直木賞のすべて
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林真理子
Hayashi Mariko
生没年月日【注】 昭和29年/1954年4月1日〜
在任期間 第123回〜(通算8年・16回)
在任年齢 46歳3ヶ月〜
経歴 山梨県生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。
受賞歴 TCC賞新人賞(昭和56年/1981年)
第50回文藝春秋読者賞(昭和63年/1988年)「いいかげんにしてよアグネス」
第7回きものグレース京都大賞(平成4年/1992年)
第8回柴田錬三郎賞(平成7年/1995年)『白蓮れんれん』
第32回吉川英治文学賞(平成10年/1998年)『みんなの秘密』
処女作 エッセイ『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(昭和57年/1982年11月・主婦の友社刊)
直木賞候補歴 第91回候補 「星影のステラ」(『野性時代』昭和59年/1984年1月号)
第92回候補 『葡萄が目にしみる』(昭和59年/1984年11月・角川書店刊)
第93回候補 「胡桃の家」(『小説新潮』昭和60年/1985年3月号)
第94回受賞 「最終便に間に合えば」「京都まで」(昭和60年/1985年11月・文藝春秋刊『最終便に間に合えば』より)
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part2
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第6回)
付録-柴田錬三郎賞受賞作一覧(第8回)
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

直木賞 123 平成12年/2000年上半期   一覧へ
選評の概要 金城さんの全力疾走 総行数99 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
重松清 17 「非常に面白く読んだ。」「新鮮な切り口と筆力とで読みごたえのある一篇に仕上げた。今とてものっている作家らしく、文章の運びもなめらかであったが、受賞にいたらなかったのはまことに残念だ。」
船戸与一 29 「いつものことながらぐいぐいとひき込まれていくが、この作品には多少疑問が残った。」「小説の伏線を張るということと、あら筋がわかるということとは違うのではないか。」「最後に、少年の心のよりどころだったほとんどすべての人たちが死ぬのはいかにもつらい。」「船戸さんの実力は疑うべくもないものであるし、こうしたスケールの大きな小説は抗えない魅力に溢れている。」
金城一紀 32 「面白くうまい。」「新人の作家が、作品に自分の持っているすべてを注ぎ込み、全力疾走するのは当然のことだ。が、この「GO」はその注ぎ方が尋常ではない。あまりの濃さに読んでいるこちらがむせそうになったことが何度もある。」「作者がこの一作だけで終ったとしても、「GO」はそれでも仕方ないと思わせるだけの素晴らしさがある。」
選評出典:『オール讀物』平成12年/2000年9月号
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直木賞 124 平成12年/2000年下半期   一覧へ
選評の概要 山本さんの進歩 総行数101 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
山本文緒 35 「山本さんは「プラナリア」でさらに飛躍された。」「今までの恋愛小説に出てくる、恋や仕事に前向きの女という理想像に、山本さんは大きく×印をつけたような気がする。また後半の、居酒屋の主人を主人公にした短篇などは、作者の著しい成長を見せるものだ。」「山本さんはまさしく「大化け」した。」
重松清 20 「「家族」というテーマをずっと書いてこられた重松さんは、この短篇で成熟の時を迎えられた。」「重松さんは、丁寧な職人技で地味な素材を滋味溢れるものに変えた。子どもたちのいきいきしていること、中年を迎える男や女たちの描き方のうまさというのは、まさに佳作という名に価いする。」
選評出典:『オール讀物』平成13年/2001年3月号
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直木賞 125 平成13年/2001年上半期   一覧へ
選評の概要 藤田さんのストライクゾーン 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
藤田宜永 25 「恋愛小説を読む醍醐味をたっぷり味わわせていただいた一作だ。」「静謐で、ねっとりとした魅力を持つ。ヒロインの官能的な描写も素晴らしい。」「強いて申し上げるとしたら、登場人物が年齢のわりにやや老けて見えることであろうか。」
選評出典:『オール讀物』平成13年/2001年9月号
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直木賞 126 平成13年/2001年下半期   一覧へ
選評の概要 時代の風 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
唯川恵 39 「感服した。いきいきと現代の女性が動き、呼吸しているのである。特に恋愛についての、いささか醒めた意地の悪さがとても面白かった。」「よく出来た女性のための小説というのは、男性も、あらゆる年齢の人も共感する。ひとりひとりのリアリティ、構成力も素晴らしい。」
山本一力 18 「若い職人が、その才覚と気働きで、やがて店を盛り立てていくというストーリーは、読み手にある種のカタルシスを与えてくれる。よって二部は不要であると私は思う。」「しかしこの小説の清々しい読後感はそう損なわれることはなく、山本さんは大変な力量を身につけられたようだ。」
選評出典:『オール讀物』平成14年/2002年3月号
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直木賞 127 平成14年/2002年上半期   一覧へ
選評の概要 生きることのせつなさ 総行数97 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
乙川優三郎 21 「読んだ時、これで受賞は間違いないだろうという確信を持った。」「それまでの候補作に見られた気取りが消え、端正な文章が一層冴えている。特に心をうったのは「安穏河原」で、生きることのせつなさが見事に表現されている。」
選評出典:『オール讀物』平成14年/2002年9月号
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直木賞 128 平成14年/2002年下半期   一覧へ
選評の概要 小粒な印象 総行数92 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
  「今回の直木賞候補作は、正直申し上げて小粒の印象を持った。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号
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直木賞 129 平成15年/2003年上半期   一覧へ
選評の概要 子どものリアリティ、大人の苦さ 総行数88 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
石田衣良 19 「本当にいい小説であった。大人が子どもの世界を書くのはむずかしい。」「皆から好かれていないクラスメイトを話をする時、友人と思われないように、立つ階段の段をずらす、などという描写が本当にうまい。小説の舞台に月島という場所を選んだところも、成功の要素であった。」
宇江佐真理 22 「今回は受賞されるのではないかと思ったのだが、残念な結末となった。」「私のような時代小説の「ニュー読者」からすると、宇江佐さんの描く江戸の風景は充分に魅力的だ。」「宇江佐さん、本当にもう少し、もう少しですよ。これだけのものをお書きになれるのですから、もう少しプロの作家としての緻密さを身につけてください。」
村山由佳 23 「この方の初期のものから読んでいるが、いつのまにかこれほど大人の作家としての技倆を身につけられ、堂々とした大作だ。」「きちんと人間をひとりひとり書き分け、大人の過去と苦さを与えている。」「けれども最後の章は、いかにも勉強しました、という意気込みだけで、かなり気持ちをそがれてしまった。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年9月号
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直木賞 130 平成15年/2003年下半期   一覧へ
選評の概要 当代の人気作家の受賞 総行数90 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織 21 「印象に残った。」「洗練されたタッチで、主人公たちの心は実にデリケートに表現されている。けれども私はこの江國ワールドに今回ぬぐいがたい異和感を持った。」「人生の真実の毒を描くというより、うまくツジツマを合わせたという感じがするのである。」
姫野カオルコ 18 「印象に残った。」「過剰なまでに毒を追い求めていく。前半はここまでしつこく長くなくてもよいと思うし、アフォリズムが時として決まらない時もある。けれども私はこの姫野さんのたくましいモチベーションに圧倒された。」
京極夏彦 11 「読みやすくなった分だけ京極色が薄れた感もあるが、読者を物語の世界に誘うテクニックは、いつもながらぞくぞくするほど魅力的だ。」
選評出典:『オール讀物』平成16年/2004年3月号
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直木賞 131 平成16年/2004年上半期   一覧へ
選評の概要 ユーモアの才能 総行数98 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
奥田英朗 26 「この方のユーモアの才能というのは全くすごい。一見無造作なようでいて、緻密な計算がなされている。」「女性作家の自意識過剰さは、私自身の姿を見ているようだ。むっとする場面もあったが、やはりおかしくてたまらない。」「作者の力量にひたすら感心するばかりだ。」
熊谷達也 30 「最初とまどった。時間が逆戻りしたような古めかしさを持っている。」「活字を追うにつれ強引に物語の世界に連れ込まれた。」「洗練された初恋の女性の描き方は感心しないが、遊女上がりの女房が魅力的だ。この小説は、素朴な人間ほどリアリティがある。」
選評出典:『オール讀物』平成16年/2004年9月号
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直木賞 132 平成16年/2004年下半期   一覧へ
選評の概要 角田さんの嗅覚 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
角田光代 42 「少女の頃からどこかに属していないと、女たちは非常に生きにくいという現実を踏まえながらもこの小説には救いがある。」「女たちの茶飲み話のようなせせこましさを打開するために、いきなり心中を持ってきてスケールを拡げる。こういう技を筆力がない人がやると白けてしまう。若いのに文章修業を積んだ角田さんはらくらくとやり遂げてしまった。」
伊坂幸太郎 10 「角田さんと同じように私が推したのは伊坂幸太郎さんである。」「荒唐無稽さと奇妙なリアリティが混ざり合う伊坂ワールドを今回もたっぷり楽しんだ。本当にセンスのいい作家だと思う。」
選評出典:『オール讀物』平成17年/2005年3月号
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直木賞 133 平成17年/2005年上半期   一覧へ
選評の概要 大きなハードルを越す力 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朱川湊人 17 「やや無難にまとまり過ぎているきらいもあるが、人の心の機微をこれだけ細やかに掬い上げる手腕はたいしたものである。」「新人の幼なさが目立つ作品の中で、大人の貫禄を見せ堂々の受賞となった。」
  「今年の直木賞はどれも小粒で、どこかの雑誌の新人賞候補を読んでいるような気がした。」「最近の若い人というのは、こうして内へ内へと自分の世界をつくり、小さくまとまった作品を書くのであろうか。」
選評出典:『オール讀物』平成17年/2005年9月号
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直木賞 134 平成17年/2005年下半期   一覧へ
選評の概要 満を持しての受賞 総行数91 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
東野圭吾 45 「(引用者注:過去の候補作と比べ)今回がいちばん危なげなく着地出来たような気がする。」「たとえ小説でも許されない、非道徳的なことがあると思うが、この作品はそうした善悪を乗り越えるだけの力を持っていると思う。」「ご本人に不満はあるだろうが、とてもよいタイミングの受賞であったと思う。」
選評出典:『オール讀物』平成18年/2006年3月号
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直木賞 135 平成18年/2006年上半期   一覧へ
選評の概要 ただごとでない成長の早さ 総行数99 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
森絵都 33 「驚かされた。」「表題作の短篇の主人公たちのリアリティに舌を巻いた。」「露骨な表現がないものの、この二人の性描写もエロティックで大胆である。この作家の成長の早さというのはただごとでない。あまりのうまさは老練という言葉さえ思い浮かべるほどだ。」
三浦しをん 12 「若さが前面に出ている。若者ふたりの生活が、ややありきたりのイマドキ小説っぽく、私には物足りなかった。しかし受賞作にふさわしい才能であることには間違いない。」
選評出典:『オール讀物』平成18年/2006年9月号
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直木賞 136 平成18年/2006年下半期   一覧へ
選評の概要 サークル化 総行数96 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
三崎亜記 16 「喪失すること、想念という二つのテーマを書き切った。「町が消えた理由がない」という意見もあったが、私はこの理不尽さを表現するために理由は無用だと考えている。」「強く推したのであるが、私の力が足りず、この方の文学をうまく代弁出来なかった。」
  「若い作家たちが、単に小粒になった、というのではなく、志が別のところにあるような気がして仕方ない」「小説家のサークル化に、若い書店員が後押しをし、それは組織化され、巨大化されていくようである。」
選評出典:『オール讀物』平成19年/2007年3月号
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直木賞 137 平成19年/2007年上半期   一覧へ
選評の概要 まさにプロの技 総行数87 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
松井今朝子 18 「むせるような極彩色の世界をかもし出している。」「まさにプロの技である。直木賞はこうでなくてはならない。今回も若い小説を決して否定するつもりはないが、こうしてプロの香気あふれる作品と並べられるとどうしても見劣りしてしまう。小説を書くという技と志において歴然と差がある。」
選評出典:『オール讀物』平成19年/2007年9月号
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直木賞 138 平成19年/2007年下半期   一覧へ
選評の概要 嫌悪感 総行数100 (1行=12字)
候補 評価 行数 評言
桜庭一樹 43 「私はこの作品をどうしても好きになれなかった。」「作者がおそらく意図的に読者に与えようとしている嫌悪感が私の場合ストレートに効いたということであろう。」「主人公の女性にも父親にもまるで心を寄せることが出来ない。」「私には“わたし”と“私の男”が、禁断の快楽をわかち合う神話のような二人、とはどうしても思えず、ただの薄汚ない結婚詐欺の父娘にしか思えない。」
  「桜庭さんはじめ、若く実力ある作家たちが次々と登場してくる昨今、キャリアを積んだ方々は本当に大変だ。新しいインパクトは何だろうと、私はいつも考えている。」
選評出典:『オール讀物』平成20年/2008年3月号
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ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H19]2007/10/28 ダカーポ 平成18年/2006年7月19日号(587号)  
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