に受けよ。」
穂積驚 0  
選評出典:『オール讀物』昭和32年/1957年4月号
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直木賞 37 昭和32年/1957年上半期   一覧へ
選評の概要 好かったと思う 総行数11 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
江崎誠致 8 「委員諸氏の多数決に従うつもりであった。そして従った。決定してから「ルソンの谷間」をよみ返して見て、やっぱり好かったと思った。」
選評出典:『オール讀物』昭和32年/1957年10月号
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直木賞 38 昭和32年/1957年下半期   一覧へ
選評の概要 筆力は買うが 総行数21 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
金川太郎 6 「「次席検事」を推したが、賛成者が少なかった。筆力はあるのだが構成力が不足でラストなぞも腰くだけに終り、全体のバランスがとれないのを残念に思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和33年/1958年4月号
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直木賞 39 昭和33年/1958年上半期   一覧へ
選評の概要 好い作品が多かった 総行数30 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
山崎豊子 20 「今度の作品中では、どれよりも優れているような気がして自信を持って推薦し、委員の大半が賛成であったのも嬉しかった。」「良人に死なれる前後の描写に一ばん感心した。」
榛葉英治 4 「正直にいって私は推さなかったが、お馴染み作家だけに嬉しい。」
選評出典:『オール讀物』昭和33年/1958年10月号
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直木賞 40 昭和33年/1958年下半期   一覧へ
選評の概要 快作二篇 総行数35 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
城山三郎 25 「最も好きであった。」「今度のは全体のバランスも好く、しっかりとまとまった作品になった。ただ然し何でも書けるという人ではないようだし材料好みをしすぎると進歩しないように思えて心配だ。」
多岐川恭 12 「シンが強くたのもしく感じる。」「踏まれても蹴られても起き上りそうな作家に思えるのが好い。」
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年4月号
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直木賞 41 昭和34年/1959年上半期   一覧へ
選評の概要 小説の本道 総行数42 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
平岩弓枝 23 「私はこの作家が女人であるとは知らずして読み、当選後に女だと知ってびっくりした。ストーリーも組み立てもその内容も女らしい弱さがなくがっちりとまとまっている。」「大衆小説の本道からいっても、面白く読ませる技倆が大切であり、平岩君は話術の巧みな作家だと思える。」
渡辺喜恵子 15 「初めは読みづらかったが、読み進んで行くにつれ、描写の正確さに惹かれて行った。」「私は初め「馬淵川」は直木賞作品にふさわしくないと思っていたが、(引用者中略)贈賞に賛成した。」
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年10月号
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直木賞 42 昭和34年/1959年下半期   一覧へ
選評の概要 直木賞の本道 総行数39 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
司馬遼太郎 15 「本格的大衆小説であり、直木賞作品の本道で委員の大半も同感であった。」「作家として大成する素質を持っている人だから精進を期待したい。」
戸板康二 25 「正直にいって私は最初反対したのだ。」「知人だけに私は彼を辛く見ようと思った。」「「団十郎切腹事件」等一連の雅楽ものには文体や構成にまだもの足りない箇所が多い」
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年4月号
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直木賞 43 昭和35年/1960年上半期   一覧へ
選評の概要 池波君について 総行数40 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
池波正太郎 40 「大衆小説の本道にしがみついて喰い下る執拗な態度には消えて行かない作家と思う安心感があった。」「彼に直木賞を与えれば作家的自信を生み、大成する機会を与え、傑作を作り出す機縁になると私は信ずる。」
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年10月号
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直木賞 44 昭和35年/1960年下半期   一覧へ
選評の概要 オリジナルの発見 総行数34 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
夏目千代 12 「候補作に推薦したのだが、これは過去の作家のエピゴオネンだと簡単に片づけられてしまった。一言もない。」
寺内大吉 14 「此の作者は真剣に小説と取り組む態度に欠けているという意見が多く、」「私自身は(引用者中略)不満なのだが、(引用者中略)大成する素質を持っていると信じて一票ずつを投じた。」
黒岩重吾 12 「なまじ推理小説にしようとしたところに底の浅さがあるという非難があった。」「私自身は(引用者中略)不満なのだが、(引用者中略)大成する素質を持っていると信じて一票ずつを投じた。」
  「二人の受賞者を出す場合の委員会は好ましからぬ空気に支配される前例を再三見ているのだが、今回も例外ではなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年4月号
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直木賞 45 昭和36年/1961年上半期   一覧へ
選評の概要 候補作品の規格を 総行数44 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
大屋典一 5 「私は(引用者中略)推せんしたのだが、(引用者中略)長編なるがゆえのハンディキャップを免かれ得ぬ典型的作品であろう。」
水上勉 29 「これに出られては、他の作品がさぞ見劣りするだろうと思った予想は案に違わず、「雁の寺」と太刀打ち出来る作品はなかった。」「小島政二郎氏一人を除いては誰にも異存がなかった。」「既に人気作家であり、彼の受賞にはジャーナリスティックな興味も薄れ、「やっぱりそうか」というような落胆感もあったようだが、水上君自身にしてもこれだけの作品はそうザラに書けるものではない。」
  「今日出海氏が興味ある発言をした。「百枚未満の中編短編と数百枚にわたる長編の力量感は比較にならない。同一標準で論ずるのは無理だ」という意味であったが全く同感だった。」「今後の問題として文学振興会の一考を待ちたい。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年10月号
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直木賞 46 昭和36年/1961年下半期   一覧へ
選評の概要 ケレン味のない作品 総行数38 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
来水明子 12 「主題にがっちり喰い下って丹念に描いて行くねばりの強さには感服した。最後まで力を抜かず息切れもせず調子をくずさなかった筆力は将来のある人と思い次回作を期待する。」
伊藤桂一 15 「従軍中の実験を淡淡と描いてケレン味がなく、叙情的にまとめた好短篇が清潔好きの源氏君他委員たちに好感をもたれたのであろう。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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直木賞 47 昭和37年/1962年上半期   一覧へ
選評の概要 これを機会に決定的作品を 総行数47 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
杉森久英 14 「反対意見も多数あったが、「黄色いバット」等の前作も候補に上げられ、力量に信頼があるという意味を含め、此の一作が決定打になったという雰囲気ではなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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直木賞 48 昭和37年/1962年下半期   一覧へ
選評の概要 本格的歴史小説 総行数33 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
杉本苑子 11 「委員全部が賛成し私も感動した。」「しいていえばやや重い。大衆小説としての楽しさがあってもいい。」
山口瞳 11 「支持者は多かったが私は棄権した。小説の本道から外れた作品だが、外れていても委員諸氏を引きずる新鮮さはあった。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年4月号
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直木賞 49 昭和38年/1963年上半期   一覧へ
選評の概要 満足不満足 総行数46 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
佐藤得二 12 「私の推薦した候補作なのだが委員全部が賛成し、満点であった事は近年に珍しい。」
瀬戸内晴美 11 「将来のあるどころか、既に流行児にもなっているし、なお一そう励ます意味で入選させてもいいではないかといったが、これも否決。」
  「将来のある人をもう一人出そうではないかといったが、賛成したのは村上委員と源氏委員だけで、あとは頑強に佐藤氏一人説で押しきられてしまった。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年10月号
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直木賞 50 昭和38年/1963年下半期   一覧へ
選評の概要 強情の棚上げ 総行数43 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
江夏美子 12 「東海文学(同人雑誌)で、偶然に読んだ作品に、新人らしからぬ技倆を感じたのだが、まだまだアマチュアの域を脱しきれていない。」「自分ひとり楽しんで書いている。」
安藤鶴夫 21 「安藤君の諸作は読者を楽しませすぎ、勤め気やサービス精神がありすぎて(私もそのひとりだが)薄手になりやすい欠点を持つ。」
和田芳恵 20 「自分では勤めたつもりでいて、その実はちっとも勤めていない生硬さを持つ。」
  「安藤君も和田君も新人ではないから議論が沸騰した、」「新味のうすい恨みがあって、新人をもう一人出したいと源氏鶏太はいった。が、三人受賞の前例がなく、作品的にも異議が多く、結局は二人におさまった。」
選評出典:『オール讀物』昭和39年/1964年4月号
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直木賞 51 昭和39年/1964年上半期   一覧へ
選評の概要 作品本意に 総行数33 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
草川俊 8 「「赤い運河」に惹かれたが、同君が同一素材をひねくりまわし、マンネリズムに落ちたという非難が強く、賛成者が少かった。筆力を持っているのだから、他の材料と取り組んで再起することを望みたい。」
選評出典:『オール讀物』昭和39年/1964年10月号
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直木賞 52 昭和39年/1964年下半期   一覧へ
選評の概要 作家の死命 総行数39 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
永井路子 21 「直木賞作家として伸びて行くのはこの人だと思った。」「私は今後も、直木賞作家として大成する文体を持つかどうか、其処に重点を置いて選考の標準にしようと思っている。」
安西篤子 7 「好く整った好短篇」「直木賞作家として大成するかどうか一脈の危惧はある。」
  「直木賞の候補作家に、年年女性の目立った事は如何なる理由によるものか。(引用者中略)何となく奇妙な気がする。」
選評出典:『オール讀物』昭和40年/1965年4月号
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直木賞 53 昭和40年/1965年上半期   一覧へ
選評の概要 文体の重要さ 総行数41 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
藤井重夫 13 「甘すぎる非難はあるにしても、作家として適当な文体を持ち、軟かさを持ち、読者を作中へ引き込んで行く。文筆生活も長く、文章の習練にも苦労を重ねた人らしく、行文が自分のものになっている。」「採点もこの二作(引用者注:「虹」と「川の挿話」)に分れ、僅差で「虹」が当選した。(引用者中略)妥当な結果だと思う。」
  「直木賞の選考で悩むのは当選作家の将来を予測するむずかしさだ。」「当選者全部が流行作家になってくれることが目的だ。」「素質を探る鍵は文体の硬軟にあるようで、楽に読めるなめらかな文体、手ざわりの軟かな文章が必要で、流行作家になった人は例外なく手ざわりの美しい文体を持っている。」
選評出典:『オール讀物』昭和40年/1965年10月号
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直木賞 54 昭和40年/1965年下半期   一覧へ
選評の概要 「漆の花」に 総行数10 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
立原正秋 10 「ズバぬけていました。この人は前にも芥川賞の候補に上っているし、大衆作家としてものびて行く力があります。私は是非推したい!」
新橋遊吉 0  
千葉治平 0  
選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年4月号
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直木賞 55 昭和41年/1966年上半期   一覧へ
選評の概要 直木賞の権威 総行数41 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
立原正秋 16 「今回は全員一致の推せんだった。」「作品としては「漆の花」の方がよかったと思うが、将来ある作家という意味が強かったようだ。」
  「直木賞受賞作家が成功しないという非難を聞く。(引用者中略)残念でもあるし直木賞の権威にもかかわる。」
選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年10月号
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直木賞 56 昭和41年/1966年下半期   一覧へ
選評の概要 線の太さ 総行数27 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
五木寛之 27 「その筆力はなみなみならぬ才能であり、実人生の苦労を積んだ人に思え、直木賞作家らしい線の太さが感じられてたのもしい。」
  「風邪で委員会へ出席する事が出来ず、(引用者中略)欠席して書類推薦をすると、落ちる例が多いので気にしていたが、今回は希望通りで嬉しかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年4月号
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直木賞 57 昭和42年/1967年上半期   一覧へ
選評の概要 傑作のない年度 総行数40 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
野坂昭如 24 「文体が新鮮でイキがいい。他の作品は何処かで一度お目にかかったような模倣性を感ずるが、受胎旅行はこの作家だけの独自の文章を持っている。」「この作家は作家として大成する意気をもって取り組んでいるかどうか疑わしいような悪名声がある。」
生島治郎 7 「入選者の幸運を喜び、いい作家になってくれる日を待つ。」
  「ズバぬけていいものもない代りによめないような愚作もなかった。」「自分は今回は受賞作なしを主張した」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年10月号
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直木賞 58 昭和42年/1967年下半期   一覧へ
選評の概要 力量を信頼 総行数37 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三好徹 18 「基礎がしっかり固まっているくせに取材が不馴れで面白みが足りず、苦心して書く割合に読後の感銘が薄い。」「自分は三好君の力量を信頼して推したが、反対の委員もあった。(引用者中略)受賞後は委員諸氏を首肯せしむるに足る作品を書いてくれることを望む。」
野坂昭如 19 「直木賞作家の本命とはいい難く、君の技量は逆手だ。文章のアヤの面白さに興味があって事件人物の描写説得は二の次になっている。」「野坂君が独特の文躰の上に、豊かな内容をもり込む作家になってくれたらそれこそ鬼に金棒だ。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年4月号
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直木賞 59 昭和43年/1968年上半期   一覧へ
選評の概要 当然の結果 総行数44 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
  「箸にも棒にもかからない作品もなかったが、受賞に値するようなズバぬけた作品もなかった。」「こんな作風の人たちが大衆作家として大成するだろうかと気になる。新人の登場する舞台もなかなかないだろうが、予選の段階で候補作の選び方にも問題があるのではないか。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年10月号
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直木賞 60 昭和43年/1968年下半期   一覧へ
選評の概要 陳舜臣君を推す 総行数45 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
陳舜臣 36 「私は陳舜臣の「青玉獅子香炉」に決めていた。」「力作が多く作家としては既に一家をなし、(引用者中略)直木賞を受けて当然の実力者である。」「(引用者注:受賞作は)作家の構成力が感じられて、読後感も強く力を持っている。恨むらくは前半の精細な描写に較べ、最後のうら返しがぞんざいで、もっと手をこませて書く必要はあった。」
早乙女貢 8 「興味を持って読んだ。」「後半が記録的になりすぎて興味を半減したのは、これも残念だ。そんな欠点はあるにしても両君(引用者注:陳舜臣と早乙女貢)の受賞は正しかったと思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年4月号
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直木賞 61 昭和44年/1969年上半期   一覧へ
選評の概要 佐藤君に期待する 総行数27 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
佐藤愛子 8 「やや将来に見込みある作家は佐藤愛子であるが、それも今度の作品の「戦いすんで日が暮れて」は彼女としても会心の作ではあるまい。」
  「今度ほど候補作品の貧弱な事は珍しい。」「委員諸氏が受賞なしというのだったら自分も賛成するつもりでいた。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年10月号
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直木賞 62 昭和44年/1969年下半期   一覧へ
選評の概要 「藤田嗣治」を 総行数44 (1行=14字)